ビクティニと昔ロマンのブログ

好きなポケモンと旅行に出掛けたり、鉄道名所(景観路線や歴史ある鉄道スポットなど)スポットめぐりや風光明媚な鉄道旅、日本の観光地の歴史や景観めぐりなどを紹介するコーナーです。よろしゅうお願いします。

北海道旅日記6-2 道東編 まりもの湖“阿寒湖”

皆さん、こんにちは。

今回は『まりもの湖』とも言われる『阿寒湖』を回ってきました。阿寒湖は先ほどの摩周湖と同様、阿寒摩周国立公園に位置しています。また、その地域特有の水中植物の1つとされるマリモも生息しています。

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阿寒湖入り口

この日は台風が近づいているため、何があるか分からないので早めに阿寒湖へ向かうことにします。また、予約した宿の駐車場に車を停めてもらい、しばらく阿寒湖を観光しようと思います。・・・とはいっても、結構な大雨でしたが・・・。

摩周湖(弟子屈町)から阿寒湖までは国道241号を進んで行きます。所要時間はだいたい50分程度です。

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阿寒湖 温泉街

阿寒湖温泉街に到着です。

ここは温泉街ということもあり、お土産屋や飲食店が多く並んでいます。お土産屋にはマリモのビンが売られている他にエゾシカの角などが売られているようです。このあたりもエゾシカは普通に生息していますからね・・・。

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阿寒湖温泉 手湯
阿寒湖は火山地帯の中にあることから、温泉が湧き出ています。そのため、ここが温泉街として栄えています。

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遊覧船乗り場

台風が近づいているため、大雨が凄まじいことになっていますが、阿寒湖の遊覧船はやっているようなので遊覧船で阿寒湖を回ろうと思います。ちなみに遊覧船は1周で2000円です。

ビクティニ:外はとてつもない大雨だ・・・。やはり台風が来ているからなのかな・・・。明日は関東に帰るから、飛行機が飛べればいいけど・・・。

ミュウ:でも、北海道に来る頃には熱帯低気圧になってるだろうから、大丈夫じゃない?

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阿寒湖遊覧船

ということで、こんな天候ですが遊覧船に乗船致します。やはり悪天候ということもあってか、みな傘をさしています。

ビクティニ:ひどい大雨だ・・・。ブワーッション!!!

ミュウ:ここは北国だから夏でも気温が低いのね。

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阿寒湖を泳ぐカルガモ

阿寒湖は『マリモの生息する湖』として有名ですが、マリモの他にカルガモなどの野鳥も見ることができます。 

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阿寒湖の入り江

遊覧船が桟橋を出港すると、まず入り江に入っていきます。

シャワさん:なんか川の上を進んでいるみたいだ。

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阿寒湖滝口

入り江の奥には『滝口』があります。その周辺には『十九列島』という島々も観ることができます。周辺には趣がある小さな島々があたかも湖上にある庭園のような景観から景勝地の1つとされています。

ここの入り江と『滝口』は阿寒湖では唯一の流出河川となっており、ここから流れ出た水が太郎湖の水と合流し、阿寒川へ流れ出る様子があたかも滝のように見えることから、その名前で呼ばれるようになったようです。春にはエゾムラサキツツジ、夏にはハクサンシャクナゲ、秋には紅葉が色付き、冬には白鳥も観られる、四季折々の阿寒湖景観スポットの1つとされています。

シャワさん:入り江の奥は川みたいになっているのか。不思議な空間だね。

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阿寒湖の湖上

阿寒湖は面積が13.25平方km、最大水深45mあり、先ほどの摩周湖と同様にカルデラ湖でありながら傾斜や深さとしては比較的穏やかなのが特徴です。

マリモはもちろん、ヒメマスやワカサギなども生息しています。冬にはワカサギ釣りも楽しめます。また、この湖には『大島』『小島』『チュウルイ島』『ヤイタイ島』の4つの島が浮かんでいます。気候は平均でわずか3.7℃と年中非常に冷寒で冬の時期(1月~2月)では-17℃を下回るほどだそうです。平成17(2005)年にはラムサール条約にも登録されています。

ちなみに『阿寒湖』の由来としては、アイヌ語からなってはいるようですが、その語源については諸説があり、アカム(akam 車輪)とする説やラカン(rakan ウグイの産卵)に関係するという説、あるいは地震の時に雄阿寒岳が動かなかったことに由来しているという説があるようです。

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阿寒湖の湖上から見える雄阿寒岳

遊覧船からは阿寒湖を囲む山々も観ることができます。霧がかかって見えませんが、写真の雄阿寒岳もその1つです。

雄阿寒岳は1371mあり、この湖の東側にそびえ立つ活火山の1つにもなっています。かつては活火山でないとされていたようですが、1万年前に噴火したという記録があったことが判明されたことから、平成23(2011)年に活火山として認定されたといいます。また、地質は安山岩質の成層火山で、溶岩ドームを持ったカルデラ火山の1つとされています。

ビクティニ:あれが雄阿寒岳かな?ここも霧がかかっているのが不思議・・・。

ミュウ:さっきの摩周湖は完全に周りが崖だったけど、阿寒湖は岸辺があるし、湖上からの景色も見れるよ。

作者:まあ、何しろ摩周湖はいわゆる特殊な環境でカルデラ湖として出来たものだから、湖の周りが崖に囲まれていたんだ。

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チュウルイ島 入り口

さあ、遊覧船はチュウルイ島に到着しました。阿寒湖にある4つの島のうち、ここのチュウルイ島が唯一上陸できる島になっています。入り口にあるマリモのキャラクターのハリボテが可愛らしいですw

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チュウルイ島

ということで、チュウルイ島に上陸です。

ここでは約15分間遊覧船が停泊し、その間に『マリモ展示観察センター』を見学できますが、係員に「しばらくここで見学したい」という旨を伝えると次の便までに気が済むまで見学ができます(ただし最終便は除く)。ちなみにこの島の名前の由来はやはりアイヌからの語源で「急流の島」ということから名付けられたようです。

シャワさん:ここが阿寒湖に浮かぶ島か。何もかも自然の形のままで残っているのはいいよね。

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チュウルイ島の原生林

小さな島でありながら古くから原生林が残り、原生林が織りなす自然のマイナスイオンと荘厳な自然が溢れ出すパワースポットの1つです。

ミズナラをはじめ、シナノキ、シラカンバ、ブナ、トドマツなどの植物が生えています。また、野鳥も観られることもあるようです。

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展望台から見る雄阿寒岳

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展望台から見る雌阿寒岳

マリモ観察センターの展望台からは阿寒湖の奥にそびえ立つ山々が見渡せます。雄阿寒岳や雌阿寒岳をはじめとする山々、湖上に浮かぶ島も見渡すことができます。天気がいい日には雌阿寒岳(標高1499m)が見られることもありますが、この日は台風(ここに来る頃には熱帯低気圧)が来ているということもあり、生憎の天候となっています。

シャワさん:霧の掛かった阿寒湖って逆にいい雰囲気で道東らしい感じがしなくもないかな・・・。

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マリモ展示観察センター

島内にある『マリモ展示観察センター』では、阿寒湖に生息しているマリモの生体を知ることが出来ます。

シャワさん:いわば、マリモの研究所みたいな感じかな。ちょっと観てみよう。

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阿寒湖に生息するマリモの分布図

阿寒湖にはマリモが生息している名所として知られていますが、実際には滝口付近やチュウルイ島周辺といった阿寒湖北部に生息していることが多いようです。

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マリモの様子を映像で知ることができる
ここでは、阿寒湖の四季折々の映像や阿寒湖に設置された水中カメラによるマリモの生体を間近で観られます。

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展示されているマリモ

また、実際の阿寒湖水中に生息しているマリモ群の様子を大きな水槽で表現して展示されています。

マリモは阿寒湖の自然美における象徴とされていますが、実際には近年はマリモの分布が狭められ、生育量も減少しています。そのことから『国の特別天然記念物』として登録されています。

マリモはアオミソウ科に分類される淡水性の緑藻の一種で光合成によって生長する水中植物の1つです。自らエサをとったり自分で移動したりといった動物的な行動をとることはないのです。個体によっては大小異なり、各々の個体には太さ0.05~0.1mm、長さ0.5~3.5cmほどの小さな藻の集まり(濃緑色の糸状体)から生成されています。もともと小石や岩にくっついていたものが何らかのきっかけにちぎれ、互いに絡み合って藻の塊となったのがマリモなのです。

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大型球状体のマリモ

中でも世界最大級のマリモが生息するのは世界的に見てもここ阿寒湖しかありません

大きいものは最大直径が30cmを超える個体もあるようです。大型球状体のマリモはだいたい5~9年周期で成長から崩壊まで繰り返しています。

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間近で見るマリモ

 マリモの活動期は6月から始まります。

6月頃には「胞子」をつくり、2本の「べん毛」を動かして水中を泳ぎます。やがては小石や岩などに付着し、発芽します。発芽した胞子は枝分かれした糸状の体に成長します。これが「糸状体」といい、これが初めてマリモの1個体となります。糸状体となった体は小石を覆うように徐々に球体の形となって育っていきます。そして、球状に育ったマリモは水流によって同じ場所に集まるのが、いわゆる「マリモの生育地」になるわけです。

岩の上で密生し、はがれた糸状体が波にもまれ小さな塊になることもありますが、個体が大きいものはだんだん球状に近づいていきます。大型化したマリモは湖水の流れによって沖合に流れ、水深が深くなるごとに湖底に届く日光が不足するため、藻の一部が枯れてやがては崩れてしまいます。また、大型化したマリモは内部に「空洞」が出来てしまうので、崩れやすくなってしまうのです。逆に浅瀬に運ばれることもあり、浅瀬は日の光が届きやすいことから、成長しやすくなります。すなわち、マリモの形が崩れてしまうのは水流の流れによって沖合に流された場合に崩れてしまうということなのですね。

ビクティニ:マリモって生き物のようで生き物でないけれども、水中の植物として生息しているんだ。

ミュウ:不思議だよね。そもそもなんでマリモって丸いのかな?

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NHKスペシャルでも放送されたマリモの生態系

マリモは他の地域では見られない、いわば「神秘の球体」としてNHKスペシャルでも放送され、マリモの生態系について取り上げられた事がありました。

これは、「なぜマリモは丸いのか?」ということなのですが、そもそもマリモは先ほども述べたように、1つ1つの細い藻が小石などに付着して集まった塊のようなもので、水流によって丸くなっただけのことです。ところが、大型化したマリモに成長すると、内部までに日光が届かず、光合成ができないという生物学上ありえない現象があるといいます。しかも、その謎も未だに解明されていないということで、なおも調査が現在でも続いているのです。これがいかにマリモが謎の生き物であるかが分かります。

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マリモの生息地

阿寒湖に生息するマリモはだいたい阿寒湖の北部に生息していることが多いので、ここのチュウルイ島の周辺では普通に生息しています。

水中に生えている植物を見ると、いかにもマリモが居そうな雰囲気ですね。このあたりはマリモの他にもニジマスといった魚も生息しています。

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阿寒湖と遊覧船

さて、この島に上陸してから1時間、帰りの遊覧船がやってきました。阿寒湖温泉の桟橋とチュウルイ島を結ぶ遊覧船はだいたい1時間間隔で運行されているので、時間がある時にチュウルイ島のマリモがじっくり見たいという人には次の便を利用すると良いでしょう。ただ、先ほども述べたように事前に係員にその旨で伝える必要があります。もっとも天候があまりにひどいので他に見るところは無いのですがねw

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帰りの遊覧船には“まりもの唄”が流れていた

帰りの遊覧船は船内で「まりもの唄」が流れていました。これは阿寒湖に古くから代々伝わる悲恋の歌とも言われています。

1.水面(みずも)をわたる 風さみし
  阿寒の山の 湖に
  浮かぶマリモよ なに思う
  マリモよマリモ 緑のマリモ

2.晴れれば浮かぶ 水の上
  曇れば沈む 水の底
  恋は悲しと 嘆きあう
  マリモよマリモ 涙のマリモ

3.アイヌの村に 今もなお
  悲しくのこる ロマンスを
  歌うマリモの 影さみし
  マリモよマリモ 緑のマリモ

ビクティニ:霧の掛かった阿寒湖ってどことなく哀愁を感じる・・・。

ミュウ:まりもの唄は初めて聴いたけど、物哀しい歌だよね・・・。

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桟橋に着いた遊覧船

シャワさん:まりもってあんなに不思議な生き物(?)だったとはね・・・。霧の阿寒湖も意外といい雰囲気だったし。

 

★遊覧船とチュウルイ島の様子★


阿寒湖遊覧船とチュウルイ島

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岸からでも見られる阿寒湖
 先ほどの摩周湖では、周りが崖に囲まれているため間近では見られませんが、阿寒湖や屈斜路湖は陸との高低差がないので間近で見ることができます。

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今宵の宿

さあ、北海道旅もいよいよ大詰めになってきた所で、最後の宿です!ここで泊まったら、釧路空港へ移動し、帰宅します。

ビクティニ:長いようであっという間だったなあ・・・。

ミュウ:ここが最後の宿か・・・。寂しくなるけど、もう帰らないといけないもんね・・・。

作者:そうだよ。だから明日は10:20の便で帰るから、早く出発するので早起きはしてね。

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旅館では牛乳プリンを提供

最後の旅館は割とリーズナブルな旅館ですが、ウェルカムサービスとして牛乳プリンを提供してくれました。他にも風呂上がりのソフトクリームやドリンクコーナーがあり、しかも無料で提供してくれます。北海道旅行でリーズナブルに阿寒湖で泊まりたいという人には大変おすすめだと思われます。

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最後の晩餐

さあ、北海道旅行の最後の夕食は近くの昔ながらの食堂で取ることにしました。エビ丼を頼みましたが、これもまたリーズナブルです。また、台風が近づいているということで、天候が悪化しないうちに夕食を取ろうと思います。

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ビクティニ:明日はいよいよ帰宅だけど、台風がなあ・・・。

ミュウ:帰りの飛行機が飛べればいいよね・・・。

ゴンベ:でも、さっき天気予報を見てみたら、今夜中には過ぎてしまうみたいだっぺ。

ビクティニ:本当か?!なら、飛行機に関しては問題なさそうだ。

シャワさん:いやあ、よかったよかった。

ビクティニポンチョのピカチュウ:ZZZ・・・。

 

・・・この宿の宿泊を最後に明日は飛行機で帰ります・・・。

・・・最終回へ

 

★おまけ★

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旅館で餅つき大会

館内では餅つき大会が行われていましたが、餅ができず・・・。

餅が食べたかったのに・・・orz