ビクティニと昔ロマンのブログ

好きなポケモンと旅行に出掛けたり、鉄道名所(景観路線や歴史ある鉄道スポットなど)スポットめぐりや風光明媚な鉄道旅、日本の観光地の歴史や景観めぐりなどを紹介するコーナーです。よろしゅうお願いします。

日本最大級のカルスト台地“秋吉台”と“秋芳洞”

皆さん、こんにちは。今回は日本最大級のカルスト台地といわれる『秋吉台』と『秋芳洞』を観光してきたので、紹介しようと思います。

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秋芳洞

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カルスト台地 秋吉台

 

 前日に宿泊した湯田温泉から路線バスで約30分、秋芳洞入口まで行きます。

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秋芳洞バス停

秋芳洞と秋芳台は湯田温泉からバスが出ている他に、新山口駅または美祢駅から路線バスが出ています。新山口駅からバスで45分です。

ビクティニ:秋芳洞はバスで行くことができるよ。

ゴンベ:ここから秋吉台に行けるんだっぺ~。

 

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美祢の由来は蒸気機関車?

美祢市はかつて『鉱山の町』としても有名だった場所でもあります。ここで採掘された無煙炭は燃焼時に本来の石炭独特の煙や臭いが出にくいことから日本海軍で使用されていたようです。戦後には厚狭~長門を結ぶJR美祢線こそ、当時の炭鉱輸送に貢献した路線であり、沿線住民の生活や日本の経済を支えてきたのです。そのこともあり、近代日本を支えてきたのが、美祢市であり、また沿線を走っていた蒸気機関車も日本の経済を支えた名残でもあるということで、「みね」の文字が「蒸気機関車の形」としてのシンボルとなったと思われます。

 

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ラムサール条約にも指定された秋芳洞

 秋芳洞に存在する『秋吉台地下水系』は、前回紹介した釧路湿原と同様に『ラムサール条約湿地』に登録されています。

ビクティニ:ここでもラムサール条約に指定されているんだ。

ゴンベ:釧路湿原みたいな天然な自然だっぺね。

 

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秋芳洞の観覧料金は大人1人で1300円です。

 

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特別天然記念物 秋芳洞

秋芳洞は、石灰岩が浸蝕、溶解されて生じた洞穴で、国内の石灰洞としては最大級のものとされています。そのことから、日本の鍾乳洞における特別天然記念物として登録されています。

 

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秋芳洞から流れる地下水
秋芳洞から流れた地下水が川となって流れています。ラムサール条約で定義とされるのは、湿原・河川・湖沼・地下水系・マングローブ・藻場・干潟・サンゴ礁等が含まれますが、洞穴から流れ出る地下水によって鍾乳石や石筍など、芸術的な洞窟生成物を生み出していることからラムサール条約に登録されている理由でもあるのです。

シャワさん:天然の水が涼しい・・・。

にょろもう:自然の水だ~!

 

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秋芳洞 入り口

秋芳洞の入り口です。切り立った岩壁の奥に鍾乳洞があります。

ビクティニ:この先に洞窟が・・・。

ゴンベ:冒険の予感だっぺ!

 

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鍾乳洞ならどこにでもある観音様

鍾乳洞に入ると、入口の観音様の仏像が出迎えてくれます。

 

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秋芳洞冒険コース

秋芳洞の入り口付近には「冒険コース」があります。

 

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遊歩道

秋芳洞は秋吉台国定公園の地下100mに位置し、その南麓に開口する日本最大級の鍾乳洞です。

この洞窟の成分が石灰岩で出来ているため、その石灰岩が雨水や地下水によって溶解されて崩落して大きな空間が生じたことで、この鍾乳洞が出来たといいます。また、秋芳洞の地上には秋吉台があり、カルスト台地になっているので、その大地にある石灰岩が雨水や地下水によって溶解された石灰岩が最終的にこの洞窟に流れ出るというわけなんです。

ビクティニ:この洞窟はみな石灰岩で出来ているんだ。そのことから、近くに鉱山なんかもあったりするものね。美祢市はかつては「炭鉱の町」として栄えていたのもこれらの石灰岩のおかげと言っても良いのかも知れない・・・。

ゴンベ:この洞窟は涼しいっぺ~!いくら10月でも外は暑かったっぺよ・・・。

 

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青天井
我々が入ってきた入り口にはいると『青天井』という空間が広がります。水面の青さが天井に反射して青く光ることから、このように名付けられたようです。ここは高さ30m、幅50mと秋芳洞のなかでも最大の広さがあります。実際に天井が青く光って見えるかどうかは、鍾乳洞の入口から差し込む光の量に左右され、条件が揃わなければ見られないといわれています。

ビクティニ:天井がすごく高いね・・・。

ゴンベ:誰か登ってるっぺ。

 

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百枚皿
段丘の中腹から流れ出た地下水が波紋の形に固まったもので、多くの皿を並べたような姿から『百枚皿』と名付けられていますが、実際には500以上あります。水の波紋の端の泡立つ部分に石灰分が沈積しており、よく見ると波紋の縁の部分だけが長い歳月の間に盛り上がっています。その形状から皿状になったといわれているのがその由来です。

 

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洞内富士(広庭)

 洞窟の地下水に含まれる石灰成分によって、石灰岩が織りなす芸術を生み出します。

あたかも洞窟の世界にそびえ立つ富士山を連想させる洞内富士は、洞内で最大級の石筍です。これは、天井から流れ出た地下水に含まれる石灰成分によって沈積し、それが地面の土と交えてだんだん出来上がったといわれています。

 

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岩壁に映える2本の線
川の向こうに映る2本の線は、数万年前の川底の堆積物の跡です。これは地下水によって堆積物が流され、徐々に川底が下がり、現在の位置より高い位置が川底の後として残っているようです。

 

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千町田

しばらく歩くと先程の『百枚皿』と似たような光景が現れます。これは『千町田(ちまちだ)』といい、広い水田の景観を思わせることから、その名前が付きました。こちらも先程の『百枚皿』と同様に「石灰華段丘」で、地下水の石灰成分と縁の部分で構成されてできたものです。また、目を凝らして見てみると「メクラヨコエビ」という5㎜~1㎝にもなる生き物が生息しているようです。しかも、洞窟の中に生息しているため目が退化しており、色素も失われています。体は半透明の美しい乳白色をしているのでなかなか見つからないのかもしれません・・・。

ビクティニ:ここには「ヨコエビ」が生息しているみたいだけど、体があまりに小さいのか見つからない・・・。

ゴンベ:ワシは見つけたっぺよ!ラッキー!

 

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高台から見た千町田

遠くから見てみると、本当に地上で見られるような田んぼの景色に見えますね(笑)

これぞ、洞窟の地下水と石灰成分が生み出した芸術的なジオパークといっても良いのではないでしょうか。

 

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分岐点

ここから黒谷支洞秋吉台展望台への道でそれぞれ分かれています。秋吉台へはエレベーターで行くことが出来ます。一方、黒谷方面はこのまま進んでいきます。

 

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黄金柱

先に進むと、大きな鍾乳石が現れます。そう、これぞ、秋芳洞のシンボルといえる『黄金柱』です。

これは天井から流れ出た大量の地下水が岩壁を伝い、その部分に石灰成分が付着して何万年ものの年月をかけて、巨大な柱を築き上げたものです。高さが15m、幅4mと国内にある鍾乳洞の中でも最大級の鍾乳石です。

ちなみに『黄金柱』は愛称であり、正式の名前は「石灰華柱」といい、これは地下水に含まれた炭酸カルシウムが水温の変化や水の蒸発などのため炭酸ガスCO2の空中への放出によって過飽和となり,沈殿して結晶となったものなんだとか。

 

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紺屋の藍壺
黄金柱のすぐ近くには『紺屋の藍壺』があり、大昔にこの鍾乳洞が発見される前、このあたりはコウモリの住処としては絶好であったことから、コウモリのフンが溜まって化石化したといいます。大昔といえど、ちょっと気持ち悪い話ですね・・・(^^;)

 

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黒谷支洞入り口

黄金柱を通り過ぎると、黒谷支洞になります。

 

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巌窟王
支洞に入ると、まるで仁王立ちしたかのような形相をした岩が立っています。『巌窟王』です。 これも石筍の一種で鍾乳石が重なって出来たものです。今まで見てきた鍾乳石とは違い、ゴツゴツ感のある岩ですが、あたかもどこぞの美術館の芸術作品みたいですね。

 

他にも『クラゲの滝のぼり』や『龍の抜け穴』など、ネーミングセンスにふさわしい名称のスポットが見受けられます。

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龍の抜け穴

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クラゲの滝のぼり

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洞窟内に生える植物(?)

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マリア観音

 

黒谷口を抜けると「三億年トンネル」が・・・。

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三億年のタイムトンネル

ビクティニ:狭い洞窟を抜けたと思ったら、こんなトンネルが・・・。

ゴンベ:不思議な空間だっぺ・・・。

 

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黒谷側入口

トンネルを抜けると黒谷側の入り口です。

ビクティニ:終点まできた!

ゴンベ:地上の空気はうまいっぺ!

作者:今度は秋吉台へ行くので、先程の分岐点へ戻ろう。

ビクティニ:また戻るんかい!w

ゴンベ:そういや、さっきエレベーター乗り場があったみたいだっぺ。

 

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秋吉台へはエレベーターで行けます

ということで、秋芳洞からエレベーターで上って秋吉台入り口にやってきました。

ここから秋吉台へは徒歩5~10分で行けます。

ビクティニ:やっぱりさっきまでいた洞窟にいたのが嘘のように開放感があるな~。ここと秋芳洞の高低差が80mもあったんだね・・・。

ゴンベ:ワシら今まで結構地中にいたんだっぺね・・・。

 

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しばらく森の中を歩いていくと・・・

 

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日本最大級のカルスト台地“秋吉台”

エレベーター乗り場から坂道を上っていくと・・・ついに!

日本最大級のカルスト台地『秋吉台』です!

4502ヘクタールの総面積を持つ秋吉台国定公園の中に位置する『秋吉台』は、石灰岩の白い岩肌が露出した地形が特徴的で日本のカルスト台地の中でも最大規模の広さを誇っています。秋吉台は今から3億5千万年前のこと、南方の海底火山に珊瑚礁として誕生した石灰岩が、プレートの移動によって現在のカルスト台地となったのがはじまりだと言われています。そのことから、秋吉台の石灰岩には、古生代時代に海に生息していた生物の化石が多く含まれていると考えられます。何千年、何億年とかけて海から山へ堆積しながら移動した石灰岩の厚みは、500m~1000mあり、その台地に雨水が流れ、長い時間を掛けて石灰岩が溶けてカルスト台地として今日まで至っています。

 

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展望台から見るカルスト台地
秋吉台のカルスト台地こそ、人類よりとてつもなく古い地球の歴史と大自然が生み出した芸術の象徴でもあります。これは人類の文明が生まれる遥か古代より続く地球の営みが造り上げた大地のアートと言っても過言でないでしょう・・・。

ビクティニ:わ~!こんなに広大なカルスト台地は初めてみた!野原に露出した岩が自然の美しさと地球の歴史を物語っているね。

ゴンベ:大草原と岩のコントラストが良くマッチしてるっぺ!

 

 

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カルスト台地に露出している石灰岩
カルスト台地特有の石灰岩は炭酸カルシウムで出来ています。これは石灰岩が雨水や地下水によって溶かされてできたのがいわゆるカルスト台地です。そのカルスト台地に降る雨は空気中の二酸化炭素を含み込み弱酸性の水となります。さらに地中を通る時に、多くの二酸化炭素を含んだ水が、石灰岩に触れると化学反応をおこして徐々に溶かしていきます。地表を流れた水は、「ドリーネ」といわれる窪地を伝って地下水として染み込んでいくことで鍾乳洞として成形されます。このように、石灰岩が溶けてできた凸凹のある地形と地下の洞窟をまとめて、カルスト地形と言われているのです。

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カルスト台地が生んだ鍾乳洞
秋吉台の石灰岩地層は、数百メートルの厚さに及んでいます。地殻変動などでできた割れ目は溶かされ、徐々に大きくなり、やがて水路ができます。壁や天井が崩れ、その空間が大きな洞窟へと変貌していきます。また鍾乳石や石筍などの二次生成物が形成され、初めて「鍾乳洞」として生まれるのです。この秋吉台の地下には、大小あわせて約420ものの洞窟が存在しています。そして、その地下には秋芳洞があるということなのです。

 


カルスト台地『秋芳洞・秋吉台』を探検

 

 

「日本最大級のカルスト台地“秋吉台”と“秋芳洞”」をお伝えしました。