ビクティニと昔ロマンのブログ

好きなポケモンと旅行に出掛けたり、鉄道名所(景観路線や歴史ある鉄道スポットなど)スポットめぐりや風光明媚な鉄道旅、日本の観光地の歴史や景観めぐりなどを紹介するコーナーです。よろしゅうお願いします。

正月旅行 厳冬の山陰旅 旧大社駅に訪問

 

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出雲市駅

広島バスセンターから高速バスで出雲市までやってきました。本来ならばJR木次線で出雲まで行く予定でしたが、木次線は大雪で動けないようなので出雲までは高速バスで移動し、山陰の夕日を見に行くため、レンタカーで日御碕へ行こうと思います。

ビクティニ:木次線が動いていないのは残念だな・・・。本格的に雪が降るのは1月のはずなのに・・・。

ミュウ:仕方ないよ。あそこは雪が積もるんだもん・・・。

作者:とにかく夕日が観たいから、ここでレンタカーを借りて日御碕へ行くとしよう。

 

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旧大社駅

日御碕へ行く途中の道で、かつては出雲大社への玄関口として使われていた旧大社駅跡があります。

旧大社線(出雲市駅~大社駅)は明治45(1912)年6月にこの駅とともに開業し、出雲大社への参詣路線として使われてきました。

大正13(1925)年に改築された駅舎には出雲大社の最寄り駅らしく、社様式かつ純日本風を取り入れた大変珍しい木造駅舎です。しかし、昭和62(1987)年の国鉄からの分割民営化(JRに移行)とともに『第三次特定地方交通線』として廃止路線に認定され、平成2(1990)年4月1日・・・旧大社線および大社駅は廃止となりました。なお、この駅舎は大正期に建てられた二代目の駅舎でわずか5ヶ月で完成したものだそうです。

 

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旧大社駅内部

この駅舎には、珍しい出雲大社の大祭に遣わされる皇室の勅使をもてなすための貴賓室が備わっており、内装も大正ロマンを漂わせる和風な仕様になっています。

駅舎内の装飾やシャンデリア、照明など、いかにも豪華絢爛さを物語っており、また歴史的建造物として非常に価値が高いものであることから、国の重要文化財に指定されています。駅舎内はとても広く、天井も高い開放感のある空間です。これには私のような鉄道ファンはおろか鉄道ファンでなくともあまりの芸術的なデザインに趣を感じさせます。当時はこんなレトロな駅舎で参拝者を迎えていたと思えば、素晴らしいおもてなしだったと実感させられます。

 

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きっぷうりば跡
きっぷ売り場も現役当時の状態で残されています。窓口にはカーテンが閉められており、閉鎖的な感じになっていますが、土休祝日には駅長事務室を再利用したカフェも営業されます。当時の雰囲気に浸りながらお茶を楽しんでみたいものです。

 

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旧大社駅の時刻表
旧大社駅の時刻表です。当時のダイヤは概ね1時間に1本という運行間隔になっていたようです。かつては出雲大社参拝客御用達の路線であったことから、急行『だいせん』『大社』などの直通列車も設定されていたようです。しかし、1980年代半ばには地域輸送が中心となったことで、それらの直通列車は廃止されました。この時刻表は廃止直前当時のものと思われます。

 

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旅館案内
旅館案内も当時の状態で残っています。しかし、当時はあった旅館の中には今はもう廃業になった旅館も多かったことでしょう・・・。

 

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駅名標

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ホームと改札跡

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名所案内

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旧大社駅ホームとD51-774号機

駅名標や名所案内の看板、そしてホーム跡も廃止当時の状態で残っています。

駅名標はまさに旧国鉄仕様、名所案内には出雲大社はもちろん、稲佐の浜日御碕などの案内が記載されています。改札口もとても広いのは、それだけ多くの参拝客が訪れていたということが想像できます。線路は錆びついており、廃止されてからかなり時が経っているということを物語っています。島式ホームは枠を除いて砂利で埋められているようです。しかし、駅舎は立派でもホームや線路跡はちょっと殺風景な印象です。
ホームにはD51型蒸気機関車774号機も鎮座されています。この機関車は昭和17(1942)年に造られ、晩年は山陰本線の旅客・貨物列車で活躍しました。昭和50(1975)年11月に旧国鉄から無償譲渡され、長いこと出雲大社神苑に展示されていましたが、平成13(2001)年に旧JR大社駅整備施策の一つとして、大社町合併50周年を機に出雲大社の特別なご高配によって、旧大社駅にて永久保存されることになったのです。

以前にも訪れたことがあるのですが、訪問当時はもっと荒れていました。しかし、最近は手入れされているようなので、以前よりは綺麗になったかと思います。

↓以前の記事はこちら

okuchichibu551.hatenablog.com

 

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旧大社線跡を望むデゴイチ

ホームから旧大社線跡を眺めてみると、まるでデゴイチが大社線を勇ましく駆け抜ける姿を想像してしまいます。

もし、旧大社線が廃止されていなかったら、この先も鉄路が延々と伸びている当時の姿を見ることができたのかもしれませんが、私が生まれた頃には廃線になっているので、静かに余生を送っているというのを見守るばかりです。しかし、当時の姿を想いながら大社線跡を眺めるだけで、現役時代当時の姿は想像できます。出雲大社の参拝がてら、時間があれば訪れてみるのもいいのかもしれません。

 

『旧大社駅に訪問』をお伝えしました。