ビクティニと昔ロマンのブログ

好きなポケモンと旅行に出掛けたり、鉄道名所(景観路線や歴史ある鉄道スポットなど)スポットめぐりや風光明媚な鉄道旅、日本の観光地の歴史や景観めぐりなどを紹介するコーナーです。よろしゅうお願いします。

えちごトキめきリゾート雪月花のツアーに参加

皆さん、こんにちは。

2022年11月に長野県と新潟県の旅行に行った際、えちごトキめき鉄道が運行する観光列車『雪月花』に乗車してきました。

『雪月花』のツアーには上越妙高から出発する『午前の便』と糸魚川から出発する『午後の便』があります。今回は、『午後の便』に参加するので、集合場所である糸魚川駅へ向かいます。

 

糸魚川駅

ということで、糸魚川駅にやってきました。

糸魚川市は、新潟県の一番西側にあり、人口は約4.1万人のまちです。

ここは、ヒスイで有名なまちで、海岸に行くとヒスイ海岸があり、ヒスイをはじめとする様々な天然石が拾えるスポットがあります。

 

SLくろひめ号
糸魚川駅前には、小さなSLが展示されています。

これは『くろひめ号』というSLで、産業用の機関車として活躍しました。昭和31(1956)年に製造されたもので、日本で造られた蒸気機関車としては最後のもので、幅1.7メートル、高さ2.5メートル、長さ4.6メートル、重さ5.6トンあります。

新造されてから約26年間、『くろひめ号』は主に糸魚川市内にあった工場から糸魚川駅までのわずか約300メートル、石油を作るための土をピストン輸送を担っていました。昭和57(1982)年に工場が閉鎖されたのち、糸魚川小学校やフォッサマグナミュージアムに展示され、地元の方々によって手厚く保存や整備され、修繕も施されて現在の糸魚川ジオステーションジオパル正面入り口にて常設展示されています。

 

糸魚川駅南口にあるレンガ造りの旧機関庫エントランス
糸魚川駅の南口(アルプス口)にはかつて存在したレンガ車庫の一部分が保存されています。

正面から見ると三連アーチのレンガ造りの建築物が一際目立ちます。

平成22(2010)年までは、完全な形でレンガ車庫がありました。当時の信越本線の支線として糸魚川駅まで延伸、同時にこのレンガ車庫が造られたのが大正元(1912)年のこと。昭和中期までは蒸気機関車の車庫として、その後はディーゼル機関車などの検査や修理を行うための検修庫として活用されてきたのです。このように古い歴史のあるレンガ車庫が当時から市民に愛されていたということもあり、保存の話が持ち上がりましたが、惜しくも解体されたようです。それでも、かつてのイメージを残したいという思いから、レンガ車庫の一部分がモニュメントとして保存され、現在に至っています。一部分が残っているだけでも、せめてもの産物です。

 

大糸線で活躍したキハ52形
糸魚川駅南口にある『ジオステーション』にはかつて大糸線で走っていた『キハ52ー156』が保存されています。

この車両は平成22年3月12日まで走ったもので、大糸線の糸魚川~南小谷間で活躍しました。その実物が展示され、保存状態から手厚く綺麗に整備されています。糸魚川市がJR西日本から無償で譲り受けたもので、引退時はタラコ色(首都圏色)だったのを往年の国鉄色(赤とクリーム色のツートンカラー)をまとい、大切に保存されています。

 

キハ52形の車内
車内は、大糸線で走っていた現役時代の姿のままで保存されています。

整理券やワンマン運転に使う運賃表ボード、優先席の模様などを除けばほとんど国鉄時代のままで保たれています。かつてはディーゼルエンジンをうならせ、北アルプスの山間部を駆け抜けていたことでしょう。現在は待合室として使われ、自由に休憩ができます(ただし飲食は不可)。他にも、トワイライトエクスプレスの再現車両も展示されています。

ビクティニ:昔ながらのディーゼルカーって感じだね。ボックスシートが旅情を誘われるな・・・

くまモン:九州でもこれと似たような車両が走っているモンね・・・

 

谷村美術館・玉翠園の入り口
ツアー集合時間まで時間があるので、周辺を観光してみましょう。

糸魚川駅から自転車を借り、『谷村美術館』を見学します。

谷村美術館は玉翠園と隣接していますが、翡翠園はここから離れた場所にありますが、翡翠原石を使った庭園に、糸魚川産のヒスイをはじめ世界中のヒスイの彫刻作品を間近に鑑賞できる美術館があるそうです。

 

ビクティニ:小さな美術館だけど、どこか風流。

くまモン:庭園があるっぽいモン。

 

ひすい入りブレスレット作り体験
ヒスイのテーブルで、ヒスイ丸玉1つと様々な天然石や水晶を組み合わせ、自分だけのブレスレットが作れます。

紐にヒスイの丸玉を1つだけ通し、いろんな天然石と水晶の丸玉を入れていきます。この日、体験したのは私一人だけで、10分ほどで終わってしまいましたw ヒスイや天然石を使ったブレスレットが自分のものとなると、不思議と嬉しい気持ちになります。

『翡翠(ヒスイ)』という名前は、もともと『翡翠』の二文字は『カワセミ』という鳥から表したものとされています。

カワセミは水辺に棲むとても美しい鳥で、背は艶のある青緑色で腹は橙色をしています。このようにカワセミの羽の色のように美しかったことから、中国ではその石を『翡翠玉』と呼ぶようになり、それが日本に伝わったことで『翡翠』となったと言われています。なお、縄文時代の日本では、翡翠は『ぬ(奴)の玉』と呼ばれたという説もあるようです。

 

谷村美術館
谷村美術館は、彫刻家の澤田政廣氏の仏像彫刻が展示された、ちょっとした美術館です。

この美術館は村野藤吾氏によって設計され、昭和58(1983)年に完成しました。外観はシルクロードの遺跡をイメージしたような不思議なデザインです。館内には日本最高峰の木彫り彫刻家こと澤田政廣氏の仏像が10点ほどが展示されています。湾曲した半円形の部屋、洞窟のような部屋の中には、作品が展示されています。そして、作品を引き立てるため、外からの日光と人工照明が織りなす光と影は、天候や時刻によって違った表情を見せてくれます。このため、作品を見る者を優しく包む空間は、静寂の中に落ち着きを感じさせます。

荒涼とした砂漠の中、シルクロードの遺跡、そして教煌の石窟寺にいるような不思議な気持ちです。

ビクティニ:まるで砂漠にいるようで遺跡にいるようで洞窟の中にいるような不思議な気分・・・

くまモン:まるで別世界にいるようだモン・・・。建物の形も芸術的だし・・・

 

玉翠園の庭園
美術館に隣接している玉翠園は昭和56(1981)年に開園しました。

山間から流れる2本の川、遠くの山並みを借景し、庭園の築山と結びつけ、広大で閑静、風流な趣を見せる鑑賞式の庭園です。

また、庭園を眺めながらお抹茶とお菓子が楽しめます。

ビクティニ:どこか心が和む・・・

くまモン:癒されるモン・・・

ぐんまちゃん:庭園を眺めながらお抹茶がいただけるのは幸せな気分・・・

 

糸魚川ジオステーション
糸魚川駅のジオステーションでは、鉄道模型のジオラマをはじめ、サボやヘッドマークなどの鉄道グッズ、様々なプラレールなどが展示されています。

いわば、ちょっとした鉄道博物館と言った感じですね。

中には、かつて実際に使われた寝台列車『トワイライトエクスプレス』の方向幕や備品などが展示されているようです。

さらにジオラマの運転もできる、鉄道ファンにはたまらぬ場所です。もちろん自分でNゲージの車両を持参し、それをレイアウトで走らせるともっと臨場感が出ます。

 

ジオラマの運転
ということで、実際にHOゲージのジオラマで車両を走らせてみましょう。

ジオラマは北陸新幹線やえちごトキめき鉄道をはじめ、JR大糸線などが行き交う糸魚川駅をモデルにHOサイズの鉄道模型ジオラマが展示されています。

今回は、信越本線や越後線などで活躍する115系電車を運転します。

ちなみに体験運転は1回30分で500円ですが、自分でNゲージの車両を持っていくと1回で200円になるそうです。もし、今度糸魚川に行く機会があったら、自分の好きな車両を持っていってみるのもいいのかもしれません。

ビクティニ:早速運転しよう。車両は115系だ!出発進行!直江津駅定発!

 

案内表示に出た『リゾート』の文字

さて、もうじき集合時間なので、改札にて申し込みを済ませ、集合場所の2番乗り場へ。

『リゾート』と書かれた種別は、言わずもがな『雪月花』ですね。

 

えちごトキめきリゾート雪月花

『えちごトキめきリゾート雪月花』の御出座しです!

見るからに洒落た観光列車です。

えちごトキめき鉄道の観光列車で、『日本海ひすいライン』と『妙高はねうまライン』を走ります。車両はET122形1000番台の2両編成で運行されます。

日本海や妙高山など新潟ならではの景色を楽しみながら食事ができるのが、この列車のコンセプトです。いわば、クルーズトレインといった感じです。

ビクティニ:これが『雪月花』か!この前のいすみ鉄道のレストラン列車に似ているね

くまモン:おしゃれなデザインだモン!

 

★雪月花の乗車映像★


www.youtube.com

 

『雪月花』のロゴ
『雪月花』のロゴもおしゃれなデザインです。

桜の花から日本海の海、夕日の空を飛ぶトキ、雪のマーク。どれも新潟らしいデザインをまとっています。

 

雪月花の車内
雪月花の車内は、田んぼをイメージした黄金色をまとった新潟らしいデザインです。

また、テーブルや椅子枠なども越後杉をふんだんに使われています。

ビクティニ:雪月花の車内はとても洒落ている!ここまで素晴らしい列車は初めてだ!

くまモン:九州のななつ星みたいだモン!

ぐんまちゃん:落ち着いたデザインだね

『雪月花』は、13:59に糸魚川駅を出発し、妙高高原駅へ走ります。

 

えちごトキめき鉄道の沿線地図
えちごトキめき鉄道は、平成27(2015)年に北陸新幹線が開業し、並行在来線のJR北陸本線および信越本線の一部が第三セクターへ移行する形で誕生しました。

新幹線の開業を機にかつてのJR在来線から『えちごトキめき鉄道』へ移行されます。直江津駅を境に北陸本線の市振駅~直江津駅間が『日本海ひすいライン』、信越本線の直江津駅~妙高高原駅間が『妙高はねうまライン』として引き継がれます。

『日本海ひすいライン』は文字通り日本海が見れる路線で、『妙高はねうまライン』は妙高山が見え、高田城跡などの観光名所があります。

『雪月花』のコースには上越妙高駅から出発する午前の便と糸魚川駅から出発する午後の便がありますが、今回乗車する便は午後の便となります。

停車駅は糸魚川駅を出発し、筒石駅、直江津駅、二本木駅、妙高高原駅の順番に停車し、折り返して上越妙高駅へ戻るコースになっています。

しかし、途中の妙高高原駅では下車が可能なので、今回は妙高高原駅まで乗車することにします。

 

『雪月花』のウェルカムドリンク
『雪月花』のツアーに参加すると、ウエルカムドリンクが提供されます。

ウエルカムドリンクは赤ワインか白ワインかの選択のようですが、自分は白ワインにしました。こういった観光列車ならではのおもてなしは、とてもいいものです。

 

筒石駅

最初の停車駅である『筒石駅』にて9分ほど停車します。

筒石駅は、トンネルの中にある全国的に見ても珍しい駅です。ここは『頸城トンネル』というトキ鉄で最長のトンネルの中にあり、長さはなんと約11.3kmあります。

このように、長大なトンネルの中に造られた筒石駅ですが、もともとはホームとともに地上にあったのです。というのも、ここに鉄道が開業した当初は『信越本線』という名前で、当時はその『支線』だったのですが、後に『北陸本線』として改称されます。もちろん当時はトンネルの土木技術はそれほど発達していなかった時代だったので、本当の海岸沿いに鉄道が敷かれ、かつての筒石駅も海沿いにありました。開業してからというもの、豊漁になると貨車に魚箱を積み込む姿や行列になるほどの人々でごった返していたのだそうです。ところが海と山に囲まれた環境であったがために、度々土砂崩れが起きる事態となりました。更に昭和38(1963)年には大規模な地すべりにより、北陸本線が20日間ものの不通にになるなどの事態に見舞われました。このような背景とともに輸送需要も増加していたこともあり、当時は線路容量の低さが盲点となっていたことから、北陸本線の早期の複線化が望まれます。そこで、海岸線の線路とは別の場所に『新線』として内陸に設けられることになります。その新線敷設の際に『頸城トンネル』が昭和44(1969)年に開通し、同時に筒石駅も、そのトンネル内へ移設されることとなったのです。

こうして筒石駅は現在でも国内屈指のトンネル駅として現在に至っているのです。

ビクティニ:ここが筒石駅のホームか!トンネルの中にあるだけあって変わった駅だね

くまモン:ホームも狭いモン!・・・というかトンネルの中なのに踏切の音がなってるモン?

 

『雪月花』で提供される料理
雪月花の車内で提供される料理には新潟ならではの食材がふんだんに使われています。

料理には、沿線の景色を楽しみながら地元の食材を堪能していただきたいという思いが込められています。

料理の内容は便によって異なりますが、今回は午後の便を申し込んだので【漁港直送、漁師の豪快コース】が提供されました。料理の内容は、能生漁港でとれたズワイガニをふんだんに使い、他にも新潟らしい旬の食材も使われた豪華なものです。まるで旅館の懐石料理をいただいているようです。

ビクティニ:おせち料理みたいに3段になっている。いただきます!うまい!さすが新潟!

くまモン:カニがおいしいモン!

ぐんまちゃん:豪華な器に入っているのが良いよね!

 

日本海ひすいラインの車窓
『日本海ひすいライン』では北側の車窓から日本海が眺められます。

特に有間川駅付近では眺めがよく、運が良ければイルカが見られることも。また、天候が良いと佐渡ヶ島が見られることもあります。

日本海の海岸沿いにはサイクリングロードも整備されており、日本海を眺めながらサイクリングができます。

日本海ひすいラインは、かつてのJR北陸本線の一部(直江津駅~市振駅間)だった路線で、首都圏や新潟などから北陸を結ぶ幹線として、JR時代には多くの特急や急行が行き交っていたのです。また、寝台列車の『トワイライトエクスプレス』をはじめ、様々なブルートレインや夜行急行も行き交いました。そして、新幹線の開業とともにJRの在来線としては廃止されましたが、路線自体は『えちごトキめき鉄道』が引き継ぎ、また物流を支える路線として、現在でも多くの貨物列車が行き交っています。

ビクティニ:日本海の景色が素晴らしい!かつてトワイライトエクスプレスが走っていた頃は、この景色を楽しみにしていたことか・・・

くまモン:日本海の景色を眺めながらの鉄道旅もいいモンね

 

直江津駅

直江津駅に到着です。

ここでは8分間停車します。

直江津駅は、えちごトキめき鉄道の『日本海ひすいライン』および『妙高はねうまライン』の2路線が乗り入れる拠点駅です。

トキ鉄の他にもJR信越本線北越急行の列車も乗り入れています。

そして、トキ鉄になる前はJR東日本とJR西日本の境界駅でもあった駅です。糸魚川方面がJR北陸本線妙高高原方面がJR信越本線に分かれていました。ただし、長岡方面はJR信越本線のままになっています。

直江津駅のどこかに、『新潟県鉄道発祥の地』の文字が刻まれた『0キロポスト』の札が掲げられています。というのも、新潟県に鉄道が初めて通ったのが明治21(1888)年のことで、信越本線の関山駅~直江津駅間が開通しました。その0キロポストも開業当初から設置されています。本来なら当時の信越本線は高崎駅を起点に、長野駅や直江津駅を経由し、新潟駅を結ぶ大幹線でしたが、高崎駅には0キロポストが無く、全通した時も直江津駅に0キロポストが置かれていたのがその名残ともいえます。このような背景から直江津駅の近くには『直江津D51レールパーク』があり、D51型蒸気機関車やかつての北陸本線の急行で使われた413系電車などが見られます。

他にも、佐渡ヶ島へ行くフェリーのりばの最寄り駅であることから、佐渡へのアクセスの拠点にもなっています。

ビクティニ:直江津駅も昔はJRの拠点駅だったのに、今はトキ鉄の主要駅になっているのね。ホームが長いのもかつては多くの特急が行き交っていた名残だろうね・・・。

くまモン:鹿児島本線も九州新幹線ができたから八代から南は『肥薩おれんじ鉄道』になったんだモン。

ぐんまちゃん:うちの県でも、一部は信越本線として残っているけど、横川駅から先の碓氷峠の部分は廃線になっちゃって、長野県からここまでが殆ど第三セクターの鉄道だもんね。本当に日本の鉄道の歴史は不思議だよね

 

妙高はねうまラインの車窓
直江津駅を出ると、『妙高はねうまライン』に入ります。

妙高はねうまラインは、先程通ってきた『日本海ひすいライン』と違って、こちらは単線です。ここもかつてはJR信越本線として首都圏・長野から新潟や北陸を結ぶ幹線の1つでしたが、この路線も新幹線の開業によって第三セクター化され、現在は旧信越本線の直江津駅~妙高高原駅間が『妙高はねうまライン』として引き継がれています。

この沿線では、春日山高田城跡などの観光名所があります。特に高田城跡では、春に桜、夏には濠の蓮の花が咲き誇るなど、四季折々の景色が楽しめます。

ビクティニ:ここもかつてはJRの路線で、信越本線だった路線だ。この路線も多くの特急が行き交っていたんだよ

くまモン:ここも主要路線だったモンね。ローカル線っぽいように見えるモン・・・

 

雪月花のデザート
デザートはイタリアンレストランで出される『法王のティラミス』が提供されます。

このデザートはすべてのコースに提供されます。これはローマ王法が日本に訪れた際に提供されたデザートを雪月花のオリジナル仕様で、このデザートも新潟ならではの食材が使われています。

ビクティニ:このデザートもとてもおいしい!

くまモン:ほんとに素敵な列車に乗ったんだモン!

ぐんまちゃん:本当においしい!

 

二本木駅

二本木駅では12分間停車。

この駅は、明治44(1911)年に開業し、築100年以上の駅舎が現存しています。

その駅舎は、妙高はねうまラインで唯一開業当時のままで保存されています。また駅舎とホームを繋ぐコンクリート造りの地下通路は、地方としては珍しく戦前の昭和16(1941)年から昭和17(1942)年にかけて造られました。この駅にはトキ鉄の駅員が配置されていないいわゆる『無人駅』ですが、構内清掃などの駅運営はNPO法人『中郷区まちづくり振興会』に委託されており、歴史的建造物ということもあるため、お手入れがなされているようです。

駅名標を見てみると、途中駅なのにも関わらず片方しか隣の駅名が記されていません。そして、ホームの片方の方向が行き止まりになっています。

くまモン:ここは途中駅のはずなのに、片方が行き止まりになっているモン。どうなっているのモン?

ビクティニ:実はこの駅『スイッチバック方式』になっているんだ

 

二本木駅のスイッチバック

それもそのはず、二本木駅の最大の特徴は『スイッチバック方式』を持つ駅なのです。

というのも、この路線は25‰(パーミル)ものの急勾配が続くため、このようなスイッチバックが配置されているのです。

普通列車や『雪月花』はスイッチバックを行い、この駅に進入する形になりますが、通過列車の場合はスイッチバックをせずにそのままスルーします。

では、なぜこのようなスイッチバック方式が使われているのかというと・・・。

当時は、蒸気機関車による列車運行が行われており、蒸気機関車が牽く列車が通過しようとすると、空転で通過できなくなってしまうからなのです。というのも、当時の蒸気機関車では馬力が弱いために、勾配を通過するのが難しくなることが多かったりするのです。そこで、蒸気機関車が勾配に克服できるように、勾配区間の途中にこのような引き込み線と停車場を平坦な場所に設けます。すると、平坦区間で助走をつけて一気に加速させ、勾配区間を駆け抜けるという方式から『スイッチバック方式』が採用されたということです。

スイッチバック方式とは、急勾配を越えるための特殊な方式の1つで、特に鉄道は勾配に弱いことから、峠や高低差の大きい区間を通すのに使われる手段として使われます。

スイッチバック方式には種類があり、このように勾配区間の途中に引き込み線と停車場を設ける『通過可能型』というもので、勾配上にある本線から引き込み線が引き出されており、その引き込み線上に停車場が設けられている形態です。そのため、停車場に停まらない通過列車は折り返しをせずに本線上を通過することができます。

一方、『通過不可能型』は、勾配に伴って建設されるものであり、本線上で列車の進行方向を逆転させる構造です。そのため、スイッチバックが設置されている停車場に停車せざるをえない形態になります。このような方式は木次線や肥薩線の大畑駅など優等列車のないローカル線に使われます。

『折り返し型』は単にその地点で列車が折り返すだけの構造で、ある駅や停車場で折り返して通ってきた線路とは別の線路に列車が進入する方式です。これは箱根登山鉄道のように山岳地帯に使われるものと、地形上の理由でこの方式になった平地形に分類されます。

すなわち、二本木駅のスイッチバックは『通過可能型』に分類されるということです。

このように通過可能型のスイッチバックは、長野県千曲市にある『姨捨駅』に行くと見られます。また、かつて隣の関山駅にもスイッチバックの線路がありましたが、そちらは使われていないようです。

逆に二本木駅で未だにスイッチバック方式が用いられているのは、すぐ隣りにある日本曹達二本木工場への専用線がある関係で、スイッチバック方式を維持せざるをえないという経緯から残っているのだそうです。

 

妙高山が見えるトキ鉄の車窓
妙高はねうまラインの車窓からは妙高山のシルエットが見えます。

妙高山は標高2,454メートルある成層火山で、北信五岳の1つに数えられています。その中でも、妙高山は最高峰で、日本百名山に指定されています。

新潟県を代表する山岳であることから、『越後富士』という別名を持っています。

車窓はまるで北海道のような田園風景になっています。田んぼの風景にぽつんとたつ民家、そして遠くに見える妙高山の山々と夕焼け空がどこかほのぼの感が出ています。これぞ、日本ならではの里山の風景です。

 

妙高高原駅に到着した『雪月花』
15:58妙高高原駅に到着。

ここで今回の雪月花のツアーはおしまいです。

このあと、雪月花は妙高高原駅にて17分ほど停車し、上越妙高駅へ向かいます。

そして、雪月花の若い車掌さんに記念撮影してもらい、最後のあいさつをした後、列車を見送った際、手を振ってくれた時はとても感激しました(^^)

ビクティニ:ばいばい、ありがとう雪月花!もし乗る機会があったらよろしくね!

くまモン:楽しかったモン!

 

妙高高原駅

妙高高原駅は、長野県と新潟県の県境付近にある駅です。

しなの鉄道『北しなの線』トキ鉄『妙高はねうまライン』の乗換駅になっています。

文字通り妙高戸隠連山国立公園の玄関口で、周辺には苗名滝笹ヶ峰高原などがあり、観光から登山やスキー・ゴルフなどのメジャーが楽しめます。春から秋にかけてはリゾート地、冬にはスキーで賑わいます。また、新潟県内にある鉄道駅としては最南端です。

この駅はかつてJR信越本線の中継駅として活用されており、特急『あさま』や『白山』などの優等列車が行き交っていましたが、平成27年の北陸新幹線開業によって第三セクター鉄道『えちごトキめき鉄道』および『しなの鉄道』へ移管されています。

ビクティニ:さて、宿へ行こう

くまモン:都合よくタクシーがとまってるモン

 

休暇村妙高に宿泊
妙高高原駅からタクシーで休暇村妙高まで送ってもらいました。

このあたりはゴルフ場もあり、冬にはスキーで賑わうリゾート地です。

ということで、休暇村にて宿泊しました。

ビクティニ:雪月花の旅に休暇村で宿泊は最高に楽しい

くまモン:糸魚川や妙高なんて初めて行ったモン。ここでは星空がきれいに見れるモン

 

休暇村から妙高山が見える
標高800メートルにある休暇村のロビーから妙高山のシルエットが見えます。

妙高山の手前にある山は『前山(標高1,935メートル)』、右側には『神奈山(標高1,909メートル)』があります。

古くは『越の中山(こしのなかやま)』と呼ばれていたものが、好字二字令により『名香山』と当て字され、それが『みょうこうざん』として読まれるようになったことから、『妙高山』の由来になったと考えられています。

また、もともと火山であるため、麓には『妙高温泉』や『燕温泉』、『赤倉温泉』などの温泉が湧き出ています。

 

休暇村妙高の夕食
休暇村妙高の夕食です。

この日は、のどぐろやあなごなど、新潟ならではの食材がふんだんに使われた会席料理が用意されていました。

ビクティニ:のどぐろ美味しい!

ぐんまちゃん:新潟のグルメも美味しいよね!

くまモン:うまかばい!

 

『えちごトキめきリゾート雪月花のツアーに参加』をお伝えしました。