皆さんこんにちは。
今回は、世界自然遺産とされる知床の大自然を回ります。
朝の知床は鳥のさえずりが聴こえてくるように、爽やかです。まるで昨日までの悪天候とは打って変わって晴れています。
作者:皆さん、おはようございます!
ビクティニ:おはよう!
ミュウ:おはよう!
にょろもう:・・・おはよう・・・。
シャワさん:おはよう!
ゴンベ:ZZZ・・・
知床の朝ごはんも美味しかったです。
ビクティニ:朝食も知床らしく海鮮ものが使われていてうまい!
ミュウ:スイーツも美味しい!
ゴンベ:お茶漬けもうまいっぺ!
にょろもう:ホタテも美味しい!
シャワさん:塩辛もうまい!
朝10時頃にホテルを出発して知床観光船『おーろら』に乗船します。
知床の観光といえば、オホーツク海から知床半島を眺める観光船は外せません。
知床の遊覧船には大型船だったりクルーザーだったり色々ありますが、今回は初めてなので、大型の遊覧船で乗船します。大型船は、クルーザーと違って振動が少ないため、快適に知床を満喫したい人や船酔いが心配な人にはおすすめします。また、低速で走行する分、バードウォッチングや様々な名所のシャッターチャンスも撮れやすいのも大型船ならでは。
ちなみに、この観光船には『カムイワッカの滝航路』と『秘境知床岬航路』があります。カムイワッカの滝まで行く『カムイワッカの滝航路』は、知床の自然を気軽に体験できる1時間半のコースです。観光に時間がない人や知床の色々なスポットを回りたい人にはおすすめです。一方、『秘境知床岬航路』は、とことん知床の大自然を満喫するコースで、所要時間は3時間45分とかなり長めです。このコースはほぼ半日で遊覧船から知床の自然をじっくり鑑賞し、遠くの海岸を徘徊するヒグマをはじめ、海のクジラやイルカなどの野生動物に出会えるコースなのでとても見応えがあります。ただ、コース自体が長いので、1日のうちに知床五湖や知床峠を回りたい人にはちょっと向かないかもしれません。
遊覧船が発着する『ウトロ港』は、漁港であり、昔からサケやカラフトマスの漁業が盛んです。この港には、知床の自然ならではの景観が見られ、『オロンコ岩』や『ゴジラ岩』などの奇岩が見られるのも、知床の魅力でもあったりします。
10時半にウトロ港を出港した観光船は、海岸線に沿って知床岬方面へ進んでいきます。今回参加するコースは『カムイワッカの滝コース』になります。
ビクティニ:5月なのに遠くに雪山が見えるよ!
ミュウ:今日は暑いのに雪が残っているのは不思議・・・。
観光船の進行方向右手には知床半島の大陸が見えます。
奥に見える陸橋を越えれば、『知床国立公園』の域内になります。
『知床』は、北海道の北東端部に位置し、アイヌ語で言うと『シリ・エトク』つまり『地の果て』を意味しています。北東の端へ延びた半島にオホーツク海に囲まれた『知床国立公園』は、火山の活動あるいはオホーツク海の流氷などによって険しい地形や美しい景観が織りなされ、他の地域では見られない海や川、森の生態系、この界隈に棲む様々な動植物を育む自然環境こそが、まさに『日本最後の秘境』と呼ぶにふさわしい場所です。また、ヒグマやシャチの大型哺乳類をはじめ、絶滅危惧種に指定されている大型猛禽類も多く生息しています。これらの豊かな生態系や自然環境が評価されたことから、平成17(2005)年7月、『世界自然遺産』に登録されました。
観光船から知床半島を眺めると、半島に『知床連山』がそびえ立っています。
『知床連山』は半島手前の斜里岳から一番端にある知床岳まで続く約70kmの山脈で、いずれも標高は概ね千数百メートル級です。しかし、5月とはいえ山頂に雪が被ったままなのは、やはり北東端にあるためか、周りが海に囲まれた環境にあるため、春でも雪が降りやすい環境でもあるからなのでしょう。その山脈の中で一際目立つ大きい山は『羅臼岳』です。標高1660メートルあり、知床連山で一番高い山です。春でもこれだけ雪が残っているのは、いかにここが『最果ての地』であることが伺い知れます。
知床半島に海岸沿いには、崖や岩が切り立った地形が多いのが特徴です。
海や森林に包まれた自然環境は、まさに『原生の自然環境』そのものです。半島の内陸部には山岳地帯、羅臼湖や知床五湖などの湖沼があり、さらにヒグマをはじめオジロワシやオオワシ、エゾシカ、キタキツネなど、たくさんの野生動物が生息します。秋になるとカラフトマスが産卵のために川を遡上します。オホーツク海側にもクジラやイルカ、さらにシャチなどの海獣が生息しています。さらに、冬になるとオホーツク海は流氷が漂流し、流氷の時期にはトドやアザラシなど、冬にしか見られない生き物が見られることがあります。このように流氷による海の恵み、サケ類の遡上による海と陸のつながり、海・川・森が支える貴重な生き物・・・それら三つの要素から、知床ならではの特徴や価値観が世界自然遺産の基準を満たす条件として十分に認められているのも頷けます。
天気が良ければカモメが知床の海上を優雅に飛ぶ姿も見られます。
知床の海を飛び回るカモメには、オオセグロカモメやウミネコ、ミツユビカモメが生息しています。冬にはワシカモメという大きめのカモメが越冬のために知床にやって来ることもあります。
ビクティニ:か~も~め~の水兵さん♪
ミュウ:優雅に海の上を飛び回るカモメも元気そうだね。
ウトロ港を出ること約40分・・・進行方向右側に太い滝と谷間の奥に見える雪山が見えてきました!
『カムイワッカの滝』と『知床硫黄山』です!
『知床硫黄山』はその名の通り、知床連山における唯一の活火山で、標高は1562メートルあります。実はこの知床硫黄山こそ、この半島に存在する第四紀火山のうち一番大きいもので、少なくとも24万年前から活動が始まったとされています。今でも度重なる噴火によって純度の高い硫黄が噴出され、慶応元(1865)年から硫黄の採掘が行われていたといいます。また、二箇所の火口があり、度々多量の溶融硫黄を噴出する活動が繰り返されています。これは世界的にも珍しい噴火形式といわれています。
このような活火山からは、『カムイワッカ川』という川を介して海岸では『カムイワッカの滝』としてオホーツク海へ流れ落ちています。先程も説明したように硫黄山から湧き出た水には硫黄を多く含むので、非常に酸性が強いのです。そのため、その滝周辺だけ海の色がエメラルドグリーンになっているのは、多くの硫黄を含んだ水がオホーツク海へ流れ出た影響と思われます。また、このあたりの内陸には『カムイワッカ湯の滝』があり、その川自体が温泉になっており、6月から秋頃にかけて多くの観光客が沢登りで賑わいます。しかし、整備が一切行われていない分、自然そのものの川であるため、一歩間違えれば事故につながりかねません。そして言わずもがなヒグマの生息地で、携帯電話などの電波は全く届かないので注意が必要です。
ここから先は『知床国立公園』の中枢的な場所で、この半島の一番奥には『知床岬』があります。
さらにここからはヒグマが出没しやすいエリアで、ヒグマに遭遇する確率はなんと・・・日本いや世界的に見ても遭遇率は非常に高く、しかも知床半島の先端部は特にヒグマが密集する場所で世界一と言われています!また、海岸沿いの至る所には『番屋』がいくつか点在しており、昆布漁が行われ、このあたりは『羅臼昆布』という最高級な昆布の産地になっています。
このようにヒグマがたくさん生息するエリアの奥に『知床岬』があるというのを考えれば、まさに日本の最果ての最果てにある『真の秘境』です!しかも知床岬まで行く道は無く、一般人は観光船からでしか見ることができません。知床岬は国立公園の中でも特別保護区に指定されているため、動力船から上陸は不可、カヤックは上陸可でも海上は北風が強く到達は不可能、つまり実質立ち入り禁止という極めて特殊なエリアなのです。そして、周辺が海なのにも関わらず短い夏の間だけ高山植物が咲くまさに原始的な自然が手つかずのまま保たれています。
そんな知床岬までは羅臼側の相泊から徒歩という方法もありますが、先述の通り岬まで行く道は皆無で、普通の登山とは全く次元が違います。というのも、岩や崖をクライムしたり、場所によっては海の中に入らなければならない箇所も多く、崖から海までの高低差が数百メートルある場所も多いため到達は非常に困難です。帰る時も最後まで自力で脱出しなければならず、携帯電話などの電波も届かなければ、救助も非常に困難です。そのため、遭難が後を絶たず、過去には死亡事故もあったほど危険な場所です。また、ヒグマ遭遇率も非常に高く、ヒグマによる人身事故が起きても不思議ではありません。ですので、知床岬を生で観たいなら、観光船から観るのが唯一安全に観れておすすめです。わざわざ危険を冒してまで何日も掛けて、トレッキングで知床岬まで行くという楽しみ方はおすすめしません。
観光船から見る知床半島は知床連山の他に海岸には『プユニ岬』や『乙女の涙(フレペの滝)』、そして先程見た『カムイワッカの滝』などのスポットが見られます。さらにカムイワッカの滝の先の方へ行くと『ルシャ湾』や番屋小屋が並ぶ海岸があり、その海岸でヒグマが殆どの確率で見れます。
ビクティニ:船内から見ても知床の自然の雄大さが十分に伝わってくる・・・。
ミュウ:崖に囲まれた地形がすごいよね。
ゴンベ:この辺の魚は美味しいだっぺ・・・。
シャワさん:切り立った地形がいかにも知床らしさを物語っているな・・・。
にょろもう:海も深そう。
カムイワッカの滝まで行ってここまで戻ってきました。カムイワッカの滝と知床硫黄山とのコラボレーションはとても絵になり、しかも観光船からしか見れない景色なので、皆さんも知床に来たら是非オホーツク海から見た知床の自然を体感したいものです。
さて、観光船でクルーズした後は、知床峠と知床五湖へ向かいます。その途中、路肩に別のクルマが停まっていたのを見つけたので、何かと思えば・・・・。
ヒグマのお出まし!!
それもそのはず、知床はヒグマが生息する場所なのです。さすが知床!自然世界遺産に登録されている理由がよく分かります。北海道内なら、冬場を除いて至る所で見かけたりするものですが、特に知床ではヒグマに遭遇することが多く、北海道内におけるヒグマの個体数のうち、全体の3分の2が知床で生息しているといわれています。ドライブしている時も道路や道端などで見かけたりするのが日常茶飯事だったりします。そのため、知床でドライブやツーリングする時は、ヒグマなどの野生動物が道路に飛び出してくることがあるので、十分に注意しなければなりません。また、最近では観光客やツーリングなどで興味本位に近づいたり、あるいは餌やりをするという不謹慎な行動が問題になっているようです。特に餌やりをすれば本来の野生動物としての理性が失われ、餌を求めるために人里や市街地などに侵入し、最悪の場合は死亡事故につながりかねません。そして、理性を失ったクマは、最終的に駆除しなければならないという悲劇でさえも起きてしまいます。ですので、ヒグマを見かけたら、決して興味本位で近づいたりしないようにしましょう。特に餌を与えることは絶対にやめてください!これがヒグマによる人身事故の原因にもなります。もしヒグマに出遭っても、そっと見守るか、クルマから降りずに遠くから撮影しても十分いい写真が撮れます。
★ヒグマに出遭った時の注意事項★
国道334号の知床五湖と知床峠への分岐点に『知床自然センター』があります。
知床の自然や生態系などを学ぶことができ、知床財団による解説やトークプログラムなどが催されています。ここでは、インフォメーションカウンターにて知床のアクティビティに必要なアイテムのレンタルの貸出しが行われています。特に知床五湖の地上遊歩道では泥濘(ぬかるみ)が多いので、そこを散策するのに必要な長靴も1日500円でレンタルができます(逆に地上遊歩道でそのまま普通の靴で行くと泥や土で汚れてしまう上、泥濘を避けるために誤って道端の植生を破壊する恐れがあるので長靴は必須)。また、先ほど観光船から見た『フレペの滝』への遊歩道が整備されているので、そちらの散策もできます。
なお、ここから先にある知床五湖のフィールドハウスでは長靴の貸出しはしていないので、知床五湖の地上遊歩道を散策する場合は、必ずここで長靴のレンタルをすることをお忘れなく(地上遊歩道の散策をお考えの場合、交通手段はレンタカーまたは自家用車が望ましい)。また、路線バスも本数が少ないので、事前に時刻表を確認した方が良いでしょう(路線バスで知床五湖を訪れたい時は高架木道のみの散策の方が無難)。
まずは知床峠の方へ車を走らせます。
先ほどの分岐点から先はいずれの方面も『知床国立公園』の域内なので、ヒグマやエゾシカ、キタキツネなどの野生動物が出てきても不思議でないエリアです。ウトロから羅臼方面へは『知床横断道路(国道334号)』が続いていますが、時期によっては夜間や早朝は閉鎖されることがあります。特に斜里町と羅臼町の境界あたりは11月上旬~4月下旬にかけて積雪が多く、通行時間も時期によって決められており、9時半から終日までの時期もあれば、夕方の16時までしか通行できないことがあるのです。これは積雪の影響によるもので、このあたりの天候も他の地域とは桁違いなほど特殊な環境であることから、通行時間が短い場合があります。そのため、この道路は『日本一開通期間が短い』といわれ、特に冬場は通行が困難といっても過言ではありません。また、この道路では急カーブも多く、特に道路が凍結している時は細心の注意が必要です(チェーンを装備した方が無難)。
『知床横断道路』を羅臼方面へクルマを進ませていくうちに、最初は林の中を走っていた景色が徐々に高原の風景へ変わり、開けた景色になってきました。
開けた景色の中を淡々と走っていくと、ついに『知床峠』へ到着しました!
『知床峠』は知床横断道路の頂上部にあり、斜里町と羅臼町の境界に位置する峠で標高は738メートルあります。標高が千メートルにも満たしていないのにも関わらず、随所に雪が積もっているのは、ここは非常に特殊な自然環境で、いかにも知床の自然の厳しさが伝わってきます。
この周辺には『羅臼湖』という秘境の湖があります。
知床峠は『知床八景』の一つで、この峠から見える羅臼岳とのコラボレーションは見事な絶景です!
羅臼岳や知床峠の周辺に生えるハイマツもいい感じに高原という雰囲気を醸し出しています。
冬になると閉鎖になるくらい到達困難な知床峠は、いかにも道東の自然の厳しさを物語っており、5月になっても雪が残る景色がこれまた美しい景観を保っています。ここまで気候条件や通行規制が厳しい場所にある知床峠は、まさに『知床の秘境』の一つです。また、夜でも通行ができる時期には満天な星空が見られることもあるので、夜の知床峠ドライブに星空を見に行ったり、あるいは撮影するのも夜の知床ならではの楽しみとも言えるでしょう。
ビクティニ:さっきの羅臼岳がこんな近くで見ると結構なスケールだ!
ミュウ:このあたりも所々に雪が積もっているんだね・・・。
天気が良ければ、知床峠から東側には『国後島』が見えます。
ここから根室海峡の奥に見える国後島は、いわゆる『北方領土』の一つになっています。
知床半島東側にある羅臼町からは30kmも離れていない国後島は、本来なら『日本の領土』になるはずですが、現在でもロシアによって不法占領されているのです。そのため、国後島に住む人たちは殆どロシア人で、実質ロシアの国という風潮になっているようです。こんなに近く見えるとはいえ、あの島まで到達するのにはほぼ不可能に等しいほど困難だそうです。もっとも、漁港の多い羅臼町には国後島へ行くためのフェリー乗り場を整備するのにはとても無理があると思いますが・・・。
国後島は全長122kmあり、北海道側から一番近いところで沖合16kmに位置する火山島です。その島の名前も北海道のアイヌ語からつけられ、『草の島』という意味からの由来で付けられたのだそうです。
知床峠の展望台には『北方領土』の石碑があります。
『北方領土』は先ほども話した通り、本来は日本の領土であるはずの島々が今でもなおロシアに占領されていることから、『北方領土問題』として取り上げられています。
その北方領土として『国後島』をはじめ『択捉島』、『色丹島』、『歯舞群島』のそれら島々のことを指し、その島々の地域が四つに分けられていることから別名『北方四島』といわれています。そんな北方領土は、奥尻島や利尻島、礼文島と同じように北海道の周海にある小さな離島に見えますが、それらの島々の面積を合わせれば5千k㎡となり、千葉県や愛知県の面積に匹敵する大きさから、意外と広大な面積を持っています。特に国後島や択捉島は北方領土の中でも大きい島で、国後島自体も沖縄本島の面積に勝っています。そして、北海道本島から一番近い歯舞群島の『貝殻島』は根室半島から、なんと僅か3.7kmしか離れていないのは驚きですね!
気候は海洋気象の影響を受けているので、知床半島と同様に寒暖とも穏やかで、千島寒流と対馬暖流が互いにぶつかり合っています。そのため、水産物がとても豊富な環境であり、古くから『世界三大漁場』の一つに数えられているのです。
そんな北方領土における問題の歴史は戦後間もない頃・・・当時のソ連軍による占領が始まりました。昭和26(1951)年のサンフランシスコ平和条約において、日本は千島列島を放棄したものの、千島列島の中に『北方領土』が含まれていないにも関わらず、「その4つの島々も我々のものだ!」と言わんばかりに、ソ連はその条約を拒否します。日ソ交渉で領土問題は解決に至らなかったことから、昭和31(1956)年に『日ソ共同宣言(平和条約締結交渉の継続ならびに歯舞群島・色丹島の譲渡)』を規定しました。
こうして、北方四島の帰属の問題は解決となり、平和条約が締結され、それらの島々は実質ロシアのものになりました。これが『北方領土問題』の歴史なのです。
そして、令和になった現在でもロシアは、国後島や択捉島を中心に戦車や対空ミサイルなどが配置されるなど、いかにも軍事的な防御態勢に入っているのだそうです。
知床国立公園には、ヒグマはもちろんのこと、エゾシカやキタキツネなどの野生動物が生息します。
それらの野生動物の中で人気が高いとされているのは、キタキツネです。
キタキツネは、北海道の至るところに棲んでおり、特に道東には多くのキタキツネが生息し、当然ながらこの知床でも遭遇率がかなり高いです。さらに夜行性ということもあり、夜になると遭遇する確率も非常に高く、特に野生動物が多く生息する知床では、必ずと言っていいほど頻繁に見かけるようになります。昔のアイヌ文化では、衣類などの毛皮を作るために、捕獲もされていたようです。そのため、当時のアイヌ人たちは、『チロンヌプ(我々がたくさん殺すもの)』あるいは『フレップ(赤いもの)』などで呼ばれていたのだそうです。しかし、かつては毛皮を作る目的で狩猟対象になった一方で、キタキツネにはある危険が潜んでいるのです。
そう、一見愛嬌のあるキタキツネの体内には、『エキノコックス』といわれる寄生虫が潜んでいるからなのです!
エキノコックスは、イヌやキツネ類などの糞便内に潜む虫卵からなる寄生虫で、人体に入ると感染します。しかもその感染力がとても強く、人体の肝臓や肺臓、腎臓、胃、脳などで包虫が発育することで様々な症状を起こし、最悪の場合は死に至ります。これが、『エキノコックス症』という恐ろしい症状です!(まるで近年問題になっている『例の病気』に似てますね・・・)
また、キタキツネに直接素手で触れても感染するので、ヒグマと同様に無闇に近づくととても危険です。『きれいなバラには棘がある』という言葉があるように『可愛い動物には危険がある』という気持ちで、キタキツネは危険な生き物であるということを常に認識しなければなりません。もし遭遇しても決して近づかないように注意してください。間違っても絶対に触ったりしてはいけません!
続いて、知床五湖も散策します。
知床五湖は、ウトロ方面から知床自然センターのある分岐点で道道93号に入り、カムイワッカ湯の滝方面へクルマを走らせ、道なりに進んでいくと、『知床五湖フィールドハウス』に到着します。フィールドハウスの駐車場は500円と有料で、その料金は知床自然保護や遊歩道の整備・補修などに使用されます。
知床五湖では、駐車場脇にある高架木道だけでも知床の自然を十分に満喫できますが、地上遊歩道を歩く場合、このフィールドハウスで散策を安全に楽しむため、手続きとレクチャーが随時行われます。また、パークサービスカウンターには休憩所があり、散策後の休憩や軽食ができ、知床のお土産がそろった売店もあります。
知床五湖の地上遊歩道を散策するためには、フィールドハウスの受付にて手続きをします。
高架木道のみの散策なら無料で楽しめますが、地上遊歩道を散策する場合は有料で、開園時期は4月下旬頃から10月下旬頃にかけて楽しむことができます。
通常であれば、申込書に所定事項を記入した上で入園料250円のチケットを購入し、レクチャーを受けることで、初めて自由に散策できます。しかし、時期によって5月中旬から7月末にかけては、『ヒグマの活動期』であるため、5月10日から7月末までの期間はガイドさんによるツアーに参加することになっており、事前に予約しておく必要があります。ツアー代金もルートによって異なり、大ループの場合は4,500~5,300円で、所要時間は約3時間(ただし当日参加の場合は6,000円かかります)。小ループは3,500円で所要時間は約1時間半です。
申込書に必要事項を記入し、受付に見せると、それが『立ち入り認定証』として初めて知床五湖の地上遊歩道への立ち入りが許可されます。というのも、知床五湖も『知床国立公園』の中にあるだけあって、特別保護地区になっています。さらに貴重な原生林や野生動物、植生などが生息するエリアへ入るということから、『知床五湖利用調整地区』と言われています。
知床五湖を散策するからには、『ヒグマの生息地にお邪魔する』という慎んだ気持ちで入らなければなりません。
当然ながら、知床国立公園内は世界的にヒグマの高密度地域であり、知床五湖や地上遊歩道でも例外なく生息します。そこで安全に散策するためには、『ヒグマに出会わない』ことが一番重要です。散策時に鈴や笛、あるいは声を出すなどして自分の存在をヒグマに知らせます。そうすることで、ヒグマは自然に人間のいる場所から遠ざけてくれます。また、当然ながらヒグマに餌を与える行為やゴミの放棄は絶対にしてはいけません。もしヒグマに出遭っても走って逃げたりすると、ヒグマは動きの早いものに反応するため、追いかけてくる危険があり、しかもヒグマは時速60kmで走れるのでとても逃げられません。また、慌てて騒ぐと刺激させてしまうので危険です。ヒグマに視線を向けたまま、静かにゆっくり離れる方が無難です。
知床五湖は、その名の通り5つの湖沼が点在する『知床八景』の一つです。
知床五湖の地上遊歩道には『大ループ』と『小ループ』の2つのコースに分かれています。
『大ループ』は高架木道も含めて全周で3kmあり、所要時間は約1時間30分で散策できます。知床の自然をじっくり鑑賞したい人や5つの湖をすべて見たいという人にはおすすめなコースです。
『小ループ』は高架木道も含めて全周で1.6kmあり、所要時間は約40分で散策できます。時間がない人や知床五湖の原生林の雰囲気を軽く楽しみたい人にはおすすめなコースです。ただ、このコースは五湖のうち、二湖の一部と一湖しか見れません。
そして『高架木道』のみのコースは往復で1.6km、所要時間は約40分で散策でき、気軽に知床の自然を満喫したい人にはおすすめなコースです。こちらのコースは一湖湖畔まで歩くコースで、地上から高い位置にあるため、知床の大まかなイメージという雰囲気をヒグマへの不安もなく体験できます。このコースは一湖しか見れなく、地上遊歩道へは降りられません。
知床五湖の地上遊歩道に入るためには、まずレクチャーを受けなければなりません。
レクチャーの内容としては、安全に知床五湖の自然を満喫するためのマナーや注意事項などをDVD鑑賞やガイドさんの説明でレクチャーが10分ごとに行われます。地上遊歩道は、先述の通りヒグマの生息地なので、コースの案内やヒグマの出没情報が提供され、ヒグマに出会さないための対策および注意点などを説明します。また、当然ながら地上遊歩道にはトイレはありませんので、地上遊歩道へ入る前に必ずトイレは済ませておきましょう。
レクチャーを一通り受けたら、地上遊歩道へ入ります。
地上遊歩道では、当然ながら食べ物の持込みはご法度で、散策する際には笛や鈴などを予め持参しておくのが望ましいでしょう。また、地上遊歩道は原生な自然がそのまま残っているため、常にヒグマが生息している場所であるという認識をお忘れなく。今回は通常の自由形式で散策ということになるので、ガイドとの同伴はありませんが、万が一ヒグマを目撃した場合は、遊歩道の一部、あるいはすべてが閉鎖になる場合があります。ですので、地上遊歩道を散策する時は常にヒグマに注意を払いながら散策するという覚悟が必要です。
入り口からすぐの地点に『大ループ』と『小ループ』の分岐点があります。
今回は、我々が知床への訪問するのが初めてなので、あえて知床の自然を思う存分に満喫できる『大ループ』を選びました。
ビクティニ:せっかく知床に来たんだから、どうせなら『大ループ』へいざ出発!
ミュウ:ヒグマに出会いませんように・・・。
ビクティニ:ヒグマが出てきたらVジェネレートをお見舞いする・・・・なんて冗談w
地上遊歩道の道は、まるで獣道のごとく細い道が延々と続いています。
道の周りは笹や原生林に囲まれていて、まさに知床の自然の中を探検している気分です。
ビクティニ:ガンバ ガンバ ガンガンガンバ♪ なみがおどるよガンバ すいへいせんだよガンバ♪ ガンバ ガンバ ガンバとなかまたち♪
ミュウ:昔のアニソンなの?
遊歩道の道端には、至るところにミズバショウが生えています。道端や林の中、小さな沢、ちょっとした沼などに生えており、知床の自然には水の育みが感じ取れます。しかし、ミズバショウはヒグマの餌にもなったりするので、場所によってはミズバショウが食べられた跡が見られるかもしれません。
知床五湖の周辺には、数々の小川や沢が流れています。夏になると水の音や沢のせせらぎが生み出すマイナスイオンで清涼に感じます。このあたりには沢や湖沼にはエゾアカガエルやサンショウウオといった爬虫類も生息します。苔生した石もまさに秘境にいることを実感させられます。
知床の森の中にも、先日訪れた釧路湿原と同じように湿地帯になっているのも、知床五湖ならではの自然環境そのものでもあります。
知床国立公園に生える原生林も自然な形のまま、静寂な雰囲気を醸し出しています。
よく見ると木々の所々に樹皮が剥がされた跡や根っこがむき出しで倒れた木が随所に見受けられます。これは知床に生える原生林こそ『太古の自然』そのもので、寿命となった樹木が海から流れる風や雨などによって木が倒れ、その倒木から新たな芽を吹き出し、このような自然のサイクルも感じ取れます。
この原生林にはエゾリスやエゾシマリス、エゾシマフクロウ、エゾシカ、クマゲラなどの生き物が生息し、運が良ければ目にすることができます。
しばらく歩いていくと、最初の湖に到着しました。
これが『知床五湖』の1つとされる『五湖』です。
原生林の中に点在する五つの湖こそ、実は知床半島の火山活動による影響と深い関わりがあると考えられています。
大昔の4千年前に現在も活火山とされる知床硫黄山の火山活動によって大規模な土砂崩れが起きました。その山頂は大きく崩れ、硫黄山から流れた大量の土砂や溶岩の塊が西側の山麓を流れ落ち、やがて『流れ山地形』といわれる独特な凹凸地形が成形されました。その起伏に地下水が湧き出て堆積したことで、現在の『知床五湖』が誕生したといわれています。そのため、それらの湖には流れ込む川も無ければ流れ出る川もありません。まさに自然現象が生み出した奇跡の湖なのです!
ビクティニ:これが知床五湖の湖か。まるで鏡のように湖に山が映ってる!
ミュウ:湖も底も見えるくらい透明だね!
ゴンベ:こりゃ大きい湖だっぺ!
シャワさん:これまでいくつもの湖を見てきたが、ここまで見事な湖は見たことがない!
にょろもう:カエルの鳴き声は聴こえるかな・・・?
知床五湖の大ループは、5つの湖をすべて見ることができ、小ループと比べるとかなりの広さが実感できます。知床の自然をとことん満喫するなら思い切って大ループを選ぶことで、知床の自然を気が済むまで満喫できるのがいいところですね。
五湖から歩いていくと、『四湖』があります。
湖の向こうには知床連山の知床硫黄山が見えます。
湖面や湖の奥に見える知床連山とのコントラストはとても絵になります。こうして見ると知床硫黄山が近いように感じます。また運が良ければ、アオサギなどの水鳥が見られることもあります。
ビクティニ:さっきの湖より広くて硫黄山がはっきり見えるよ!
ミュウ:雪山と湖の景色がきれい!
シャワさん:あとはアオサギがいれば写真として完璧かもな。
ゴンベ:ここも大きな湖だっぺ!
にょろもう:涼しい・・・。
これまた開けた大きな湖に出ました。
『三湖』です。
ここまで来ると、さっきより鳥のさえずりが聴こえてきます。ここでちょうど遊歩道の半分まで来たのでしょうか。フィールドハウスから見て三湖が一番遠い場所にあるように見えます。湖には小さな島も浮かんでおり、見る角度によって湖の背景に知床連山が見えたり見えなかったりする景色の変化も楽しいものです。また、三湖湖畔沿いの遊歩道もこれまた長く、大ループ全体の3分の2を占めています。
ビクティニ:これまた大きい湖だね・・・。そもそも5つの湖には川がないのに湧き水でこんなに大きな湖ができるなんて・・・。自然って不思議だよね・・・。
ミュウ:去年に行った青森の十三湖を思い出すね・・・。
シャワさん:道東の自然にはわからないこともあるもんだな・・・。
にょろもう:広い湖が気持ちいい~。
ゴンベ:ここで暮らす動物たちは何を食べて暮らしているんだろうッペ・・・。
作者:エゾリスならこの辺の木の実やドングリを餌にして暮らしているね・・・。ヒグマは・・・。
そして、知床五湖の中で一番大きい『二湖』にやってきました。
この湖も三湖と同じように小さな島が浮かんでいるので、景色的に三湖とよく似ています。また、この湖の遊歩道も長いので、二湖なのか三湖なのか見分けがつきにくい位です。このあたりでも鳥のさえずりが聴こえてきます。
ビクティニ:この湖はもっと大きいね・・・。奥の方へ続いているように見えるし。
ミュウ:この湖が一番大きいんじゃないかな。
シャワさん:まるで二年前に行った阿寒湖に似ているな・・・。
にょろもう:大きな湖に暮らしてみたいかも・・・。
ゴンベ:湖の中に魚は暮らしているっぺ?
作者:多分、暮らしていないと思いますよ。だって川がないですからね。
さて、二湖を境にここで大ループと小ループはここで合流し、一湖と高架木道へは同じ順路を進んで行きます。
そして、地上遊歩道で最後の湖『一湖』までやってきました。
今まで見てきた湖とは違って周辺はかなり開けています。ウトロ側には戦場ヶ原のような草原が広がっています。そして、背景には知床連山がそびえ立ち、湖の向こうには羅臼岳、そしてこの写真の右側には斜里岳も見えます。
ビクティニ:今までの見てきた湖は周りに木々が生えていたけど、この湖は半分が草原になっているから、開放感があるね!
ミュウ:ようやくここまで来たね・・・。ここまで来るのに1時間半もかかったね。
シャワさん:まるで本当に冒険しているようで楽しかったぜ。
にょろもう:この湖もきれいだね。
ゴンベ:あとは、高架木道まで行くだけだっぺ・・・。
作者:そう、高架木道に出ればヒグマの心配はありません。
一湖から先の方へ進んでいくと、ようやく高架木道が見えてきました。
ここから高架木道へ上がれば、ヒグマに襲われる不安はありません。ただ、高架木道への通路は一方通行のため、一度ゲートをくぐってしまうと二度と地上遊歩道へは戻れません。
地上遊歩道から高架木道へ上がってきました。
高架木道の湖畔展望台から見る知床五湖(一湖)と知床連山の景観は美しく、知床のダイナミックな自然が十分に伝わります。
高架木道から唯一湖が見れる一湖の周辺は、昭和40(1965)年頃までは放牧地として利用されていたことがあります。そのため、知床五湖に棲む生き物も人間の営みによる影響があり、一湖にはかつて放流されたフナやスイレンが確認されているようです。
ビクティニ:いやあ、ここまで来ると達成感があってここから見る知床連山と湖の景色が一段と美しく感じるよ・・・。
ミュウ:ここまで来れば、ヒグマの心配はないね・・・。
にょろもう:疲れた・・・。
シャワさん:俺たちは知床の自然の中を冒険してきたんだね・・・。改めて知床の自然の厳しさがよく分かったよ・・・。
ゴンベ:お腹すいたっぺ~。
作者:お疲れ様。さあ、ゴールはもうすぐだからもう少し頑張りましょう!
高架木道は、知床の自然を気軽に散策できるようにするため、平成23(2011)年に完成しました。
高架木道は全長約800メートルあり、往復で1.6kmを歩くだけのコースで、地上のコースと違ってどんな時期も問わずに気軽に知床の自然を満喫できます。
その高架木道にはいくつか展望台があり、知床の景観や雰囲気を楽しんだり、あるいは撮影を楽しんだりすることができ、『連山展望台』、『オコツク展望台』、そして『湖畔展望台』の三箇所の展望台が設けられています。先ほどの知床五湖(一湖のみ)と背景の知床連山が見渡せる湖畔展望台が高架木道の折り返し地点になります。ただし地上遊歩道へは入れません。この木道は道産のカラマツ材が用いられ、知床の自然と調和が取れています。また、ヒグマが入ってこれないよう、高さは約2~5メートル、さらに7千ボルトの電気柵も設置することで、ヒグマが上がってくる心配はないので、安心できます。特に地上遊歩道から上がってきた人には安堵感を覚えることでしょう。
高架木道から羅臼岳を観てみましょう。
まるでサバンナのような原野と雪の被った羅臼岳を見ていると、改めて知床の自然が美しくも厳しいことが感じ取れます。
高架木道からは、知床のオホーツク海が見えます。
原野の向こうに見えるオホーツク海は、まさに知床の海と大地が織りなす大自然の景観です。ちょうど夕暮れ時ということもあり、オホーツク海を照らす陽の光が美しい景色が見れました。
ミュウ:見て!夕暮れ時のオホーツク海が綺麗!
ビクティニ:頑張って地上遊歩道を歩いてきた甲斐があったな。
知床でもエゾシカは多く生息しています。
知床五湖の周辺や地上遊歩道でも生息しており、高架木道から見るとエゾシカの親子が確認できます。さすが知床、世界自然遺産に登録されているだけのことはありますね。
高架木道で遠ざかる知床五湖の一湖と知床連山を振り返ってみると、長かった地上遊歩道を歩いてきた達成感が感じ取れます。
遠くから一湖と知床連山を観てみれば、知床らしく絶景な景色です。
実は世界自然遺産に登録された知床にも、かつては人の活動があったのです。
大正から戦後にかけては多くの人々が入植し、農業や酪農を営む姿があり、その暮らしが昭和40年代まで続きましたが、時代の流れとともに人々はこの地から離れていったのです。残された開拓跡地は、乱開発の危機にさらされたことがあったといいます。そこで、その危機にあった知床の地を救うべく、斜里町は昭和52(1977)年、「しれとこで夢を買いませんか」というキャッチフレーズとともに土地の買取に必要な資金の寄付を全国的に呼びかけます。そして、33年の歳月をかけてすべての保全対象地の買取を完了することができたのです。これを『しれとこ100平方メートル運動』といい、現在でも様々な森作り作業を進めています。
駐車場へ向かって歩いていると、多くの撮影者や観光客が何かに釘付けになっていたので見てみると・・・。
なんと、ヒグマの親子ではありませんか!!
本日2回目となるヒグマの発見です!知床は言わずもがなヒグマの分布地とはいえ、ヒグマの親子を生で見るのは人生初なので、思わずカメラを構えてしまいましたw 知床の森の中を歩いてきた最後の最後でヒグマの親子が見られたのは、まさに奇跡のご褒美ですね!さすが知床!世界的に有名なヒグマの生息地というだけあります!
一回り小さなヒグマは子供のヒグマです。そういえば、先ほどのレクチャーでヒグマの出没情報に高架木道の周辺でも出ていましたね。
高架木道から見る知床連山も絶景です。
5月でも雪が積もったままの連峰の風景が見れるのは、北海道の冬は長いということを実感させられます。夏になれば緑の知床連山が見れることでしょう・・・。
さて、無事にフィールドハウス(駐車場)へ戻ってきました。
地上遊歩道から歩いてきた場合はこの高架木道の入り口が遊歩道の出口になります。1時半から散策を始めてからここまで戻ってくるのに3時間かかりました。
知床斜里駅やウトロ温泉からは路線バスも出ているので、レンタカーを借りなくてもバスで行くこともできます。
しかし、最終は16:40なのでバスで知床五湖へ訪れる場合はよくバスの時刻を調べてから計画を立てて行くようにしましょう。
★知床の自然を回る実際の様子★
さて、知床五湖の散策が終わったところで、本日の宿泊先である阿寒湖へ向かいます。
まずは、先ほどレンタルした長靴を返却するために、途中の知床自然センターへ寄り道します。返却が終わったら、阿寒湖へ直行するわけなのですが・・・。知床から阿寒湖まではなんと・・・・約150kmも距離があるので、かなりの長距離ドライブとなりました・・・。
ビクティニ:ここから長いドライブ旅になりそうだね・・・。今日はお昼ごはんさえも食べていないんだ・・・。
ミュウ:ほんとに知床の森を歩いていたらお腹が空いちゃった・・・。
作者:わかりました、長靴を返してから、なるべく急いで阿寒湖へ行こう。
★知床から阿寒湖までのルート★
夕焼けの知床のオホーツク海はとてもきれいです。ウトロは知床半島に西側に位置しているため、夕日がきれいに見えます。
知床半島のウトロから車を走らせて1時間ほど・・・ようやく知床半島を抜けて斜里町の市街地を通り、北海道本土に入りました。道東の夕焼けがとてもきれいです。
途中で、斜里岳が見えるパーキングで休憩しました。
夕焼けの空に映る斜里岳はとても美しい姿です。
斜里岳は『日本百名山』に選ばれており、標高は1547メートルあります。アイヌ語でオンネヌプリ(大きな山、年老いた山)と呼ばれ、知床半島の付け根に位置する山で、知床火山群、阿寒火山群のほぼ中間にあたる秀麗な成層火山です。平野にぽつんとある独立峰的な山なので、道東の山としてはかなり目立ち、インスタ映えも抜群な景観です。
途中でJR釧網本線の列車を見かけました。この後、釧網本線の踏切を通過し、国道391号線に出て弟子屈方面へ。さらに弟子屈町の交差点で阿寒横断道路こと国道241号線に入り、そのまま足寄・阿寒湖方面へクルマを走らせます。
阿寒湖方面へ進んでいくうちに、だんだん日が暮れてきました。正面に見る雄阿寒岳もいい感じにシルエットが夕暮れの空に映ります。しかし、日が暮れると野生動物が次第に活動しやすくなる時間帯になるため、途中で何度かエゾシカに遭遇してしまいます。ぶつかりそうになった時には、思わずクラクションを鳴らしてしまいました。阿寒湖に到着するまで、少なくとも5回は遭っちゃったかな・・・。
そして、知床からクルマを飛ばしてかれこれ2時間弱・・・。ようやく阿寒湖の温泉街に到着しました・・・。実は今回予約したホテルは夕食付きで、最初は余裕のある時間帯でチェックインできたはずでしたが、思わぬ予定で阿寒湖に到着したのが夜の7時20分ごろとかなり遅い時間帯で到着。もしもっと遅れていたら、せっかくの夕食が食べられなくなっていたのかもしれません・・・。
ビクティニ:大変だったね・・・。運転お疲れさん。
ミュウ:結構急いでいたよね大丈夫?少なくとも80キロは出てたよ?
作者:なんとか・・・。でも到着までになんとか燃料ギリギリまで持ち、阿寒湖に着いたのは運に見放されていなかったようですな・・・。
さあ、長かったドライブも終わり、阿寒湖で夕食をいただきます。
ビクティニ:まさか知床峠へのアクセスがここまでシビアだとは思わなかった・・・。でも、五湖で最後の最後でヒグマの親子が見られたのはちょっと嬉しかったかもね。
ミュウ:最初はヒグマは怖い生き物って思ったけど、何もしなきゃ一方的に襲うような生き物じゃないのが分かったよ。
シャワさん:いやあ、知床五湖の遊歩道を実際に歩いてみれば、本当に知床の自然の厳しさを思い知らさせた。それにひきかえ知床岬だったら・・・。
にょろもう:昼ごはん食べなかったからお腹すいた、いただきま~す!うまい!
ゴンベ:うんめえ~!!ずっとご飯食べなかったからお腹ペコペコだっぺ!
ビクティニ:今日は夕方に知床を出発して、阿寒湖に着いたのが夜中とは思わなかったよ。長距離ドライブになるとはね・・・。
ミュウ:まさかエゾシカが何度も出てくるなんて。
ゴンベ:でも、昼ごはんが食べられなくても、夕食は美味しかったっぺ!
にょろもう:さっきの湖と森の中の冒険は楽しかったよ。
シャワさん:今日は世界遺産を見てきたからな・・・。知床の自然は今回の旅行で十分満足したと思う。
阿寒湖のホテルの部屋からは、天気が良ければ満天の星空が見えました。
部屋を暗くして窓際を覗いてみれば、阿寒湖の夜空には無数の星がきれいに見えます。中には流れ星も降っていました。道東の自然の中だからこそ、美しい夜空の芸術も楽しめます。今日、阿寒湖の星空が見れたのは、知床の自然の中を長時間歩いてきたご褒美のようなものですね。
『GW道東紀行4日目』終わり
5日目へ・・・