ビクティニと昔ロマンのブログ

好きなポケモンと旅行に出掛けたり、鉄道名所(景観路線や歴史ある鉄道スポットなど)スポットめぐりや風光明媚な鉄道旅、日本の観光地の歴史や景観めぐりなどを紹介するコーナーです。よろしゅうお願いします。

北海道紀行2023GW 3日目 富良野ドラマ“風のガーデン”&美瑛の牧場“ファームズ千代田” 狩勝峠を越え道東へ

皆さん、こんにちは。

今回は、美瑛町にある“ファームズ千代田”の牧場を見て、狩勝峠を越え、帯広まで車でドライブ。さらに帯広から先はJR根室本線で釧路まで移動します。

 

新富良野プリンスホテルの朝食

新富良野プリンスホテルの朝食でも、やはり北海道名物が勢ぞろいです!

ビクティニ:最高な朝ごはんだ!いただきます!・・・おいしい!

ビクティニポンチョのピカチュウ:朝食もおいしい!

ぐんまちゃん:朝ごはんに海鮮丼なんてあまりないもんね。おいしい!

アルクマ:オムレツもおいしいクマ!

 

風のガーデン
せっかくなので、ホテル敷地内にある『風のガーデン』にも散策してみます。

富良野は、『北の国から』をはじめ、『風のガーデン』『優しい時間』といったドラマのロケ地になっています。

そのうちの『風のガーデン』は、『北の国から』(~’02)および『優しい時間』(’05)に続く富良野三部作の最終章として書かれた作品で、ドラマでは平成20(2008)年に放送されています。

ここは、脚本家こと倉本聰(くらもとそう)氏のテレビドラマ『風のガーデン』の舞台となった場所です。

ホテルの敷地内にあるこちらの『風のガーデン』の庭園は、ドラマのロケ地として使用するために2年ものの歳月をかけて造られたものだそうです。この庭園をプロデュースしたのが、旭川市にある『上野ファーム』のヘッドガーデナーにして北海道のガーデンデザイナーこと上野砂由紀氏です。自前の『上野ファーム』はもちろんのこと、ここの『風のガーデン』の他に、上川町にある『大雪 森のガーデン』など多くの庭園を造成し、在り来りのイングリッシュガーデンでなく、自然に近い調和性の取れた、まさしく北海道らしさの庭園として再現されています。そのため、訪れる者は、自然の中にある北海道ならではの庭園に魅了されます。

ここは、花壇(花の草原)や一人歩きの道、グラスガーデン、ヤギの広場、ガブリエルの家などがまとまった1つの大きな庭園となっています。

ビクティニ:ここが風のガーデンという庭園だ。森に囲まれているね。

ビクティニポンチョのピカチュウ:まるで自然の中にあるみたい。

 

風のガーデン 花壇(花の草原)
庭園の花壇には、様々な花が咲いています。

富良野のお花といえばラベンダーで有名で、この時期はまだラベンダーの時期でないのですが、『風のガーデン』ではたくさん咲いていてきれいです。

この時期は5月で、エゾエンゴサク、プルモナリア、タイム・ロンギカウリス、スイセンなどが咲いています。

『風のガーデン』の最終回では、ドラマの主人公である中井貴一氏が亡くなる前、娘の黒木メイサさんのために植えた青いエゾエンゴサクの球根が最後の場面で咲くのだそうです。早春の暖かな日差しに青のグラデーションが美しく映える儚いエゾエンゴサクの花を見ると「ああ今年も始まるんだな」と感慨深くなつことから、富良野の春を告げる風物詩にもなっています。

ここに植えられている花は、プルモナリアやスイセンが目立つようです。

ビクティニ:いろんな花が咲いている!まさに北海道の春って感じだ。

ビクティニポンチョのピカチュウ:青い花も咲いているよ!

ぐんまちゃん:群馬では見かけない花もあるよ!

アルクマ:このへんの花は北海道しか見れない種類が多いクマ!

 

グリーンハウス

庭園の中に建つ白い洋風の建物は『グリーンハウス』です。

自然の楽園の中にある庭園に建つ洋風建築物は、あたかもジブリの作品に出てくるようです。

グリーンハウスの中は自由に見学でき、ドラマの撮影に使われたセットが当時のままで残されています。室内には、ピアノをはじめ、暖炉や椅子、テーブル、ソファー、照明、本棚などが撮影当時の状態で保存され、あたかも生活感があるように見えます。まさしくドラマの世界観が感じ取れます。

もし、このような穏やかな庭園に洋風な家でのんびり暮せたらと思うと・・・。

 

庭園とグリーンハウスの風景

庭園とグリーンハウスを写した風景を見てみると、やはり『自然の楽園』でさえも感じてしまいます。

まさしく富良野の春を思わせる雰囲気ですね。

花壇に植栽されたたくさんの花々に洋風のグリーンハウス、そして森に囲まれた環境・・・いかにもドラマの世界にいる臨場感が感じ取れます。また、地元のおばちゃんたちが花壇のお手入れをされていました。

ビクティニ:癒やされるな・・・ドラマのロケ地とはいえ、ジブリの世界にいるようにも感じる。強いていえば、ラピュタの庭園って感じ?

ビクティニポンチョのピカチュウ:確かにジブリに見えるかもね。

ぐんまちゃん:北海道の庭園ってなんとなく自然を意識して造っているよね。

アルクマ:とても素敵な庭園だクマ。

 

ヤギ小屋

庭園の入り口にはヤギが飼われています。

この日は4頭の子ヤギたちが日向ぼっこをしていました。

 

美瑛の風景

ホテルを出発し、美瑛町にある“ファームズ千代田”へ車を走らせます。

富良野から美瑛まではだいたい車で約30分ほどで到着します。

美瑛は丘が広がる風光明媚で長閑な場所です。

『青い池』や『ケンとメリーの木』などで有名ですが、丘の上から眺める田園風景も素敵なものです。

 

美瑛の観光牧場“ファームズ千代田”

美瑛の観光牧場“ファームズ千代田”に到着です。

ここでは、牧場で飼育されている動物たちにふれあい、この牧場ならではのグルメも堪能できます。

年中無休で開放されており、なんと入場料なしで入れるので、北海道ならではの牧場気分を楽しみたい人にはおすすめです。さらに『千代田の丘』もあり、美瑛の丘が見られます。

また、ここは『酪農教育ファーム認定牧場』になっています。いわば、酪農を通して子どもたちに『食べ物を無駄にせず感謝するという気持ち』、『酪農や農業の仕事があってこその食の恵み』、そして『命の尊さ』を学んでほしいという、体験学習活動が行われています。

ビクティニ:素晴らしい!まさに北海道の牧場だよ!

ビクティニポンチョのピカチュウ:ここはとても長閑だね。

 

ジャージー牛
この牧場では、乗馬や乳搾りなど様々な体験ができます。

その中でも、とりわけジャージー牛への乳飲み体験が大人気だそうです。

スタッフがミルクをあたため、それをジャージー牛に与えると、勢いよくミルクを飲み干してしまいました。ジャージー牛は、もともと英領ジャージー島原産の乳牛で、いわゆる一般的な乳牛として知られる白黒模様の『ホルスタイン種』より小柄な体格をしています。その小柄さから濃くて味わい深い牛乳が採取でき、人懐こいという特徴があります。しかし、ジャージー牛の飼育数は、全国的に見ても少なく、国内における乳牛のわずか0.8%(全国的に飼養されている牛数の約138.3万頭に対して約1.1万頭)とごく希少で、ここの牧場で飼われているジャージー牛自体も貴重なものです。

ビクティニ:これは『ジャージー牛』という日本では珍しい種の牛だよ。まるで子供のように元気がいいね。

ビクティニポンチョのピカチュウ:この牛さん、元気よく飲んでいる!

 

牧場で飼育されているヤギや羊など
牧場にはヤギや羊が放牧されています。

一般的な観光牧場では、このように羊やヤギ、ウサギなどの小動物が見られたりするのですが、ここは丘や林に囲まれた環境で飼育されているので、まさしく北海道の牧場らしい雰囲気です。

ビクティニ:丘や林に包まれた牧場は素敵だね。本州ではこの風景はなかなか見れないかもね。昔に行った静岡のまかいの牧場とは違った雰囲気だ。

ビクティニポンチョのピカチュウ:ここの動物たちものんびり暮らしているのには癒やされるね。

ぐんまちゃん:下仁田の神津牧場みたい。でも、やっぱり北海道の牧場は違うな・・・。

アルクマ:長野にも高原の牧場はたくさんあるけど、北海道の牧場はとても多いクマ!

 

動物たちへの餌やり
動物たちへの餌やりもできます。

100円で人参ステックが10本ぐらい入った餌を購入します。動物に餌を与えようとすると、好奇心旺盛で近寄ってきます。ヤギの口に餌を近づけると、飲み込むように食べてしまいました。

ビクティニ:おお!よほどお腹空いていたみたいだ。

 

牧場のウサギ

牧場のうさぎ小屋には、たくさんの種類のウサギたちが飼われています。

ビクティニ:パンダ模様のウサギだ。

ビクティニポンチョのピカチュウ:かわいいね。

ぐんまちゃん:ウサギを間近で見たのは久しぶりだね。最後に見たのが群馬の小学校にあったうさぎ小屋で見た時以来かな・・・。

アルクマ:これは『ダッチラビット』といって、確かに『パンダウサギ』とも言うクマ。ヨーロッパやアメリカではペットとして人気みたいだクマ。

 

牧場の馬

馬も飼われています。

体格が大きくて餌を与えると、やはり飲み込むように食べてしまいました。昨日に訪れた新冠の馬ほどではないようですが、やはり北海道の馬はスケールが違いますね。

 

屋内飼育されている動物たち
飼育小屋の屋内には、羊やヤギ、牛が飼われています。

羊たちが牧草を一心不乱に食べています。

ここでは繁殖や肥育が行われ、各々の動物の出産も行われています。この牧場では、とりわけ『びえい和牛』や『ちとせ和牛』といったブランド和牛の繁殖・生産が行われています。大雪山からの湧き水や地元の飼料をふんだんに使い、雄大な自然の中に囲まれた環境で育っているので、優良なブランド和牛の生産ができるといいます。もちろん、ふれあい牧場で飼われている動物たちも、大自然で育った環境下で優れたコンディションを今日も保っているのです。

 

ファームズ千代田のレストラン
ファームズ千代田では、牧場はもちろんレストランもあります。

この牧場では、外食産業としても発展し、しかも美瑛エリアとしては珍しく夜でも営業されています。宿に到着する時間が遅くなる場合の夕食にも・・・まさにうってつけといってもいいでしょう。

ちなみにクレジットは使えないので、事前に現金は用意した方がいいです。

このレストランでは、牧場で飼育されているブランド和牛のステーキが売りだそうですが、いかんせん値段が高く5千円もするようなので、我々は普通にハンバーグランチを注文します。もちろん和牛が使われているので、普段のファミレスで食べるハンバーグとはまるで次元が違う位に美味しかったです。

ビクティニ:このハンバーグ、とってもおいしい!コ◯スで食べるハンバーグとは違った味わいだよ!

ビクティニポンチョのピカチュウ:確かにこれはおいしい!

ぐんまちゃん:これはすごくおいしいよ!上州牛も美味しいけど、北海道の和牛ハンバーグは格別かも!

アルクマ:おいしすぎるクマ!長野にもブランド牛はたくさんあるけど、北海道の牛は違うクマ!

 

ジャージー牛乳を使用したソフトクリーム
この牧場の最大の魅力は、なんといってもジャージー牛乳を使用したソフトクリームが味わえることです!

ジャージー牛乳をふんだんに使用したソフトクリームは、普段食べているソフトクリームとは違って大変濃厚で、思わず声が出るほど美味しかったです。

400円で購入できますが、食事後にもらった50円クーポンがあったので、よりお得にソフトクリームが堪能できました。

ビクティニ:このソフトクリームとっても美味しい!!いかにも北海道の牧場でたべるソフトに感動しちゃった!

 

美瑛の丘(三愛の丘展望公園)

美瑛は別名“丘のまち”ともいわれています。

見ての通り、眺望の良い風光明媚な風景です。

美瑛では定番の『青い池』や『ケンとメリーの木』を見るのもいいですが、このような穴場の眺望スポットを見つけて風光明媚な美瑛の丘を眺めたりするもの雄大な北海道ならではの自然の楽しみ方です。

ここは『三愛の丘展望公園』という場所で、先程の千代田ファームから近い場所にあります。ここも風光明媚な美瑛の風景が眺められる眺望スポットの1つです。

このように際限なく広がる畑が丘の地形ができたのは、実は大昔の噴火によって生み出された火山灰や軽石によって盛り上がって形成されたものです。しかし、この丘ができたのは十勝岳の噴火によるものではなく、大昔と言うと十勝岳連峰が形成される前の更に昔のこと、約190万年前ならびに約110~120万年前の大規模な噴火に伴う火砕流によって運び込まれたものなのです。そして、この辺り一帯は大量な火山灰や軽石によって埋め尽くされ、やがてはこのような丘が形成されるほど凄まじい大規模な噴火となったのです。したがって、このような風光明媚な丘が今日も見られるのは、大昔の噴火によって形成されたものと考えられています。

ちなみに、移動中に畑の風景を見ていると、随所で土が光るのが見れることがあるそうです。というのも、先程も言ったように、この丘は火山灰や軽石によって形成されているのが原因だと言われているからです。いわば、この丘にはかつての大規模な噴火で吹き出されたマグマのかけらや石英などの鉱物の結晶が含まれていることがあるからです。それらが日光を浴びるとその反射で『光る土』という現象が見られるのです。

こうして、ここで農業を営む人たちは、火山の噴火によって生み出された丘の地形や火山灰が含まれている土壌特性を活かし、富良野の農業を今日も支え続けています。

ビクティニ:丘の風景も素晴らしい!けど、ぼくらが普段食べている野菜もここで丹念に育てているからこそ、毎日の食卓があるという気持ちも忘れてはいけない・・・。

ビクティニポンチョのピカチュウ:そうだよね。

ぐんまちゃん:とってもきれいな丘!赤城高原より全然広くて言葉も出ないくらい・・・。

アルクマ:長野では山ばっかりなのに、北海道は山もあれば広い丘もあるって感じクマ!

 

三愛の丘から見る十勝岳連峰
このあたりは十勝岳のジオパークにもなっており、この丘からでも十勝岳連峰が眺望できます。

背景に映る十勝岳連峰美瑛の丘のコントラストは、何とも言えぬ雄大な風景です!

あの山脈は『大雪山国立公園』にあり、北海道のほぼ中央に位置しています。

十勝岳連峰には、『十勝岳』はもちろん『富良野岳』、『美瑛岳』、『美瑛富士』、『三峰山』、『上ホロカメットク山』、『トムラウシ山』などの山々が連なります。

十勝岳連峰は、火山性の山脈が特徴的で、まるで富士山のように山頂に雪が被り、山麓は青色に覆われています。これがいわゆる火山灰に覆われているという証拠で、特に十勝岳は大いに火山灰で覆われているのです。また、活火山ということもあり、昭和63(1988)年には大規模な噴火を起こしています。

 

★美瑛『三愛の丘』から帯広までのルート★

 

さて、午後になってきたので、美瑛から帯広まで移動します。

美瑛から帯広までの所要時間は概ね2時間半~3時間ぐらいです。

経路としては高速は使わず、国道38号にて狩勝峠を経由し、帯広へ向かいます。

 

狩勝峠
美瑛から車を走らせ約1時間半・・・狩勝峠にて少々休憩です。

狩勝峠は標高644メートルあります。

ここは、北海道南富良野町および新得町の境界に位置する重要な峠でもあります。この峠の西側は石狩川水系、東側は十勝川水系になっており、日本海側と太平洋側の分水界にもなっています。

狩勝峠の名前が付いたのが、明治29(1896)年に北海道鉄道敷設法(鉄道敷設法)が制定され、当時の北海道官設鉄道の鉄道敷設部長がルート選定のため佐幌岳周辺を踏査する際に旧石狩国および旧十勝国から一文字を取り、この名前がつけられました。

ビクティニ:ここは『狩勝峠』みたいだ。とても高い場所で、青空が広がっている!

ビクティニポンチョのピカチュウ:青空が開けていて、心が洗われるね・・・。

 

狩勝峠 展望台
駐車場の反対側には展望台があり、十勝平野が眺望できます。

狩勝峠は、北海道滝川市から釧路市を結ぶ国道38号線の途中にあります。一方、道央と道東を結ぶ国道274号が最短ルートとして、その国道にある『日勝峠』を通ることが多いものの、日勝峠はこの峠よりさらに標高が高い1,022メートルあり、1年中霧が発生しやすく、更に冬場は吹雪も発生するため通行困難になることが多いようで、その時に狩勝峠を経由する場合があることもしばしばだそうです。

ぐんまちゃん:アルクマくん見てよ!すごくいい眺めだよ!

アルクマ:これは絶景だクマ~!!

 

狩勝峠から見る十勝平野

狩勝峠からは十勝平野の景色が広がります。

ここは日本新八景にも選ばれた峠です。

山麓から平野へ広がる景色を眺めていると不思議な気分になりますね。

ここから山麓へ下ると、スキー場やゴルフ場などがある『十勝サホロリゾート』があります。

実は、この峠をかつては鉄道が通っていたのです。

というのも、明治40(1907)年に十勝線(後の根室本線)の落合駅~新得駅間が開通。この場所の近くに『狩勝信号場』がありました。この区間は・・・何を隠そうこの狩勝峠を越えるため『狩勝線』という別名も付けられたのだそうです。そして、この場所から十勝方面に『狩勝トンネル』があり、そこを抜けると峠から十勝平野が見下ろせることから『日本三大車窓』の1つにも選ばれたのです。しかしながら、狩勝線の区間は急勾配に加え、更には気候条件も重なり、この区間を列車運行するのにはかなり過酷な環境だったそうです。そこで、昭和41(1966)年に勾配を緩和した新狩勝トンネルを経由する新線への切り替えとともに、狩勝峠を通過する旧線は廃線となりましたが、旧狩勝線の一部区間では、『狩勝実験線』として脱線事故や車両火災事故などを模擬した鉄道実験が昭和54(1979)年まで行われていたようです。

 

旧狩勝線ミュージアム(旧新内駅)

旧新内駅の駅舎
ここは、かつて狩勝線(根室本線)に存在した新内駅の跡地です。

現在は『旧狩勝線ミュージアム』という施設になっています。

開業当初は信号場として設けられましたが、2年後の明治42(1909)年には駅へ昇格されています。当時は、50戸あまりの開拓者が入植し、最盛期には200戸あまりの人々が居住。森林資源や佐幌岳山麓で採れる花崗岩の積み出しなどでにぎわっていたといいます。さらに昭和初期にはスキー客でにぎわっていましたが、これまで豊富だった木材もやがて底をつき、開拓者たちもこの新内駅から姿を消していったのです。更に、追い打ちをかけるように昭和41(1966)年には新狩勝線の開通とともに新内駅は廃止されました。今では、駅跡に残る石造りののりばや駅舎などが当時のままで残されています。

ここでは蒸気機関車と3両のブルートレイン客車が展示されています。

ブルトレ客車の車内には、狩勝線の歴史についての解説や資料などが展示されているはずなのですが、残念ながらこの日はGWなのにも関わらず客車のドアは閉まっていて中は見れないようです・・・。

このあたりは、言うまでもなくかつての狩勝線あたらめ根室本線(旧線)の線跡で、新内駅以外は線路こそ消えているものの、周辺には線路跡が残されているはずです。そして、ここも含めて廃止になってからも、安全に鉄道運転が行えるようにするための『実験線』として様々な検証実験が行われていたというのを考えると、今日の鉄道の安全が守れるのも、この路線があったおかげと言っても過言でないのではないでしょうか。

 

なお、旧狩勝線での当時の鉄道実験の映像がYOUTUBEでアップされているので、よければこちらからどうぞ


www.youtube.com

 

新内駅に展示されている蒸気機関車9600型(59672号機)

59672号機について
この機関車は、“9600型”という大正生まれの蒸気機関車です。

主に、貨物列車向けの機関車として活躍しました。

大正11(1922)年に川崎造船所で造られ、根室本線をはじめ、釧網本線、広尾線、士幌線などの貨物列車で活躍したほか、駅構内の入れ替え作業にも使われていたようです。なるほど・・・この機関車も先日に訪れた幸福駅を通っていたことでしょうね・・・。

9600型蒸気機関車は、大正生まれのSLですが、当時、国鉄(現在のJR)で走っていたSLの中でも、蒸気機関車による運用が廃止になる最後まで走っていた形式です。形式が古い割りには最後まで頑張って走ってきたキューロクには思わず感服してしまいますよね・・・。

 

帯広駅
さて、帯広空港を出発してから3日間・・・。
帯広から襟裳岬や日高地方、富良野や美瑛、そして狩勝峠を越えて1周するように帯広へ戻ってきました。

帯広駅にて車を返却し、これから釧路まで列車で移動します。

ビクティニ:さて、帯広駅に到着だ!で、ここからJR根室本線で釧路へ向かうのだけど・・・時刻表で見てみよう・・・。

ビクティニポンチョのピカチュウ:次の列車が17:04発の特急があるけど・・・もう間に合わないから、次の普通列車で釧路へ行こう!

作者:運転めっちゃ疲れた・・・。狩勝峠から帯広まで意外とかかるもんですな・・・。とまあ、次の普通列車は18時ちょうどの発車だから、それまで夕食を食べるなりお土産を買うなりしよう。

 

とかち物産センター
帯広駅にある『とかち物産センター』では、十勝地方ならではのお土産を購入できます。

バターやヨーグルト、ミルク、チーズなどの酪農系のものはおろか、じゃがバタのパックや牛ステーキなども売られているので、十勝のお土産にはまさにうってつけです。

ビクティニ:なにか良いものは・・・あ!このチーズケーキがいい!

ビクティニポンチョのピカチュウ:ほんとだ、これ美味しそうだよね。これにしよう!

作者:はいはい、分かりました。それから、列車内で食べる夕食も買いましょう。

ちなみに、ここで名物のラーメンも頂いたのでありました。

 

釧路行きの普通列車に乗車
さて、発車時間も近づいてきたので、根室本線ののりばへ。

これから乗る列車は釧路行きの普通列車ですが、新得発でしょうか、帯広まで2両編成のようですが、ここからは1両編成で運行されるようです。

車両は『H100形』という新型車両です。

一昔前まではキハ40が走っていたかと思うと、いささか名残惜しいですね。あ、でも根室本線の列車に乗るのは初めてです。

 

18時ちょうど、列車は帯広駅を出発し、釧路方面へ進んでいきます。

 

池田駅
池田駅では長時間停車していました。

池田町は、ワインのまちとして有名です。

この駅では、かつてここから池北線が北見まで通っていたのです。

開業当初は陸別まで明治43(1910)年に開業。さらに翌年に野付牛駅(現在の北見駅)まで、さらに翌年の大正元(1912)年に網走まで開通し、『網走本線』として誕生しました。後の昭和7(1932)年には新旭川駅~野付牛駅まで全通し、のちに『野付牛』から『北見』へ改称。一部の区間が石北本線となり、さらに昭和36(1961)年には池田駅~北見駅間が『池北線』となります。そして、国鉄からJR北海道として発足し、池北線は平成元(1989)年には第三セクターの『ちほく高原鉄道ふるさと銀河線』として再スタートしますが、やはり沿線人口が少ないからか採算が合わず平成18(2006)年には廃止となったようです。

 

車内で夕食のお弁当
池田駅を発つ頃には、すっかり日が落ち、1両編成の列車は夕闇の中をただただ駆け抜けてゆきます。

根室本線の幹線とはいえども、暗闇の車窓を眺めながらたった1両の普通列車の中で長時間乗車していると、いささかシュールな気分です・・・。ましてや初めて乗る区間で車窓はすっかり真っ暗なので、帯広~釧路間の車窓はどんな感じなのかでさえも分かりません。もう駅に止まったかと思いきや、実際にはとある信号場で列車の交換待ちのために長時間停車したりすることも・・・。

実は、根室本線にかつて存在した駅が信号場として降格されているところが多いようです。そのため、駅数が少なくなる分、駅間の距離も長くなります。長いところでは、駅間に2箇所も信号場が点在している区間もあり、両者の駅間では10km以上も離れていたりします。中でも浦幌駅~厚内駅間が約19kmも離れているぐらいなので驚くほど長いです!しかも駅間の所要時間だけでも15分ぐらいかかった記憶があります。

さらに、とある駅で特急の交換待ちを行うためにこれまた長時間停車するようですが、反対側の列車が動物に接触したらしく、予定時刻より遅れて通過していきました。この路線は単線なので、当然、交換待ちをしていたこの列車にも影響が出ています。・・・とはいえ、ここは北海道だから野生動物に出くわしたりするのはよくあることなのでしょうけど・・・。特に夜間は野生動物が活発に動く時間帯なので仕方がありません・・・。

なお、その間に事前に購入しておいた豚丼弁当を列車内でいただくことにします。

ビクティニ:これが帯広名物『豚丼弁当』。いただきます!・・・おいしい!

ビクティニポンチョのピカチュウ:おいしい!

ぐんまちゃん:おいしい!上州麦豚よりおいしいかも!

アルクマ:とってもおいしいクマ!信州ポークを食べているみたいだクマ!

 

釧路駅に到着
21時16分ごろ、釧路駅に到着。

21時04分に到着するはずが、交換待ちの対向列車が動物の接触で大幅に遅れたようです。

やってきた根室本線の列車は音別行きの最終。釧網本線は最終の摩周行き、そして花咲線の列車は最終の厚岸行きとしてそれぞれ発車していきます。

ビクティニ:ようやく釧路駅に到着!長かったな・・・。

ビクティニポンチョのピカチュウ:何度も止まっては長時間停車とか疲れちゃうよね・・・。

ぐんまちゃん:ここが釧路のまちなんだね。ここのはずれには釧路湿原があるはずだよね。

アルクマ:釧路湿原のカヌーが楽しみだクマ!

 

釧路プリンスホテルに宿泊

今宵は釧路プリンスホテルにチェックイン。

21時半とかなり遅い時間に到着しました。今夜はここで休み、明日は釧路湿原のノロッコ号とカヌーツアーに参加します。

ビクティニ:明日は釧路湿原だね。ノロッコ号にカヌー・・・。ぼくは2年ぶりに釧路湿原を目にすることになるだろう・・・。

ビクティニポンチョのピカチュウ:そういえば、以前は知床まで行ったよね。

作者:でも、過去に知床で観光船の事故があったから、親から「行くな」っていわれているんだよね・・・。だから今回は知床には行かないよ。その代わり丸瀬布という場所にはいいものがあるんだ。それは行ってみてのお楽しみ!

ぐんまちゃん:ぼくは釧路湿原へ行くの初めてなんだ。もしかして尾瀬みたいなところだったりして?

アルクマ:そうそう、それが釧路湿原の雰囲気だクマ。長野にもそういった湿原があるクマけど、釧路湿原は日本で大きな湿原らしいクマ!釧路湿原はどんなところか一目で見てみたいクマ。

作者:ではみなさん、おやすみなさい!

 

『富良野ドラマ“風のガーデン”&美瑛の牧場“ファームズ千代田” 狩勝峠を越え道東へ』をお伝えしました。