みなさん、こんにちは。
今回は、マングローブでのカヌー体験と奄美大島唯一の水族館“奄美海洋展示館”へ行ってきたお話です。
名瀬市街からクルマを走らせて約30分の所にある道の駅“黒潮の森マングローブパーク”です。
ここでマングローブの中でカヌー体験ができます。
道の駅“黒潮の森マングローブパーク”は、名瀬市街から国道58号をみちなりに進み、和瀬漁港から更に先の方の『住用町』にあります。カヌー体験に参加するには、まず受付で申し込みが必要です。当日でも申し込みが可能ですが、混雑の度合いによっては事前の予約を推奨します。ちなみに前日まで予約が可能なので、予定を考慮した上で申し込みされるといいです。
ビクティニ:さて、この日はここでマングローブを見物するためにカヌー体験に参加します。ということで、まずは受付をすませましょう
ところん:マングローブを間近で見るのが初めてなんですよ。すごく楽しみです!
ヤドキング:マングローブと聞くと、木の根元が土から露出していて根っこも枝分かれしてるというイメージじゃろうて
サンドパン:間近でマングローブ見れるってよジュニア!
ビクティニjr:マングローブってどんな感じなんだろうね。とっても楽しみ!
マングローブ館では、奄美大島に生息する動植物についての解説などが展示されています。
奄美大島やその周辺の群島には多くの固有種たちが見られます。
それは『奄美群島のなりたち』に関係があるものとされ、大昔は陸続きになっていた奄美大島や群島もやがて『離島』となり、それらが海面下に沈まず残ったことで、その島々に取り残された生き物たちが『固有種』として独自の進化の道をたどっていったと考えられます。
アマミノクロウサギは『生きた化石』といわれるほどほぼ『ウサギの原型』に近い生き物です。
もともと大陸にすんでいた生き物で、千万年ほど前にここ南の地へ移動してきたのです。そして海水位があがり多くの大地が海面下に沈んだ時、アマミノクロウサギの祖先たちが比較的高い山があった現在の奄美大島と徳之島だけで生きのこったことで『固有種』となりました。さらにそれらの島には天敵が少ないことから、本土のノウサギと比べて耳が短く、黒に近い褐色、足も短いですが、足の爪だけは発達しており、巣穴を掘ったりその穴を埋めたりするのには大いに役に立っていることから、アマミノクロウサギもある意味進化を遂げているといっても過言でないとも言えるでしょう・・・。
奄美大島のいきものといえば、まずアマミノクロウサギを思い浮かべるかと思われますが、他にもルリカケスやリュウキュウアカショウビン、アマミトゲネズミ、リュウキュウズアカアオバト、オオトラツグミ、ケナガネズミ、そしてハブなどのいきものたちが生息し、ここのマングローブやその周辺でも生息しています。
そして、マングローブの周辺には“金作原”という原生林も群生しており、ヒカゲヘゴをはじめオオタニワタリ、リュキュウツワブキ、ソテツ、アマミセイシカ、アマミエビネなどの原生植物も目にすることができます。
館内には、アマミノクロウサギやリュウキュウアカショウビン、オオトラツグミの剥製も展示されています。
リュウキュウアカショウビンやオオトラツグミなどの野鳥は、昼間でも見ることができますが、アマミノクロウサギは夜行性なので、夜にならないと生で見るのにはなかなか難しいでしょう。
しかし、ここの展示館に展示されている模型を見れば、アマミノクロウサギやその他のいきものの生態をその場で知ることができるかと思います。
奄美大島には様々な種類の蝶々が生息し、現時点では86種類の蝶が確認されています。
本土でよく見るような蝶もいれば海外から飛んでくる珍しい蝶もいたりします。蝶々にはオスやメスとで模様が異なったり、はては季節や生まれた場所や環境によって異なる場合があります。また、幼虫の時に食べる葉っぱが種類によっても違います。奄美大島でみる蝶々は、主にアゲハチョウ、シロチョウ、マダラチョウ、タテハチョウなど、種類は様々です。
奄美大島の伝統工芸といえば、『大島紬』や『泥染め』が代表的です。
その中でも、大島紬(奄美大島紬)は『日本が世界に誇る伝統工芸』と世界的に評価されています。
奄美の大島紬は1300年という長い歴史を有すると言われ、伝統的な泥染め染色と精巧かつ緻密な『絣』を特徴とした古い伝統と歴史のある独特な先染絹織物です。
大島紬は世界の織物の中でも、他に類を見ない2つの特徴があります。1つは締機という独特な機を用いて作られる緻密な絣模様で、世界的に類を見ない緻密な絣技術として知られています。その中でも『経緯絣』といわれる複雑な絣模様は、世界的に見ても、絣の起源とされるインド、インドネシアのバリ島、そして日本の3ヶ所でのみで織られています。
もう1つは奄美特有の自然の『泥田』で絹糸を染める『泥染め』の技法で、大島紬独特の黒褐色を生み出しています。
大島紬の絣文様にも他にはない特徴が刻まれています。
大島紬の絣文様は緻密かつ独特なもので、その絣から生み出される文様こそ、奄美大島特有の文化であり、小さな紋文様の一つ一つに先人の暮らしと美意識が盛り込まれています。
大島紬独特の伝統的絣文様には、トンボや亀の甲羅、ハブ、ソテツの葉、花や星、風車、ザルなど、奄美大島ならではの自然や暮らしの道具などをモチーフに生まれたデザインが施されています。このような素朴な紋文様から始まったものが染織技法の発達とともに磨かれ、大島紬特有の幾何学模様のような精緻な絣文様へと発達していったのです。
大島紬の工程は、上の写真の通りに行われます。
まず、図案の製作から始まります。その際、絣文様のデザインを決め、織物の設計されます。次に原料の絹糸を使用し繰糸・整経を行い、糊張りをして絣締めをします。そして『染色』という工程に入りますが、『テーチ木染』をした後に『泥染め』が行われます。染色が終わった後、加工や製織し、検査をしておしまいです。これが大島紬という伝統工芸として完成します。
大島紬と泥染めは奄美大島でしか作れない独特かつ伝統的な紬です。
製造工程のうち、『泥染め』は奄美大島に自生する『テーチ木(シャリンバイ)』染めとセットになっている染色法で、テーチ木を煮出した塗料には『タンニン酸』が含まれています。また、島特有の鉄分を多く含んだ泥田を活用することによって、大島紬という芸術的なデザインが仕上がります。これこそ、奄美大島にしかない独特な風土が芸術的な伝統工芸を生み出しているということです。
染料は、染色の工程に欠かせないものです。
染色の工程のうち、『テーチ木染料』を作るため、シャリンバイの木という樹木を材料として細かく砕きチップ状にしたものを使用します。色成分が多く含まれている樹皮を剥がすためには、細かく切ることで表面積を大きくして染色成分を出やすくしているのです。
ソテツは奄美大島を代表する植物ですが、染料の材料としても使われています。
そのうち龍郷町ではソテツの群生が発達しており、大島紬に施される文様のソテツは龍郷柄の伝統文様です。そして、そのソテツは泥田にとっても重要な役割を果たしています。ソテツが自生する場所は土の成分に鉄分が多く含まれているため、泥染めの材料として向いているからだそうです。また、泥田の鉄分を蘇らせるためにソテツの葉を浮かべていたのだとか。
リュウキュウアユは、奄美大島と沖縄本島にしか生息しない、本土産アユの亜種版です。
体長は10~20cmと本土のアユと比べてやや小型ですが、身体が全体的にずんぐりしており、鱗自体が大きく数も少ないのが特徴です。また、秋の産卵に加わらずメスの中には冬を越す個体もいます。
海と川を往来する一年魚で、冬になると河川下流部で孵化し、海で成長した後、1~5月に中流に遡上し、秋に川を下って産卵し一生を終えます。沖縄本島では1978年に採取したのを最後に絶滅したものの、1991年に研究者や地元民、行政の取り組みで奄美大島のリュウキュウアユを沖縄本島北部の河川に放流し、リュウキュウアユの復元を目指しています。
こうして独特な特徴をもつリュウキュウアユは、奄美大島や沖縄本島の地形のなりたちから、本土から切り離され、100万年以上にわたり独自に進化したものと考えられています。そして、現在では奄美大島でしか見れない貴重なアユとして島内の川で生息しています。
マングローブパークの案内図です。
園内の奥にはカヌー発着場があり、そこでカヌー体験ができるほか、グランドゴルフもできます。マングローブという亜熱帯ならではの楽しみがあるものですね。広場の入り口から3分ほど歩いた所に発着場があります。
ここがカヌー体験の集合場所になる発着場です。
カヌー体験をするには、受付で渡されたチケットをここでスタッフに渡します。
ここでは無料のロッカーが使えるので、手荷物や貴重品などを預けた上で参加します。
カヌーツアーには『60分コース』と『90分コース』があります。
『60分コース』には、10時ちょうど、11時30分、13時ちょうど、14時30分、16時ちょうどの5回があり、出発時間20分前には受付をすませれば参加できます。いずれも予約無しでも参加可能です。
『90分コース』は前日までの予約が必要で、9時30分と15時30分の2回のみ。受付方法は『60分コース』と同じですが、日によっては予約できない時間帯や日にちもあるそうです。
ビクティニ:さて、ここでカヌー体験を行います
ヤドキング:いよいよマングローブが見れるんじゃな
マングローブカヌーでは、時間帯によって様々な環境を楽しむことができます。
奄美大島のマングローブには住用川と役勝川が流れており、マングローブに生息している生き物もほとんどが魚類や昆虫、貝類、甲殻類、爬虫類です。
時間帯によって満潮になっていることもあれば干潮になっていることもあります。
潮の干潮によってマングローブは表情を変え、カヌーから観察できるものも異なります。
満潮の時にはカヌーのままマングローブトンネルに入ることができます。反対に干潮時ではカヌーは当然入れませんが、カヌーから降りて潮が引いたマングローブトンネルを歩き、マングローブの根っこやシオマネキ・ミナミコメツキガニなど干潮時にしか見れない生き物を間近で見ることができます。また、運が良ければカワセミなどの野鳥も見れます。
カヌーから見たマングローブの風景です。
イメージ通り、川岸に生える木々の根っこが地面から露出しています。
マングローブは、熱帯あるいは亜熱帯の河口の湿地帯や沿岸部の干潟に生育し、潮汐によって一定の時間帯で冠水される湿地に生育する樹木群の総称です。大抵は『木の名前』だと認識されがちですが、実際にはそうではなく、多数の植物が発達したことで構成された群生林のことを指します。そのため『マングローブ林』と言われています。
奄美大島のマングローブは、沖縄県の西表島に次いで2番目の規模を誇り、住用町という所で群生しています。
住用町のマングローブは、主にメヒルギとオヒルギの2種類で構成されています。ここでは、奄美大島にしか生息しないような貴重な動植物たちが多数生息しています。そして、沖縄では絶滅したとされ、百万年もの間、独自の進化を辿ったリュウキュウアユの生息地でもあります。
ビクティニ:これがマングローブの原生林だね。こんなに間近で見たのは初めて!まるで釧路湿原の南国版みたい
ところん:木の根っこが大きいですね
サンドパン:見ろよ、マングローブだぜ!
ビクティニjr:根っこがでっかい!
ヤドキング:素晴らしい!まさに熱帯の自然が育んだ芸術的な風景じゃ
マングローブの特徴は、写真のように木の根っこが露出しています。
普通、植物の根っこは水を求めるために地中に広く張るものですが、マングローブの根っこはそうではなく、呼吸やバランスを保つため大気中に根を露出しているのです。これをいわゆる“呼吸根”と言われています。
そして、マングローブの根っこにも秘密があります。
なぜならば、マングローブに流れる住用川と役勝川の水は『汽水』すなわち塩分を含む海水が混じっています。・・・にも関わらず、マングローブの植物が生き生きとしているからなのです。普通の植物なら塩分で萎れたりするものですが、マングローブの根っこは、水を吸収する時に塩分をある程度の量で濾す役割を持っているのです。そして、濾し切れなかった塩分は、一部の葉っぱにためて最終的には落ち葉として捨ててしまいます。
このような生態を保つことで、マングローブは塩分を含むような汽水でも育つことができるのです。いやあ、マングローブの生命力を感じるものがありますね。
マングローブの根っこには以下の4種類があります。
①支柱根・・・傘を大きく広げた骨組みのように幹から地面へ伸ばす。根は半円状に複数分岐しまれに岩礁に根付かせることがある。「Prop-Root/プロップルート」ともいい、波の影響を受けやすい場所に生育するヤエヤマヒルギに発達する。
②膝根・・・人間のひざを曲げた逆V字形のように盛り上がる。根は地中ですべてつながっており酸素不足を解消するため地上で波打つように姿を見せる。「Knee-Root/ニールート」ともいい、マングローブ林の内陸寄りで生育するオヒルギに発達する。
③板根・・・幹から地面までゆっくり滑り落ちるように張り巡らせる。根の厚みは小さいが材質が硬いため巨木でも支え続ける。「Butterss-Root/バットレスルート」ともいい、海側から陸側まで生育するメヒルギに発達する。
④筍根・・・タケノコのように地中深くから垂直突起して現れる。膝根と同じく根は地中で一体化し、地上では針山のように広がります。「Pencil-Root/ペンシルルート」ともいい、海岸寄りで生育するマヤプシキとヒルギダマシに発達する。
したがって、奄美大島ではオヒルギとメヒルギの2種類しか生育していないので、ここで見れるマングローブの根っこの種類は、板根と膝根です。
小さな支流に入ると“マングローブトンネル”の中です。
マングローブトンネルの中に入ると不思議な雰囲気に包まれます。周りにはオヒルギやメヒルギの木々が生えています。このマングローブトンネルこそ、潮の影響によって環境が変化します。潮が満ちていればカヌーで入れたり、干潮の時は歩いたりします。今回、参加した時間帯ではカヌーが入れる環境だったので、マングローブトンネルの中を流れる川を見ることができました。
ビクティニ:マングローブトンネルだ!まさしくジャングルって雰囲気で、冒険しているような気分だ
ところん:森の中のトンネルですね
ヤドキング:これがマングローブの自然じゃ。生命力を感じるじゃろう
オヒルギとメヒルギは名前も似ていれば形状も似ていますが、決定的な違いがあります。
オヒルギは、ヒルギ科の常緑高木に属しており、学名は『Bruguiera gymnorhiza』、つまり和名は『雄漂木』です。国内自生地は奄美大島以南の15島156カ所に分布し、幹の表面のデコボコとオクラのような胎生種子が特徴的です。陸側のマングローブでは樹高10m以上になることもあり、木の周囲では波状の膝根を発達させています。また、葉っぱは先端が尖っているのも特徴です。
メヒルギは、ヒルギ科の常緑木本に属しており、学名は『Kandelia obovata』、和名は『雌漂木』です。国内自生地は鹿児島以南の18島149カ所に分布し、盆栽のようにスッキリとした樹形に丸みを帯びた葉が特徴的です。板根を発達させるほか胎生種子もつけ、比較的寒さに強いため、天草諸島や伊豆半島でも植樹されています。
マングローブに生えるオヒルギやメヒルギの幹には『白いカビ』が付着しています。
カビって聞くと悪いイメージしがちですが、奄美大島のマングローブに生えている白いカビは『きれいなカビ』だと言われています。
水位が下がり干潮になると、湿地から植物が芽を出します。
オヒルギならびにメヒルギの種にも形状が異なります。
どちらもインゲンのような形状で形も似ていますが、オヒルギの種は細長く、メヒルギの種は若干太いのが決定的な違いです。
両者の種は水面に浮かんでいますが、ここの潮が引いた時にカニの巣穴や他の樹木の穴にはまり、やがては根付いてぐんぐん成長していくのです。
魚が泳いでいるのを見つけました。
写真に写っている魚の大きさを見る限りでは、おそらくリュウキュウアユではないでしょうか。だとしたら、大発見です!
マングローブパークに戻ってきました。
至る所に熱帯の植物が生えていて、まるでマングローブの公園です。
展望台からマングローブの森が眺望できます。
高台からマングローブを見ると、あたかもインドネシアもしくはシンガポールにいるかのような異国情緒でさえも覚えてしまいます。マングローブの中を流れる川に、緑に染まる原生林・・・。これこそTHEマングローブって感じですね!
ビクティニ:上から見るとすごい森に大きな川!まるでインドネシアにでもいるようだ!
ところん:そりゃここは本土からすごく離れた熱帯地帯ですからね
ヤドキング:見事な絶景じゃの!広い森に大きな川・・・まさしくマングローブの絶景じゃ!
サンドパン:おい、見ろって!すごい眺めだぞ!
ビクティニjr:ほんとだ、まるでジャングルだね~
昼ごはんにマングローブ館のレストランでマグロ丼をいただきました。
マグロ丼も奄美大島を代表するグルメの1つです。他にもメニューにはやはり鶏飯もありました。
5人:いただきます!・・・美味しい!!
次は、奄美大島で唯一の水族館“奄美海洋展示館”にやってきました。
名瀬港の西側を通り、大和村方面へ行く県道79号の途中にあります。
そして、大浜海浜公園の中に入り、丸い建物が“奄美海洋展示館”という水族館です。ここも南国の風景です。近くには海水浴場もあり、夏になると海水浴で賑わいます。
ビクティニ:ここが奄美大島で唯一の水族館“奄美海洋展示館”です。奄美大島にきたら水族館も見たいよね
ところん:ここが水族館ですか。どんなお魚が見れるんでしょう?
ヤドキング:この水族館には、奄美大島とその周辺に生息する生き物たちが展示されとるんじゃ
ビクティニjr:ぼく水族館だいすき!見てみた~い
サンドパン:おれも水族館見てみたかったんだ!
エントランスに入ると、熱帯魚がたくさん泳ぐ巨大な水槽が我々を迎えてくれます。
巨大な水槽の中には、奄美大島とその周辺の群島に生息するたくさんの熱帯魚たちが泳いでいます。そして、奄美大島でお馴染みの生き物、ウミガメもこの水槽の中を泳いでいます。
ビクティニ:巨大な水槽には多くの熱帯魚が泳いでいる。そして、ウミガメも・・・
ところん:うわ~、まさに南国の水族館ですね!
ヤドキング:おお、海のパラダイスじゃ~!
ビクティニjr:見てよ!すごいでしょ~
サンドパン:海の楽園ってやつだな~
奄美海洋展示館では、『海と人との共生』をテーマとした、奄美の人々の暮らしと海との深い関わりを知ることができます。
エントランスの巨大水槽では、奄美の海中地形を表現し、ウミガメや熱帯魚がゆったりと泳いでいます。水槽のレイアウトは『美しい奄美の海』としての海中地形を模しており、底には『イノー』という枝サンゴや、沖の白波の立つ『シーバナ』から急に深くなるというもので表現されています。
奄美の海で泳ぐ魚たちの姿を見ていると、自然と心が和みます・・・。
ウミガメも優雅に巨大な水槽の中を泳いでいます。
2階に上がると、『海岸』を模した場所からは、ウミガメの姿が見れます。
奄美大島ふくむ奄美群島には、アカウミガメ・アオウミガメ・タイマイの3種類のウミガメが生息しています。先日にシュノーケリングを行った用安海岸をはじめ、奄美大島や奄美群島の海岸でシュノーケリングやダイビングに参加すると、野生のウミガメに出会うことができます。
ウミガメが産卵するのは初夏、つまり5月~7月だと言われていますが、これには温度によって産卵の条件が決まるそうです。
- 28℃以下の場合・・・オス
- 28~29℃の場合・・・オスとメス 両方
- 30℃以上の場合・・・メス
もちろん、初夏になると水族館の近くにある大浜海岸では、ウミガメの産卵が見られます。
さらに、ウミガメに餌をあげたりすることができます。
餌やりできる時間は決まっているようですが、たまたま入場した時にウミガメの餌やりを案内してくれたので、早速参加しました。しかも、この回で最終だそうなので、本当に来た甲斐がありましたねw ちなみに1回100円です。
ビクティニ:ウミガメくん、餌だよ~。・・・って他の魚に取られちゃったw
Aquariumエリアでは、奄美に生息する熱帯魚たちを間近で見ることができます。
小型の水槽を覗き込むと、まさしく海の中にいるような臨場感を思わせます。サンゴをくぐりながら泳ぐ小さな熱帯魚たちを見ていると、心が洗われるので不思議なものです・・・。
ところん:ここも熱帯魚がたくさん泳いでいますね
ビクティニ:みんな奄美大島と奄美群島の海に生息する熱帯魚たちだね。みんな1日目のシュノーケリングで見たやつばかりだね。中には千葉で見た種類の熱帯魚もいるし
ビクティニjr:サンドパンくん、小さなお魚がたくさん泳いでいるよ!
サンドパン:みんなカラフルできれいだな~
水族館にもヘビも飼育されていました。
これは『ガラスヒバァ』というヘビですね。前日のナイトツアーで見かけたのですが、まさか水族館でも出会うとは思いませんでした。
奄美の海にはきれいな魚やウミガメだけでなく、ウニ系やミノカサゴといった毒を持つ危険生物まで棲んでいます。
中でも、ガンガゼウニは長いトゲを持ち、そのトゲには強力な毒を含むほどの危険生物です。
しかしながら、そんな危険生物でも小さな生き物たちと共存しながら奄美の海を生きているのです。例えば、ガンガゼの長いトゲの隙間を利用して小さな魚やエビなどが身を寄せ合いながら生活しています。こうして異なる種の生き物が共に暮らすのを『共生』と呼んでいます。ガンガゼにとってはいい迷惑かもしれませんが、生き物たちにとっては、外敵から守るための安全なすみかとして棲み着いているのです。
共生には利害関係によって異なる3つの種類があります。
- 相利共生・・・双方に利益のある共生関係(クマノミ+イソギンチャクの仲間など)
- 片利共生・・・片方にだけ利益のある共生関係(ガンガゼ+ヒバシヨウジなど)
- 寄生・・・共生者だけ利益を得つつ宿主に害を被る共生関係(ガンガゼ+ハシナガウバウオなど)
ビクティニ:この水槽の端っこにいるヤバそうな生き物はガンガゼだ。ガンガゼはトゲに刺されるとすごく痛いんだよね・・・
ところん:でも、小さな魚たちはそのトゲの特性を利用してすみかにすることで、外敵から守っているんですね・・・。これを共生といって他の種の特性を利用して暮らしているんです
ビクティニ:なるほど、なんか考えさせられるな・・・
奄美の海には約5千種の貝類が確認されています。
その中、『スイジガイ』も熱帯に生息する貝の一種です。
スイジガイは、軟体動物門腹足綱前鰓亜綱盤足目ソデボラ超科ソデボラ科(スイショウガイ科)サソリガイ属に分類され、主に奄美大島やその群島、沖縄といった南西諸島に生息しています。食用として使われるほか、『魔除け』としても使われています。貝殻は分厚く非常に硬く、水管は伸びず6本の太いトゲを生やしています。和名にすると『水字貝』と読みます。
他にも、悪魔退散の『クモガイ』やラッパのように音を鳴らす『ホラガイ』もあります。
奄美に暮らす人々は、ただ食べるだけでなく、様々な道具や装飾品、あるいはお守りとして使われているのです。
奄美の海には変わり者な生き物もいます。
これは『トウカムリ(学名:Cassis cornutus)』という紀伊半島以南の暖かい海の砂泥底に生息する巻き貝の一種です。
和名は貝殻の形が唐時代の官史がかぶっている冠に似ていることから、『唐冠(トウカムリ)』と名付けられました。また、学名もCassisは『兜(かぶと)』、cornutusは『角』を意味し(直訳すると『トゲトゲの兜』)同様に冠り物が由来となっています。
奄美の海といえば、サンゴ礁に囲まれた美しい海という印象ですよね。
しかし、そんな奄美のサンゴ礁も、地球温暖化ならびにサンゴを食べるオニヒトデの大量発生によって重大な危機を迎えています。
例えば、海水温度が30℃を超えると、『褐虫藻(カッチュウソウ)』が体から逃げ出し、骨格も透けてやがては真っ白になります。これにより、褐虫藻から栄養をもらえなくなったサンゴはやがて死んでいくのです。奄美群島だけでも、平成10(1998)年に起きた高水温によって大規模な白化現象が発生し、多くのサンゴの死骸が見つかっています。
また、サンゴを餌とするオニヒトデは、体の下にある口から自分の胃を出し、サンゴを溶かして食べます。これにより、食べられたサンゴは白い骨だけを残して死んでしまうのです。奄美群島では1970年代と2000年代にはオニヒトデが大量発生し、多くのサンゴが食べられたという報告があります。奄美群島において守るべきサンゴ群集を保全海域として設定し、オニヒトデの駆除活動ならびにモニタリングなどの保全活動が行われています。
ビクティニjr:サンゴがきれいだね!
サンドパン:そうだな!おれたちも美しい海を守るためにも自然を大切にしないとな
奄美大島の海岸の至るところには、『イノー』といわれる地形が見受けられます。
イノーとは、島を取り囲むように点在するサンゴ礁の『へり』から、海岸までの浅い海のことを指します。奄美のイノーは浅くも狭く、大潮の日には間近で魚を拾うように採ることができるのです。これを『イサリ漁』といい、ナンヨウブダイやサメハダテナガダコ、アカエビ、ワモンダコなどの魚やエビが採れる他、普段は海の底にいるようなサザエやウニ、タコやカニも簡単に採れます。
しかし、潮が満潮の時には、漁に夢中になっているうちに沖へ流される恐れがあります。帰る時間や道を覚えておくのは必須です。
ビクティニ:これは磯辺とかを再現した水槽だね。なるほど、奄美の海にはこういう浅瀬もあるわけか
ところん:子どもたちが磯遊びするのには楽しそうですね
ヤドキング:磯辺の魚はハゼとかがいそうじゃのう・・・
ビクティニjr:熱帯魚がいっぱい!
サンドパン:砂底の水槽で泳ぐ魚たちが気持ちいいだろうな
これは深い砂地を再現した水槽です。
水深約10メートル以上の砂地に生息する魚たちです。水槽を見る限りでは海岸が岩場の環境でしょうか。
ビクティニ:まるで浦島太郎のような海だ
ヤドキング:周りのサンゴを見ると、奄美大島より北の方だと、紀伊半島もしくは伊豆半島でも見るような感じじゃな
タツノオトシゴは海の生き物の仲間ですが、見ての通り魚に見えない体型であることから、昔は虫だったのか、はたまた龍の仲間かという説もあるほど謎の多い生き物です。
しかし、よく見るとエラがあることから『ヨウジウオ科』に分類されます。タツノオトシゴ属は世界に約50種類が確認され、日本では約10種類は生息しています。
奄美で一番見られる種は『クロウミウマ』です。体長は大きく浅い海でよく見られます。ダイビングで見られるのはカクレタツノコやユリタツノコです。
産卵する時は、メスからオスへ卵を受け流します。オスは育児嚢といわれる袋で孵化させ産出まで行います。
奄美の海には珍しい形で産卵する生き物もいます。
毎年4月~8月頃、海底の砂地に直径2メートルほどの不思議なサークルが現れます。このサークルを作った主は、『アマミホシゾラフグ』です。
アマミホシゾラフグは、写真のように円状になるように起伏が並んだ円の中心で卵を産みます。サークルの中心だけ砂の粒子が細かく、周りの起伏の砂は粗いのがお分かりいただけるかと思います。これは、卵が成長するのには、このようなサラサラな砂が一番適しているからだとか。
アマミホシゾラフグが発見されたのが・・・なんと2011年で、割と最近に発見された新種の1つです。発見当時、水中写真家である大方洋二氏がまさに製作中の現場を発見したとのこと。そのサークルを作っていた主がなんと小さなフグで、その大きなサークルをたった1匹のフグで作ったのは驚きです。
そして、そのフグは『アマミホシゾラフグ』と命名し、2015年にアメリカの国際生物種探査研究所(IISE )から『世界の新種トップ10』に選ばれるほど話題になりました。
水族館館内で2匹のウミガメの子供も飼育されています。
先日のシュノーケリングで出会ったアオウミガメこそ奄美を代表する海のいきものですが、ウミガメにもいくつか種類があります。
奄美地方ではよく見かけるアオウミガメの特徴としては・・・
- 甲羅・・・ツルツルしている
- 前ヒレ・・・アカウミガメより大きい
- 頭・・・アカウミガメより小さい
- お腹・・・白っぽい
アカウミガメは・・・
- 甲羅・・・ゴツゴツしている
- 前ヒレ・・・アオウミガメより小さい
- 頭・・・アオウミガメより大きい
- お腹・・・黒っぽい
両者のウミガメは産卵後、天敵の少ない外洋へ向かいます。ウミガメは外洋を漂う海藻などの漂流物につかまりながら身を隠して広い海を旅します。
漂流生活におけるアカウミガメとアオウミガメには違いがあります。
まず、アカウミガメの場合・・・
日本で産まれたアカウミガメは流れる黒潮に乗り太平洋を横断し、メキシコの沖合まで行き成長し、再び日本近海へ戻ってきます。
アオウミガメの場合・・・
アオウミガメは、アカウミガメほど正確なルートは分かっていませんが、近年の研究によるとアオウミガメはアカウミガメほど広く回遊せず、日本近海に留まることが示唆されています。
奄美海洋展示館のバルコニーから大浜海岸と東シナ海が見えます。
ここから見る景色も、南国感があって楽しいです。公園のヤシの木もいい感じです。夏になったら海水浴と同時に水族館も楽しめそうですね。
ビクティニ:ヤドキングじいさん、ここから見る海の景色が素晴らしいよ!この景色を見るとサンアンドムーンを思い出すな・・・
ヤドキング:ここでのんびりしたいが、今夜は鹿児島行きのフェリーで移動するからできない相談じゃな
★マングローブと水族館の様子★
この後、レンタカーは名瀬で返却し、今回の奄美ドライブ旅はこれで終了になります。
レンタカー返却後、すぐに夕食にしました。
クルマを返却した場所は、ホテルビッグマリン奄美だったので、そのホテルが運営している『郷土料理レストランあさばな』で夕食です。一般客はランチバイキング・ディナーバイキングでは利用が可能で、メニューはバイキング形式です。
18時から開店とのことで、ずっと待っていたら18時前にも関わらず準備ができ次第入ってOKだったので、遠慮なくお邪魔させていただきました。
メニューは豊富で、鶏飯をはじめ奄美ならでは郷土料理が提供されていました。でも、バイキングにしてはそっけない気がしますが、まあ美味しくいただきました。店内も熱帯魚は飼われていて昭和レトロな雰囲気だったのもいい思い出です。
ビクティニ:いただきます!・・・3度目の鶏飯もおいしい!
ところん:ハンバーガーおいしい!
ヤドキング:奄美の料理は美味しいのう
ビクティニjr:やきそばおいしい!
サンドパン:サラダおいしい!
一応、参考ですが、奄美に訪れた際の宿泊先ならびに食事のご検討されては?
さて、食事も済んだところで名瀬港へ移動し、そこからフェリーで鹿児島へ移動します。
先ほどレンタカーを返却した場所から徒歩10分ぐらいの所に名瀬港のフェリーターミナルがあります。
ビクティニ:さて、そろそろフェリーターミナルへ行こう。そこで鹿児島行きのフェリーに乗船だ
ところん:とうとう鹿児島へ行くんですね!
名瀬港のフェリーターミナルで鹿児島行きの便を待ちます。
これから、マルエーフェリーが運営する『フェリー波之上』に乗船します。
次の『フェリー波之上』が名瀬港に寄港する時刻は20時30分のようです。そして、21時20分に出航とのこと。
ビクティニ:え~、これから鹿児島行きのフェリーに乗船です
ところん:次は21時20分ですね!ということは、しばらく時間があるので、ここで休みましょう
奄美大島から出ているフェリーは、マルエーフェリー(A LINE)・マリックスライン・叶運輸の3会社で運航されています。
そして、今回はマルエーフェリーの『波之上』で予約済みなので、窓口が開いたら早速申込手続きをすませます。一応、電話予約で2等の和室(雑魚寝するタイプ)で予約してありますが、たまたま2段ベッドの部屋が空いていたので、そちらへ変更しました。しかし、GWの時期にしては空席があるようで・・・。
とりあえず、乗船の際には『乗船申込書』の必要項目に氏名や簡単な住所、生年月日、電話番号などを記入し、窓口に提出します。
・・・しかし、乗船時に申込書を書くってことは、別に予約しなくてもいいような気が・・・。いえ、予約しとけば予定通りになるに越したことはありませんw
そして、これから乗るフェリーの乗船券を確保。
これで鹿児島港へ行くことができます。今回は、2等洋室(二段ベッド)で取ってあります。名瀬港から鹿児島港までの運賃が9,220円+燃料油価格変動調整金1,680円+洋室代2,080円で合計12,980円です。
ビクティニ:長距離フェリーに乗るなんて2019年の北海道旅行以来だ
ところん:なるほど、船旅ですね
ヤドキング:船の旅も楽しいぞ
ビクティニjr:船の中でお泊りするんだね
サンドパン:奄美大島って鹿児島県なのにこんなに離れてるのは不思議だよな
20時30分、鹿児島行きのフェリーが名瀬港にやってきました。
これが今回乗船するフェリー『波之上』鹿児島港行きです。
港に到着したのと同時にクルマや乗客たちが下船していきます。そして下船後、荷物の積み下ろし作業を行うために、フォークリフトがせわしく港内とフェリー内を行ったり来たりしています。港に留置されたコンテナは、奄美大島からの特産品や物資などを本土へ送るためのものと思われます。おそらく奄美大島で採れた青果、海産物、特産品、その他日用品などの物資を本土へ送り届けるのでしょう。
奄美大島から本土である鹿児島へ移動する手段は飛行機とフェリーの2種類がありますが、目的地までのんびりフェリーの船旅を楽しむのもまた乙なものです。真夜中にトカラ列島を越えて、夜が明ける頃には鹿児島湾に入っている頃でしょう・・・。
そして、予定通り21時20分に名瀬港を出港。
フェリーは名瀬港の夜景に見送られつつ、鹿児島港へ向けてゆっくり走り出していきます。鹿児島港に到着するのが、翌朝の8時30分頃になります。
ビクティニ:色々あったけど、いい思い出ができたよ。ウミガメよ・・・さようなら。アマミノクロウサギよ・・・さようなら。マングローブよ・・・さようなら。そして・・・ありがとう奄美大島!きっとまた来るからね・・・・(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
ところん:明日は鹿児島県本土に上陸するんですね。今日はゆっくり休みましょう。
『奄美のマングローブでカヌーツアー&奄美海洋展示館を見学 そして鹿児島へ・・・』おわり
To Be Continued
仙巌園・指宿へ・・・