ビクティニと昔ロマンのブログ

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萩焼を体験しました

皆さん、こんにちは。

SLやまぐち号の撮り鉄をした後は萩市に移動して、山口県の伝統工芸の一つである「萩焼」の体験をしてきました。ちなみに今回体験したのは、「フリーカップ」のコースです。

 

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萩焼で使うろくろ台

萩焼は、「一楽二萩三唐津」と謳われているように、昔から親しまれています。萩市一帯を中心に窯元が置かれている他、山口市や長門市でも一部あります。長門市で焼かれる萩焼は、別名「深川萩(ふかわはぎ)」と呼ばれることも。

萩焼で使用される原料は陶土と釉薬との混ぜ具合によって生じる「貫入」と使い込むことによって生じる「七化け」から成っています。貫入とは器の表面の釉薬がひび割れたような状態になる現象で、七化けとはその貫入によって、長年使い込むと陶器にお茶やお酒が浸透、器表面の色が適当に変化し、枯れた味わいを見せるというものです。また、素地の色を生かした地味な模様が特徴的です。しかし、その陶器らしい地味な模様だからこそ根強い陶器ファンが多く、今でもなおも人気が高いです。
萩焼の歴史は慶長9年(1604年)、広島から萩に移封された萩藩初代藩主毛利輝元の命により、朝鮮人陶工「李勺光(山村家)」「李敬(坂家)」の兄弟が松本村中の倉に開窯したことが始まりといわれています。当初は朝鮮半島の高麗茶碗に似ており、手法も形状も同じものを用いていたようです。坂家の三代までを「古萩」といい、いわゆる萩焼の黎明期でもあったといいます。

 

さて、今回の萩焼体験で使用するものは、こちらの電動ろくろを使用します。

 

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萩焼体験1

萩焼の基本的な準備としては、まず原料の粘土(釉薬を含む)を混ぜ合わせる工程から始まります。

練り込んだ粘土はろくろ台にセットされます。そして、電動ろくろにて形成します。これは作品の形を整えやすくするため、手を濡らして粘土を「円錐状」にしていきます。これを「土ごろし」といいます。さらにその中心に親指を押し当て穴を作り、その穴に沿って土を持ち上げるように親指の平を使って広げていく工程です。湯呑や茶碗などであれば、斜め上に持ち上げていくもので、お皿ならあまり持ち上げないようにするのが基本です。今回の場合は「フリーカップ」なので、湯呑と同じように斜め上に持ち上げます。器の形を整えるため両手の中指の平で、広げた土に沿うように軽く当てます。この時に力をあまり加えないのが基本になります。

 

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萩焼体験2

ある程度形を整えたら、寸法を確認します。これは焼いた後の大きさが成形時の大きさが0.8倍ぐらいの 大きさになるからです。

 

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萩焼体験3

最後に、作品に模様を付けていきます。この工程も先程の工程と同様に両面に中指を軽く当てて形を整えます。

 

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完成作品

さあ、ろくろ台から糸で作品の部分だけ切り抜いて取り出せば完成です。

この後「素焼き」と「本焼き」の工程に移されます。素焼きは約700~750℃の窯で10時間ほど焼きます。素焼きをすれば土の粒子同士が結びつき土が固まって強度が増します。これは素焼きをする際に温度が高すぎると、土に含まれる釉薬が染みにくくなり、壊れやすくなってしまうからなのです。素焼きが終わった後、窯の温度が完全に下がった翌日~翌々日に取り出し、模様をつけるために釉薬を塗っていきます。その釉薬の塗り方によって萩焼らしい表情を見せてくれます。ちなみに釉薬の主な用途としては顔料で使われています。さらに本焼きの工程では約1200℃~1250℃で13時間程焼きます。素焼きの時と同様に、窯の温度が完全に下がった翌日~翌々日に取り出し、初めて『萩焼』という作品が完成するというわけなんです。

 ということで、萩焼をお伝えしました。