皆さんこんにちは。
今回は、大沼国定公園でサイクリングならびに散策、そして今回の旅の目的地である函館を観光してきました。
部屋の窓に見える朝の森林はとても清々しいです。
中には白樺の木も生えていて、まるで高原にきたかのような感覚です。ホテルの玄関には朝市が催されていて、どれもおいしいものばかりが勢ぞろいです。さすが北海道!その中でも『夕張メロン』が販売されていたので興味を引き、夕張メロンをお土産に購入しました。一番安いもの2玉で購入したのですが、なんと6千円もしました・・・。とはいえ、ここまで高いものなら届いた時の夕張メロンはとても美味しいはずなので楽しみにしておきましょう。
ということで、今回は大沼公園を散策した後、函館へ向かうことにします。
とりあえず、ホテルから送迎バスで大沼公園駅まで送ってもらいました。
大沼公園駅はJR函館本線の駅の1つで、観光地の最寄り駅というだけあり特急も停車します。
函館寄りの隣駅には『大沼駅』があり本線と砂原支線の分岐駅ですが、大沼駅には特急は停車しないので、この駅が大沼国定公園の玄関口になります。函館から大沼公園へのアクセスとしては、特急で20分のところにあるので、函館観光がてら大沼公園を散策するもよしです。
ビクティニ:今日は天気が曇りみたい・・・。
ミュウ:昨日は雨が降ったからね・・・。
朝の大沼公園駅のホームには函館本線の普通列車が停車していました。
これは『キハ40系』というディーゼルカーで主に普通列車の運用で使われています。とはいえ、キハ40系もだいぶ活躍しているのでいつ引退するのかわからないので、この写真もいずれは貴重なものになるのかもしれません。
大沼公園駅の近くにある『ポロト館』でレンタサイクルを借りて大沼公園を1周してみましょう。
大沼公園を1周する湖畔一周道路は、約14kmあります。
最初は通りが続いていますが、進んでいくうちに段々林に囲まれていきます。白樺が生えているのを見ると、高原に来たような雰囲気です。この道路の広さに深い林に囲まれた風景をみると、まさに北海道に来たなという感覚になりますね。
大沼湖の湖畔には水芭蕉が所々に生えているのが見られます。
大沼湖畔は水芭蕉の群生地でもあります。水芭蕉は、山地などの湿原に咲く湿生植物で、大沼国定公園に咲く水芭蕉は雪解け時の4月下旬ごろに見頃を迎えます。道南の春を告げる水芭蕉は、黄色い花に白い花びらが可愛らしいですが、訪問時は5月に入っているのか既に見頃を過ぎたようです。水芭蕉の他にも夏にはハマナスの花も見られます。
大沼国定公園はラムサール条約登録湿地に指定されています。
いわば『水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約』のことであり、昭和46(1971)年にイランの『ラムサール』という町で締結されたことから『ラムサール条約』と呼ばれるようになったのです。大沼は自然公園法によって既に保全が図られていることから平成24(2012)年に登録地となりました。
大沼国定公園には大きく分けて『大沼』『小沼』『じゅんさい沼』の三つの湖沼が点在しています。
そのうち『大沼湖』は、寛永17(1640)年の駒ヶ岳の大噴火によって川がせき止められて誕生した湖沼です。同時に約120箇所の小島も点在し、駒ヶ岳を背景とした日本庭園のような景観から、古くから観光地として親しまれています。また、昭和27(1952)年には日本唯一の都道府県鳥獣保護区となり、昭和33(1958)年には北海道初の国定公園として指定され、貴重な自然が良好な状態で保全され、多くの野鳥が生息し、ハクチョウなどの渡り鳥の中継地にもなっていることから、鳥たちの楽園ともいわれています。
サイクリングロードの随所に駐輪場が設けられていますが、景色を楽しんでもらうために自転車を停める事ができるようになっているようです。ここから大沼湖と駒ヶ岳が眺められるのですが、この日の天候はいささか曇り気味のようです。
春の大沼公園では、水芭蕉の他に水仙の開花も見られます。
林の中に随所咲く水仙の花も白い花に黄色い花で春の道南を彩ります。まるで、草花の楽園のような雰囲気です。
大沼の湖上をオオワシが悠々しく飛ぶ姿が見られました。
大沼公園は様々な水鳥や野鳥が見られます。その中でも、オオワシやオジロワシのような大きな鳥が大沼湖を舞い飛ぶ姿は勇ましいものです。
岸辺には、ちょっとした湿原のような景観や小川のせせらぎが見られます。
林に包まれた岸辺から眺める大沼湖を見ていると、自然と心が和みます。まさに非日常的なだけに都会の喧騒を忘れさせてくれます。
大沼国定公園には、大沼湖の周りには彫刻公園やキャンプ場などもあります。
ここは、標高が大して高くないのにも関わらず、あたかも軽井沢の景観に似ています。彫刻公園やキャンプ場もあることを思えば、リゾート地にいるという感覚を覚えます。
途中で、駅のホームらしきものを見つけました。
外された駅名標の立て札を見る限り、どうやらかつては流山温泉駅があった場所のようです。しかも、割りと最近に廃止されているようで、駅のホームという形を残しつつも駅としては使われていません。なお、ここには東北新幹線200系の車両も展示されていたようですが、老朽化からか見る影さえありません。
サイクリングロードをしばらく進んでいくと、小さなカフェを見つけたので立ち寄って休憩しました。
すると、ギャラリーの壁には鬼滅の刃やらとなりのトトロやらのイラストが描かれているではありませんか。他にも、大沼湖や野鳥の写真なども展示されているのですが、いずれも主人が撮ったものだそうです。ちなみに抹茶ラテをいただきました。
引き続き自転車を漕いでいきましょう。
淡々とサイクリングをしていると、何やら一風変わった標識が・・・。どうやら『動物注意』の標識のようですが、動物注意の標識にしてはキツネのイラストが妙に可愛らしいです。ちなみに北海道に生息するキツネにはエキノコックスという寄生虫がひそんでいるので、もし見かけても触ったりすれば大変なことになるので、絶対に触ってはいけません。
大沼国定公園の周辺には大沼駅や大沼公園駅以外にもJR函館本線の駅がいくつか点在しています。
本線では大沼公園駅はもちろん赤井川駅こそ現役の駅ですが、砂原支線の方はいくつか廃駅になっています。ここから5㎞行った場所に銚子口駅があるのですが、既に廃駅となっており、今は信号場へ降格されているようです。この案内を見て駅があると思って知らずに行ってみるとそこは信号場なので、行っても鉄道に乗れません。そもそも、この辺の鉄道駅の利用する人はまずいないでしょうし・・・。
神社を見つけたので参拝してみます。
鳥居の奥にある大きな岩が鎮座され、駒ヶ岳の大噴火によって落下したものと思われます。昔は駒ヶ岳の登山者の安全祈願のために建てられたものだそうですが、大きな岩がこの神社の御神体であることからパワースポットにもなっています。
ビクティニ:ウクライナの戦争が終わりますように・・・
ミュウ:世界が平和でありますように・・・
駒ヶ岳神社のすぐ近くには『大岩園地』というスポットがあります。
見た目は園地というよりちょっとした入り江と言った感じですが、正直どういう場所なのかわかりません。どこが大岩園地なのかこのあたりは大沼湖の北側になります。また、この近くに『霊泉洞』という湧き水があるそうですが、どこにあるのかわかりません・・・。ここではトイレもあるので、サイクリングの休憩場所にはよさそうです。
大沼湖の周辺には、天然の自然がそのまま残る森林地帯が広がっています。
ここもカツラやナラなどの天然広葉樹が生えている他、エゾマツやトドマツなどの人工樹がほどよく調和がとれていることから景観の優れた森林地帯です。雰囲気としては先日訪れた青森の奥入瀬渓流とよく似ています。
大沼湖の景観といえば、背景に駒ヶ岳が見えるものですが、この角度から見ると日暮山などの山々が見えます。
道なりに進んでいくと、JR函館本線の踏切が見えてきました。
踏切越しには、大沼湖とは別に『小沼』という湖沼があります。この踏切から先には、『じゅんさい沼』と昨夜泊まった『函館大沼プリンスホテル』があるはずです。
小沼も大沼国定公園の一部であり、函館本線をはさむように、大沼湖の反対側に広がっています。この湖沼は2番目に広い湖です。
大沼湖を1周した頃、大沼公園に特急列車が到着していました。
これから函館行きの特急北斗号が函館へ向かうところのようです。停車後に乗客を乗せてすぐに発車していきました。
ということで、サイクリングを楽しんだ後は、遊歩道も散策してみましょう。
ここは大沼公園の広場になっていて、記念撮影用のパネルと『大沼国定公園』の看板が掲げられています。
『大沼』は、北海道亀田郡七飯町にある湖です。それら湖沼群で一番大きい湖が『大沼』、あるいは大沼湖をはじめ『小沼』『じゅんさい沼』などの大小の湖沼群や駒ヶ岳も含めた一帯を『大沼』とも呼ばれています。大沼という地名はアイヌ語の『ポロ・ト』に由来しており、『ポロ』は『大いなる』、『ト』は『湖沼』あるいは『水たまり』という意味から来ています。そのため、『大沼』ないし『大湖』ということから『大沼』という名前になったのです。これは、北海道における堰き止め湖としては最大のものです。また、この広場付近をはじめ、百以上の島々が浮かぶ大沼の景観は、駒ヶ岳の噴火という自然現象によって生み出された芸術的な風景です。
ビクティニ:駒ヶ岳は雲の中に隠れたのかな・・・。
ミュウ:このあと晴れるとは思うんだけどね・・・。
にょろもう:大きな池だね!
ゴンベ:大沼団子っていうのが食べたいっぺ!
ビクティニポンチョのピカチュウ:ここはステキなところだね。
大沼を回る遊覧船も出ています。
5月から10月にかけては、遊覧船に乗って大沼湖の湖上を回われます。島巡りながら30分かけて大沼湖を1周します。おおむね40分ごとに運航されています。
公園広場からいくつかの島々をわたって散策できます。
大沼湖の景色を気軽に楽しめる『大島の路』、森の中を散策して森林浴を楽しむ『森の小径』、そしてたくさんの島々を歩く『島巡りの路』があります。いずれのコースも四季を通して大沼国定公園ならではの自然や景観を楽しむことができます。
まずは『大島の路』を散策してみましょう。
こちらは15分で回れるので、気軽に大沼公園の自然を楽しむことができます。また、大沼湖と駒ヶ岳が美しく見れます。春や夏には緑が映える景色、秋には紅葉、冬には雪景色が楽しめます。
大沼国定公園は、『千の風になって』という名曲誕生の地でもあります。
このモニュメントは、『大島の路』を歩いて駒ヶ岳の眺望できる場所にあります。当時、大沼公園に別荘を購入してからGWや夏、秋に家族で大沼に訪れていた新井満は、湖畔の別荘で様々な著書を執筆しています。その中でも『千の風になって』は、大沼は清楚で静かな場所ということもあり、この地を気に入った新井満は、「大沼の森の中を自由自在に吹き渡る風を思い出して」という意図から『千の風になって』を作曲しました。その名曲が誕生した記念に、大沼公園の西大島にてモニュメントが設置されています。
『島巡りの路』も歩いてみます。
この辺りは、小島と小島を橋で結ばれています。そして、大沼に浮かぶ島々に駒ヶ岳の背景が風光明媚です。『島巡りの路』は、結構広いので一周すると50分ほどかかります。島々に生える木の上には野鳥が留まったりすることがあるので、バードウォッチングしながら散策してみるのもいいでしょう。
これまで曇っていた駒ヶ岳に晴天が訪れました。
2019年の大晦日に訪れた時は雪景色でしたが、今回訪問したのが春なので蒼い大沼に駒ヶ岳の景観がいかにも道東の春という感じです。
道南にある駒ヶ岳は、森町・鹿部町・七飯町にまたがる標高1,131メートルの活火山で、渡島半島のシンボル的存在であり、道東を代表する山岳でもあります。かつては富士山のような円錐形の山容をしていましたが、5~3万年前の噴火によって山頂部分が崩れ落ち、幾度の噴火を繰り返し、さらに1640年の大噴火によって剣ヶ峰や砂原岳といった複数の急峻な頂となだらかな裾野を合わせた姿になったと言われています。このため、駒ヶ岳は見る位置によって様々な姿を見せてくれます。四季折々を通して様々な表情を見せてくれるのも道東ならではの風物詩です。
大沼の脇を函館本線の普通列車が通過してゆきます。
大沼公園を行くキハ40の姿がまた雰囲気が出ています。1両編成の列車が雄大な自然の中を走る光景は、まさに北海道らしいですね。大沼公園を行く列車は普通列車や特急列車が通る他に、貨物列車が通過することがあります。
大沼公園のレストランで昼食にしました。
せっかくなので、大沼公園でのランチタイムは洋食ということで、スープカレーをいただきます。しかもランチプレートというのも美味しそうです。
ビクティニ:いただきます!・・・うまい!
ミュウ:美味しい!
にょろもう:湖を見ながら食べるご飯もおいしい。
ゴンベ:うまいっぺ!
ビクティニポンチョのピカチュウ:おいしい!
大沼公園の自然を満喫したところで、駅に戻り列車で函館へ向かいます。
次の列車は14時17分発 特急北斗10号函館行きです。大沼公園駅のホームは上下兼用で1つしかなく、函館方面や札幌方面へ向かう列車はいずれも同じホームから出発します。そのため改札は列車が到着する5分くらい前から行われます。大沼公園から函館までは乗車券640円+特急自由席券630円です。
特急の車窓から見える大沼の車窓もまた旅情を感じさせてくれます。
大沼の湖に向こうに見える山々の景観がとても素晴らしい景色です。函館と札幌を結ぶ特急がこんな景観が見られる車窓が素敵なものです。
大沼公園から特急で約15分ほど、函館駅に到着しました。
函館駅は道南の主要駅で、ここから札幌へ向かう特急をはじめ近距離を走る普通列車や道南いさりび鉄道の列車で賑わいます。かつては青森や東京方面へ向かう特急列車も出ていましたが、今は北海道新幹線が出来たことで廃止になっています。その代わり、近くの新函館北斗駅へは『はこだてライナー』が出ているので、それで新函館北斗駅へ行き、そこから東京方面への新幹線に乗り換えることができます。
ビクティニ:ようやく函館に到着したよ!
ミュウ:函館までは遠かったね・・・
函館駅から路線バスで元町地区にやって来ました。
元町地区は、坂道が多いのが特徴的です。その坂道は20以上あり、地元の人たちから親しまれています。有名な所だと『大三坂』『二十間坂』『八幡坂』『基坂』『日和坂』などが有名です。写真の坂は『護国神社坂』ですが、眼下には函館湾の港町がはっきり見えます。このあたりは函館ロープウェイのりばもあり、函館山山頂から港町を見下ろせます。夜になると夜景も見られます。
函館では他の地域ではなかなか見ることが出来ない光景が広がっています。
函館は神社こそ多いのですが、神社の他にいくつか教会が点在しているのも函館の元町地区の特徴でもあります。やはり同じ日本でも雰囲気はまるで外国にいるかのようです。元町地区は和洋折衷という文化が強いのかもしれません。
写真の教会は函館聖ヨハネ教会です。
こちらの教会は北海道において初めて生まれた聖公会の教会です。明治7(1874)年、函館港が外国へ解放された(つまり鎖国からの解放)直後とともにイギリス人宣教師Wデニング司祭が民家を借り、活動を始めたのが始まりとされています。当時は、日本においてキリスト教は多くの人々に受け入れてもらえず様々な迫害があり、函館大火によって色んな所で受けました。しかし、聖ヨハネ教会は北海道全体に教会をつくる上での拠点となったことから次第に大きくなり、女子の高等教育ならびに療活動をしていた時期もあったといいます。現在の場所に教会が建てられたのは昭和11(1936)年のことであり、当時はノアの箱舟を想わせる木造建築でしたが、今の教会は昭和54(1979)年に建てられ、他の教会とともに地元の人たちに親しまれているといいます。
お隣のカトリック教会の方はまさに本格的な西洋教会なのですが、訪問当時は改修工事中のようで見れませんでした・・・。
元町地区のストリートです。
通りには、洋風な建造物もあれば和風な建造物も見受けられます。また、神社や教会があることからも、どこか異国情緒な雰囲気が漂っています。
ビクティニ:どことなくモダンな雰囲気だ・・・。日本では見られないような洋風な建物もたくさんあるよ。
ミュウ:素敵な雰囲気だよね。
中でも有名なのが『八幡坂』です。
ここは元町地区の中でも最もメジャーな坂スポットです。やはり人気スポットというだけあって、多くの観光客が集まっていました。この坂も市民にとっては生活道路でもあるので、交通量が多いのか交通整理をしている人も見受けられました。私は車が過ぎたらすぐに写真だけ撮り、人混みの中から脱出するようにすぐさまその場を去りました。
元町地区で有名なスポットは言わずもがな『旧函館公会堂』です。
2020年の正月に訪問した当時はまだ改修工事中でしたが、今回の旅行では見事に美しく復元されています。
旧函館公会堂は、函館山の山麓にある元町公園に位置し、明治43(1910)年に建てられました。こちらも函館における洋風建築物の代表格であり、昭和49(1974)年に国の重要文化財に指定されています。これまで2度にわたる大規模修理を経て明治時代の青灰色と黄色に彩られた外観や豪華絢爛な内装とともに往年当時の姿に復元されています。
こちらの建築物ができる前は『町会所』でしたが、明治40(1907)年の大火に見舞われます。そこで、新たな集会所を再建すべく協議会が発足。初代・相馬哲平が五万円を寄付、のちに技手・小西朝次郎が調査を行い、公会堂の建設が始まりました。その建設過程の中で東京にて家具の視察を行い、明治43年に完成しました。
完成翌年には皇太子殿下こと大正天皇が行啓、大正11(1922)年には摂政宮殿下こと昭和天皇が行啓になられました。昭和2(1927)年は芥川龍之介および里見弴(とん)による講演も行われました。
戦後になると昭和32(1957)年には公会堂としての利用を再開され、多くの人たちに演奏会や講演などで利用されました。さらに昭和47(1971)年には北海道有形文化財、昭和49年には国の重要文化財に指定されました。1980年代初期には大規模な修理工事に着手、昭和58(1983)年には一般的な公開が始まりました。平成に入って間もない平成元(1989)年には天皇陛下による行幸啓になられました。そして、平成末期に大規模なリニューアル工事が行われ、現在はより美しい姿にて復元されています。
ビクティニ:とてもおしゃれな建物だ!こういう建物はものすごく憧れなんだ
ミュウ:すごく綺麗になったね。あとは演奏会か何かが催されているといいんだけど
では、公会堂に入ってみましょう。
公会堂の中は、まさしく黎明期のごとく豪華絢爛な内装です。
特に天井のシャンデリアやカーテン、家具などの調度品がいかにもアンティークさを引き立てています。
1階では、球戯室や大食堂の大広間をはじめ寝室や衣裳館、寝室や準備室などで構成され、縁側はバルコニーになっています。また、別館も併設されています。球戯室では、ビリヤードなどの娯楽を楽しむための大広間として使われたものと思われます。隣の大食堂は、文字通り食事をするための大広間です。他にも、何かのイベントや演奏会などの準備を行うための準備室があります。あとは自由にドレスの衣裳が着られるコーナーがあるのですが、いずれも女性用なので私にはあまり関係ありません。
本館は木造建築の2階建ての桟瓦葺きで、渡り廊下を経ての別館も同じく木造建築の桟瓦葺きですが、平屋建てです。
公会堂に展示されてある家具もアンティークな調度品です。
木製の家具やカーテン、ドアノブなどの金具は、日本製とは思えないものが多く、いずれも外国からの輸入品と思われます。中でも鏡の付いている化粧台(?)は何とも言えない高級感を感じさせられます。
旧公会堂の外観は、時代の変化によって何度も変わっていきました。
中でも外観の塗装色は、塗料の痕跡から当初の色彩、その後の塗り替えの変遷も興味深いものです。
完成当初こそ洋風建築の粋を取り入れていますが、屋根は石川県産の瓦が用いられるなど、和風の要素も詰まっています。外壁の塗装は青灰色と黄色で纏った塗装で、いかにも明治期の洋風建築らしい仕様ですね。
大正期の外壁は、黄土色に塗り替えられ、建築当初より地味な色になりました。また、当初から付けられていた屋根飾りも撤去され、戦後には車寄せも撤去されました。塗装だけでなく外観がここまで大きく変わったのは、おそらく戦時中の情勢にあったものと考えられます。
戦後になると、公会堂として利用が開始された後、車寄せの復旧および屋根飾りの復元もされ、昭和34(1959)年にはピンク色と白色に塗り替えられました。文化財に指定される前でも、多くの人たちから愛されてきたということが十分に伺えます。
1980年代の修理の際、明治44(1911)年当時の姿に復元されました。この時、地元の人たちからはピンク色と白色が親しかったということから議論を呼んだといいます。そして、平成末期にも大規模なリニューアル工事が行われ、耐震工事もなされ、黎明期の旧公会堂の姿として復元されました。今や函館の代表的な観光地として地元の人々のみならず世界的に親しまれるようになったのです。
続いて2階にも行ってみましょう。
2階は1階とは違い、大広間はある他、御座所や御寝室、御召替室、御食堂、御後架、御湯殿など、まさしく皇太子や天皇陛下の行啓のために用意された、さらに高級感のある内装になっています。ここはかつて皇太子や天皇陛下による行啓の際に立ち寄られた貴賓室であったことが分かります。特に調度品である『ロココ風の椅子』は、皇太子行啓時の際の新聞記事に、貴賓室に置かれたロココ式の椅子の写真に載っていたことから、皇太子や天皇陛下のために用意されたものと考えられます。また、椅子だけでなく、カーテンやシャンデリアなどもさらに高級感を感じさせられます。
旧公会堂のの最大な特徴といえば、2階の大広間です。
大広間の奥には演壇が設けられ、演奏会や講演などで古くから使われてきました。演壇に鎮座されているピアノもまた素敵です。ここで演奏会とかがあったらまた最高です。今では様々なイベントでも使われ、時々演奏会のイベントでも使われています。実は11年前の旅行で夜の演奏会を見た記憶があるのですが、残念ながら最近では例の病気の件もあるのか演奏系のイベントは未だに行われていないようです・・・。もう一目ここで催される演奏が見たかったですね・・・。
大広間の海側には『バルコニー』が設けられています。
バルコニーからは、元町公園や函館の港町が眺望できる仕様になっています。そういえば、11年前の旅行で夜の演奏会に参加した時にここから函館の夜景を見たのが今となっては懐かしい思い出です・・・。
ビクティニ:ここから海の景色が見れるよ!
ミュウ:函館湾だね。高台にあるから眺めが最高!
元町公園から旧公会堂を見てみましょう。
公園側から見てみると、旧公会堂が正面からはっきり見えます。改めて見るととても洒落たデザインです。青灰色の壁に黄色の枠色を纏った塗装が、いかにも黎明期の旧公会堂を想わせます。また、屋根の飾りも見事に復元されており、屋根も瓦が用いられる和洋折衷な雰囲気を漂わせます。日本の文化と外国の文化が合わさったようで、まさに函館らしい景観ですね。
公園内にある観光案内所もレトロな歴史的洋風建造物です。
この建物はかつて北海道庁の建物であった歴史のある建造物です。これは明治42(1909)年に建てられたもので、元町公園の造成とともに昭和57(1982)年に復元整備されました。正面の玄関が柱廊玄関であり、2階に張り出した屋根が、『柱頭飾り(コリント式)』および中央部に膨らみのある(エンタシス風)巨大な四本の柱で支えられています。
明治末期の函館を想わせるこちらの洋風建築物は、北海道開拓において歴史的価値があることから、昭和60(1985)年に北海道有形文化財に指定されています。
さて、元町エリアを散策したところで、今宵の宿へ向かうべく路面電車で『湯の川温泉』へ行きます。
函館の路面電車は、ほとんど昔ながらのいわゆる単車がほとんど主力ですが、時間帯によっては連接車に出くわすことがあります。写真の函館市電は、まさしく典型的な路面電車ですね。昔は東京でも路面電車がたくさん走っていましたね・・・。
今宵の宿は、湯の川温泉『湯の浜ホテル』です。
函館市電で函館市街から約20分ほどで『湯の川温泉』電停で下車、徒歩10分ほどの場所にあります。このあたりは海岸線にあるため潮の匂いがします。
函館の奥屋敷ともいえる『湯の川温泉』は、北海道における三大温泉郷の1つに数えられ、古くから名湯として人々に親しまれています。承応2(1653)年のこと、松前藩主9代こと高広(幼名:千勝丸)が難病にかかり、来る日も来る日も病は次第に悪化する中、母の清涼 院は「松前城の東にある温泉に行けばどんな病気も治る」という夢を見ます。その温泉に千勝丸を湯治させるとまもなく全快し、藩はお礼として薬師堂の再建とともに鰐口の奉納したのがこの温泉の始まりといわれているそうです。
ビクティニ:初めて来るところだから道に迷っちゃったけど、ようやく到着したよ・・・。早くお風呂に入りたい。
ミュウ:海の匂いがするよ。
湯の川温泉のお風呂は、海の景色が見えるので、潮風を感じながら入る温泉はとても心地よいものです。天気が良い日には青森県の下北半島が見えるくらいです。
湯の川温泉の旅館の夕食も北海道名物の料理がいっぱいです!お刺身からラーメン、じゃがいものグラタン、唐揚げが美味しかったです。
ビクティニ:海の見える温泉も最高だし、夕食も北海道名物ばかりで美味しい!
ミュウ:美味しい!
ゴンベ:うまいっぺー!
にょろもう:お風呂がさいこうだった~!ごはんもおいしい!
ビクティニポンチョのピカチュウ:おいしい!
GW青森・函館旅4日目 終わり
5日目へ・・・