みなさん、こんにちは。
今回は、北見を出発し丸瀬布にある“雨宮21号”という蒸気機関車を見て乗ったりします。そして、美幌峠や屈斜路湖をドライブします。
★北見市から丸瀬布森林公園いこいの森までのルート★
まずは、北見駅のホテルを8時半頃に出発し、レンタカーを借ります。
そして、北見市街から丸瀬布森林公園いこいの森まで車を走らせます。
所要時間は、概ね1時間20分になります。
丸瀬布森林公園いこいの森までやってきました。
入り口に本格的な踏切が設けられているのが目立ちます。
ここは、かつて森林鉄道で活躍した機関車が園内を走っている他、キャンプ場やゴーカート場なども整備されています。また、園内には川が流れているので、釣りスポットにもなっています。
ビクティニ:丸瀬布にやってきたよ。お!機関車が来た。
(汽笛)ポーーーーーッ!!
ビクティニポンチョのピカチュウ:汽笛も大きくて迫力あるね!
ここが雨宮号のりばです。
雨宮号に乗るには、近くにある切符売り場にて切符を買います。
雨宮号は1回800円で乗車できます。また、汽車はおおむね30分間隔で運行されているようです。
ビクティニ:早速乗ってみようよ。
ビクティニポンチョのピカチュウ:まるで遊園地の汽車みたい。
ホームに汽車が入ってきました!
そう、これが丸瀬布の機関車“雨宮21号”です。
雨宮21号は、かつてムリイ・上丸瀬布森林鉄道にて木材の運搬で活躍していた蒸気機関車です。当時、ここ丸瀬布には森林鉄道があり、山奥で切り出された木材を国鉄丸瀬布駅まで運搬するために敷かれました。全盛期には森林鉄道の線路総延長が約84㎞にも及び、12両の蒸気機関車ならびに17両のディーゼル機関車が活躍していました。最後まで残っていた“雨宮21号”もその森林鉄道に在籍していたのです。
“雨宮21号”は、東京の雨宮製作所にて昭和3(1928)年に製造された国産初の11トン機関車です。
当時、丸瀬布~ムリイ森林鉄道で活躍し、本来の木材輸送の他に住民たちの足としても担ってきました。その森林鉄道は、林業で栄えてきた丸瀬布では『かんこの汽車(官行の汽車)』という愛称で親しまれ、この地域ではなくてはならない存在となっていたのです。しかしながら、昭和30年代にはトラック輸送へと切り替わり、森林鉄道そのものは廃止され、もちろん“雨宮21号”も廃車になります。ところが、住民たちの熱心な保存運動から、旧丸瀬布町に譲渡され、その後は復元ならびに整備を行うとともに、『丸瀬布森林公園いこいの森』を整備されました。かくして、森林鉄道蒸気機関車の動態保存が実現したのです。
かつて林業で栄えていた丸瀬布における木材輸送を担ってきた“雨宮21号”は、森林鉄道の遺産として歴史的に価値のあるもの、なおかつ産業遺産の1つとして大変貴重なものであることから、平成16(2004)年には北海道遺産に認定されています。他にも、近代化産業遺産(経済産業省)、準鉄道記念物(JR北海道)、林業遺産(日本森林学会)に認定されています。
現在は、公園内に敷かれた約2㎞の線路を走行し、国内における森林鉄道で唯一動く蒸気機関車として今でも丸瀬布を駆け抜けています。
ビクティニ:昔は森林鉄道で活躍した機関車なだけあって、小さくても力強く感じる・・・。
ビクティニポンチョのピカチュウ:この機関車は、1世紀前に造られたんだって。
ぐんまちゃん:碓氷峠鉄道文化むらの『アプトくん』に似てるね。
アルクマ:こんなに古そうな蒸気機関車が動いているのはすごいクマ!・・・思い出した、木曽にもこのような森林鉄道は今でもあるクマ!
雨宮21号に牽かれる木製の客車もまた貫禄があります。
雨宮号に牽かれる2両の客車は、木造客車が動態保存として動いている、数少ない車両です。
その2両の客車は“ホハ19”と“ホハ13”といい、いずれも大正14(1925)年に日本車輌製造にて製造されました。岡山県にある井笠鉄道で活躍し、昭和44(1969)年に廃車にされたものの、昭和48(1973)年~昭和59(1984)年にかけて西武鉄道山口線にて活躍しました。その後、平成5(1993)年には西武鉄道との協力より旧丸瀬布町に譲渡され、今や雨宮21号とともに丸瀬布の保存汽車として現在に至っています。これらの客車は、オープンデッキや木製の車体、白熱屋内灯、木製の座席などが特徴的な明治調の木造客車で、今ではほとんど見られない貴重なものです。
ビクティニ:この客車もこれまた古い。まるで銀河鉄道の夜に出てくる汽車のような雰囲気だ。
ビクティニポンチョのピカチュウ:今ではこのような木の客車なんてあまり見ないよね。
ぐんまちゃん:そうだね、というか客車内も碓氷峠鉄道文化むらの『アプトくん』に似てる。でも、ここでは線路が8の字状になっているんだよね。
アルクマ:車内も本格的な客車だクマ!
★雨宮21号の走行シーン&美幌峠★
間近で機関車を見てみましょう。
近くで見ると、所々に鋲(リベット)が縁取りに打ち込まれており、昭和初期に造られた機関車というだけあって、まさしく時代を感じさせる造りになっています。しかし、機体が小さいとはいえ80㎞近くも走っていたということを考えると、かなりタフな機関車だったかと思います。また、廃車後も様々な事情に左右されることもなく、今でも元気に走っているのは、まさに奇跡の機関車ともいえるでしょう・・・。
ビクティニ:古さは大正生まれの9600形や8620形に及ばないとはいえ、残っているだけでも奇跡だよね。
ビクティニポンチョのピカチュウ:汽笛も大きかったし、音程も甲高かった・・・。
雨宮21号はタンク機関車です。
動輪が3つある“Cサイドボトムタンク式”、それも軽便鉄道規格の762ミリの軌間幅でありながら、国鉄の蒸気機関車と同じく『ワルシャート式弁装置』が備わっています。それに、当時の雨宮製作所は新技術の導入に対して積極的だったようで、製作された雨宮21号もタンク機関車の割りにはボイラー径は大きく、水タンク容量も大きいものと、航続力の長い設計かつ堅牢でコンパクトのある完成度の高いものだったようです。確かにこのようなタンク機でも北海道のような広大な森林鉄道に対応できたのもうなづけます。
かつて丸瀬布に敷かれていた森林鉄道の歴史です。
丸瀬布の森林鉄道は、当時2つの幹線を用いて各々の先端に支線も設けられていました。特に、南側へ敷かれたムリイ幹線には、根っこのように支線や簡易軌道が敷かれていて、かなり山奥まで敷かれていたようです。一部、スイッチバックも設置されていたことを考えれば、高低差も相当なものだったことでしょう。何より総延長84㎞もあったことを考えると驚きです。
こうして複雑な路線を用いて林業を営んでいたんですね。
当時この森林鉄道で活躍した雨宮21号も、もともと工場で組み立ててから丸瀬布へ送るのでなく、各々の部品を丸瀬布に送った上で現地で組み立てていたようで、当初は『19号』と名乗っていたようです。
1960年代に入ると、自動車の普及といったモータリゼーションの流れとともに昭和38(1963)年に森林鉄道は廃止されたものの、雨宮21号だけは保存されることとなります。その後は色々ありましたが、『いこいの森』の整備とともに雨宮21号は、昭和57(1982)年に動態復元され、現在でも丸瀬布に汽笛を響かせています。
さて、今度は外から雨宮21号が走っている所を撮影してみましょう。
川にかかる鉄橋を渡ったり、ループを回って踏切を通過する姿、そして桜をバックに駆け抜ける雨宮21号は、どれも絵になりますね。
それに森林鉄道とはいえ、蒸気機関車らしい力強い走りっぷり・・・。まるで大井川鉄道やSLやまぐち号にも劣らぬ元気な走行ぶりを見せてくれます。それも、松山の『坊ちゃん列車』や小湊鐵道の『里山トロッコ』のような見かけばかりの重油動力式でなく、木や石炭、水を燃料とした正真正銘の『蒸気機関車』です。北海道で実際に蒸気機関車が動いているのが見られるのは、冬だけ釧網本線で運行される『冬の湿原号』をはじめ、三笠鉄道記念館のSL、小樽のアイアン・ホース号、そしてここ丸瀬布の雨宮21号だけです。昔の北海道ではたくさん蒸気機関車が当たり前のように走っていたことを考えると、令和で北海道において蒸気機関車が走る姿は貴重なものです。
その1つとなった“雨宮21号”は、まさに今日も多くの人々の夢を乗せて走っていることでしょう・・・。
せめて、廃止になった横軽も、交通機関でないにしても再び観光鉄道として復活することはできないものだろうか・・・。
雨宮21号の車庫です。
屋根のドーマー窓と洋風の建物がおしゃれですね。
さて、ここで軽くランチタイムをしながら雨宮21号を見送りましょう。
ピクニック気分といわんばかりに、おむすびを食べながら汽車が走る姿を眺めるのもまた楽しいものです。
ビクティニ:横から見ると小さな汽車って感じ。
ビクティニポンチョのピカチュウ:軽便鉄道の汽車だね。
ぐんまちゃん:よく見ると『アプトくん』より一回り小さいね。
アルクマ:木曽の森林鉄道の機関車にも似てるクマ。
公園の片隅には、旧型客車の“スハ43-703”が展示されています。
車内にも入れます。中はテーブルが設けられているので、休憩所になっているようです。この客車はかつて旧国鉄のもので、石北本線や釧網本線などの道東地区の客車列車として運行されていたようです。車内にいると、どこか昔懐かしい不思議な気分になります・・・。というか、うちの鉄道模型でも、これと同じ客車を蒸気機関車につなげて走らせていたっけ・・・。
★丸瀬布から美幌峠までのルート★
さて、昼過ぎになったところで、美幌峠へ向かいます。
丸瀬布から美幌峠までは、片道で概ね120㎞です。景色こそ素晴らしいものの、やはり北海道というだけあって距離も100㎞以上もあり、長いドライブ旅となりました。
もちろん、所要時間も2時間と長いので、途中で休憩しながら進んでいきます。
さて、丸瀬布から車を走らせて約1時間半過ぎ・・・視界が開けて美幌峠にやってきました。
美幌峠は、弟子屈町と美幌町の境界線に位置しています。
美幌峠は、道東を代表する景勝地です。
阿寒摩周国立公園の東側には摩周湖があり、西側にはここ屈斜路湖があります。いずれもカルデラ湖で、大昔の噴火によって出来た太古の湖です。
中でも美幌峠は真下に広がる屈斜路湖が眺望できる人気観光スポットです。この日は、午後とはいえ、多くの家族連れや旅行者などで多く訪れていました。特に道の駅の店やレストランはどうやらリニューアルしたようで、売店では、多くの見物客でごった返しのように混んでいました。
ビクティニ:2年ぶりに美幌峠にやってきた!でも、前に来たときとだいぶ変わっている・・・。前に来た時は地味ぽかったけど、なんかいつの間にかとてもおしゃれな感じになっていた。
ビクティニポンチョのピカチュウ:しかも売店はとても混んでる・・・。
美幌峠から見た屈斜路湖の眺望です。
峠の東側に広がる180度の大パノラマは圧巻です!
展望台から湖を眺めていると、湖上に浮かぶ大きな島と右側の小さな半島が、いかにも屈斜路湖のチャームポイントを物語っています。
美幌峠は標高525メートルあり、その眼下に広がる屈斜路湖は、日本最大級のカルデラ湖です。摩周湖に劣らぬ神秘的な景観で、まさに『天下の絶景』そのもの!
ビクティニ:空が曇っているのが、いかにも『霧の湖』って感じで神秘的!まるでラピュタみたい!
ビクティニポンチョのピカチュウ:ビクティニくんと美幌峠の景色が見られるのもこれで2回目だね。屈斜路湖って空から見ても大きいんだね。
ぐんまちゃん:うわあ!すごく大きな湖!群馬県にこんな大きな湖はないよ!一番大きい榛名湖とは全然スケールが違うもん!
アルクマ:上から見ると目玉焼きみたいだクマ!湖の真ん中に島が浮かんでいるのが不思議だクマ!
道の駅で事前に注文したおやつを食べながら、屈斜路湖を眺めてみましょう。
このおやつは、美幌産のじゃがいもをパン生地に包んで揚げたものだそうですが、とても美味しかったです!
ビクティニ:このおやつ、今までにない位に美味しい!なんかじゃがいものアメリカンドッグを食べてるみたいだ。
ビクティニポンチョのピカチュウ:これ、ほんとに美味しいよね!
ぐんまちゃん:昔、秩父に行った時に食べたみそポテトぐらいにおいしい!
アルクマ:これはおいしいクマ!
さて、ぼちぼち今宵のホテルへチェックインしましょう。
今回の旅で最後の宿泊場所は屈斜路プリンスホテルになります。
屈斜路湖のプリンスホテルに泊まるのが今回で3回目になりますが、立地的に道東ならではの自然を肌で感じ取れるので、昔から大変気に入っていたりします。
ホテルの玄関にあるクッシーのモニュメントが展示されています。それは、今から50年前、つまり1973年にここ屈斜路湖に大きな獣らしきものを目撃したことをきっかけに、人々は“クッシー”と名付けられたそうです。
ちなみに、ホテルの玄関からは直接湖の岸辺に出られるようなので、部屋に荷物を置いてから出てみたいと思います。
ということで、屈斜路ホテルにチェックインしましょう。
今回はホテルの方から、特別にお部屋のグレードアップもしてくれました。
屈斜路プリンスホテルは文字通り屈斜路湖のすぐそばにあるリゾートホテルで、道東の大自然をゆっくり愉しむのにはおすすめなホテルです。
もちろん、お部屋からは雄大な屈斜路湖が見れるのですが、何より泊まるお部屋がいつもより広いのです!しかもジャグジーバス付き。まさかこんなにいい部屋に泊まれるとは思いませんでしたね。
ビクティニ:おお!今日のホテルはすごくいい部屋みたいだ!道東に行った甲斐があったよ。
ビクティニポンチョのピカチュウ:これはいい思い出になるかもね。
ぐんまちゃん:広いお部屋だ!昔、旅館の部屋から榛名湖を見たのを思い出したよ・・・。
アルクマ:ボクも温泉旅館の部屋から諏訪湖と花火を見たのを思い出したクマ!
ホテルの庭に出てみると、目の前には屈斜路湖が広がります!
おしゃれな庭から大自然の湖が見れるのは、まさしく至高のひとときです。
ビクティニ:庭に出ると大きな湖が目の前に!この景色を見ていると、去年の十和田湖を思い出すね。
ビクティニポンチョのピカチュウ:十和田湖もカルデラ湖だったよね。確かにどちらも北だから景色としては似てるかもね。
アルクマ:素敵なお庭だクマ!
ぐんまちゃん:榛名湖と違って全然建物がないね。やっぱり大自然の中にあるからなんだろうね。
ホテルの庭園からすぐ目の前に砂浜があります。
そう、ここが屈斜路湖の湖岸です。
屈斜路湖は先程も話したように国内最大級のカルデラ湖で、面積は79.5k㎡、周囲長57㎞、水面標高121メートル、そして最大水深は117メートルあります。
アイヌ語で“クッチャラ(『沼の水が流れる口』)”が由来となっており、昨日にカヌーをした釧路川の源流こそ、この湖なのです。
藻琴山やサマッカリヌプリなどの外輪山に囲まれ、東西約26km、南北約20kmを有する屈斜路カルデラの内側に約3万年前に形成された地形です。日本で6番目の大きさを誇り、平均水深は28.4メートルと浅めであるものの、和琴半島の東側は特に深いそうです。
なお、初期の屈斜路湖の面積は、今の大きさの倍ほどで、ほぼ円型だったそうです。今から160~100万年前、カルデラ火山を形成し、さらに約40~4万年前にはカルデラ湖形成する活動とともに十回ものの火砕流噴火が繰り返されました。中島やアトサヌプリ、摩周火山を生じる活動によって溶岩円頂群が噴出し、カルデラ湖の南東部が失われ、そら豆のような形が現在の屈斜路湖となり現在に至っています。
アトサヌプリや川湯温泉から強酸性(pH2前後)の温泉水を運ぶ湯川が北東部に流入し、この湖でも全体的にpH5前後の酸性湖となっています。そのため、この湖に生息する魚類は少なく、東岸では砂を掘ると温泉が出る『砂湯』という足湯スポットがあるのです。他にも、冬になるとオオハクチョウが越冬のためにこの湖に集まるのだそう。
この湖にはヒメマスをはじめ、ウキゴリやトミヨ、ウグイなどの川魚が生息しています。
ビクティニ:この湖では砂浜があるんだね。この湖を見ていると、昔に福島旅行に行った猪苗代湖を思い出すな・・・。
ビクティニポンチョのピカチュウ:釧路湿原とはまた違った風景で、見るだけでも清々しいね。
ぐんまちゃん:なんか海みたい!
アルクマ:大自然の中にある湖が長野の青木湖に似てるクマ~!
屈斜路プリンスホテルの夕食です。
先日に泊まった新富良野プリンスホテルと同じくバイキングですが、ここでは道東ならではのグルメが味わえます。北海道でおなじみのラーメンやチーズで溶かした系のものはもちろん、他に中華料理も提供されていました。
4人:いただきます!
ビクティニ:おいしい!・・・これまたすごいごちそうで、デザート食べる前にもうお腹いっぱいだよ・・・。
ビクティニポンチョのピカチュウ:ぼくはデザートいけるかも。おいしい!
ぐんまちゃん:ごちそうは美味しいけど、もう満腹だ・・・。
アルクマ:ボクはまだまだいけるクマ!美味しいクマ!
今回の旅行最後は、屈斜路湖のリゾートホテルで一晩過ごします。
周りは大自然なので、大変心地よく就寝できました。寝ている途中、外からシカの鳴き声らしき物音が聴こえてきたような気がします。
ビクティニ:明日は芝桜を見に行くんだよね。北海道旅行も長いようで短かった・・・。
ビクティニポンチョのピカチュウ:明日で北海道旅行最後の日だね。
ぐんまちゃん:今日のった汽車はなかなか楽しかったよ。
アルクマ:明日の芝桜はきっときれいだクマ。
4人:おやすみなさい。
『丸瀬布の歴史的機関車“雨宮21号”を見る&美幌峠・屈斜路湖ドライブ旅』をお伝えしました。