皆さん、こんにちは。
今回は、2023年4月に訪れた真岡鐵道で桜や菜の花の時期にSLもおか号に乗車および見物してきました。
真岡鐵道は茨城県筑西市にある下館駅を起点に、栃木県茂木町にある茂木駅を41.9㎞で結ぶローカル線です。
土日祝を中心に蒸気機関車が運行され、SLが走るときに発する「コットンコットン」という走行音、あるいはこの鉄道が通る真岡市は江戸時代から木綿の生産で盛んであることから、別名“コットンウェイ”という愛称がつけられています。
かつては旧国鉄真岡線でしたが、国鉄民営化ならびにJR化から間もない昭和63(1988)年に第三セクター鉄道の“真岡鐵道”としてスタートしています。
今回は行きのSLは撮影ポイントにて見送り、かえりのSLでは乗車します。ということで、真岡鐵道の撮影スポットへ参りましょう。
ということで、真岡鐵道の撮影スポットの1つである久下田駅で下車。
ここは栃木県真岡市(かつては二宮町だった)にあります。
始発駅から4駅目のところにある、下館駅から比較的近い場所です。春になると桜の満開をむかえ、駅構内に植えられたチューリップやビオラ、シバザクラなどが花を咲かせます。
ビクティニ:ちょうどいい咲き具合だ。ここからならSLが撮れるぞ。
ぐんまちゃん:まさに春日和だね。
ここでしばらく待っていると・・・
ボオーーーッ!!
遠くから汽笛が聴こえてきます。そして、ホームに機関車が滑り込むように入ってきました。
そう、これが真岡鐵道のSL列車“SLもおか号”です。
SLもおか号は、下館駅~茂木駅を結ぶ真岡鐵道の観光列車です。春のSLには桜やチューリップとよく似合います。
ビクティニ:機関車だ!まさに春の真岡って感じだ。
ぐんまちゃん:SLと桜の景観ってよく似合うよね。
久下田駅は無人駅ですが、その割りには立派な駅舎で、多目的ホールも設置されています。
駅構内に植えられたチューリップやシバザクラも地元の方々の手によって育てられているようです。
ビクティニ:無人駅にしては花壇がきれいに整備されている。チューリップやシバザクラがきれい。
ぐんまちゃん:花の駅もまた素敵だね。
さて、今度はいちご狩りをするため、北山駅まで移動します。
ここはイチゴ狩りができる農園へは徒歩5分でアクセスできることから“いちご駅”として親しまれています。
ビクティニ:次はここでイチゴ狩りをしよう
ぐんまちゃん:ここでイチゴ狩りができる場所があるの?
北山駅から徒歩5分ほどの所に“吉村農園”および“JAはが野益子観光いちご団地”があり、そこでイチゴ狩りが楽しめます。
また、イチゴ狩り以外にもいちごのパックも販売されています。
しかし、吉村農園ではすでにいちご狩りが終わっているようで、いちご狩りはJAはがで行われているようです。
ビクティニ:ここではいちご狩りができるんだ
ぐんまちゃん:ここのいちごは美味しいんだよね
ということで、JAはが野益子観光いちご団地にていちご狩りを参加します。
4月1日なので、1時間食べ放題で1,500円になります。また、個人であれば予約しなくてもいちご狩りができるので、気軽に参加できます。
ここのいちご農園はとても広く少なくとも10箇所のビニールハウスがあった気がします。そして1箇所のビニールハウスに入ると熟したいちごが無数に実っています。さすが日本一いちごの生産量の多いだけのことはあります(笑)
ビクティニ:いただきます!!・・・これはとちおとめだ、おいしい!
ぐんまちゃん:おいしい!伊香保のグリーン牧場で食べた時以来かも。
今度はSLに乗るため茂木駅にやってきました。
すると、先程の機関車が休んでいるのが見えます。よく見ると来た時と違って機関車の向きが既に変わっています。
この駅には『転車台』があり、それで機関車の進行方向を下館方面へ変えるために設置されています。ちなみに以前にも茂木駅に訪れたことがあり、当時は転車台が動く時に“乙女の祈り”のメロディが流れていた記憶があるのですが、最近ではメロディが流れず淡々と転車台が動いているだけのようでちょっとさみしいです。
終着駅の茂木駅は1面1線の簡素な構造ですが、他にも側線が設けられ、そこに機関車や客車を留置させています。
茂木駅は、真岡鐵道の終着駅です。
茂木駅周辺にはツインリンクもてぎをはじめ道の駅もてぎなどの観光名所があります。
茂木駅でこそ鐵道は終わっていますが、実はこの先にも鉄道を通す計画があったそうです。
というのも、この先は“長倉線”という路線が計画されていました。昭和12(1937)年には着工され始めたものの、『南第一工区』といわれる旧中川村(河井地区)までの約6㎞が竣工されていたそうです。ところが、太平洋戦争の勃発から工事が中断されて、長倉線という路線は実現することなく、戦後になっても工事は行われず、結局未完成のままで終わってしまったといいます。路床やアーチ橋、トンネルはできていても、列車はおろか線路すら敷かれることなく未成線のままで終わってしまったということです。
そして、下館駅から続いている真岡鐵道はここ茂木駅で終わっていますが、終着駅ということもあって土日祝日は機関車が転車台で方向を変えるのが見られます。
ビクティニ:茂木駅か・・・。久しぶりに来たけど長閑で懐かしい。
ぐんまちゃん:ぼくは初めてきたけど、本当に群馬に似て長閑だね。
茂木駅前の公園には見事な枝垂れ桜が咲き乱れています。
ここは六斎公園という場所で、茂木の町屋敷には、昔から六斎市で賑わっていたそうです。
SLの時間まで道の駅まで散歩してみます。
川沿いには多くの枝垂れ桜が見事に咲き誇っています。
ここは茂木町の春の風物詩の1つで、夜にはライトアップされるそうです。
ビクティニ:見事な桜!川と桜の風景が最高!
ぐんまちゃん:枝垂れ桜が素晴らしい!
いよいよSLもおか号に乗車します。
真岡鐵道のSL列車は3両の客車で運行されています。
乗車する時は乗車券(普通の切符)とSL整理券が必要となります。特に指定はなく、すべて自由席なので席はどこでもOK!・・・しかし、以前は当日でも整理券さえ購入すれば乗れたのですが、例の病気の影響で乗車方法が変わってしまったのです。というのも、乗車日までに予約しないと乗れないことがあるのだそうです。当日にSL整理券を購入しようとした時に満席で乗れない場合があるので、どうしても乗りたい場合は事前に予約した方がいいのかもしれません(当日でも空きがあれば乗車できる場合もあります)。もっとも、この時期は桜の時期なのでかえりもかなりの人数でごった返していたようです。
ビクティニ:久しぶりに真岡鐵道のSLに乗れた。何もかも懐かしい・・・。
ぐんまちゃん:ぼくは初めて乗ったけど、なかなかレトロだね。まるで上越線のSLみたい。
★SLもおか号の旅★
春の真岡鐵道沿線には桜や菜の花で彩ります。
特に、北真岡駅付近の桜並木と菜の花畑の広がる風景こそ、まさに真岡鐵道の春そのものです!
北真岡駅付近では、多くの撮影者や家族連れなどで賑わっています。
ビクティニ:見事な菜の花畑!
ぐんまちゃん:桜並木も素晴らしい!
真岡駅では9分間ほど停車します。
その間に、正面からC12-66号機を撮影できます。
この機関車は、D51やC62のようにデフレクター(除煙板)が付いていません。というのも、C12型といわれる蒸気機関車は、簡易路線向けかつ短距離ローカル線における旅客・貨物運用ならびに駅構内での入れ換えを目的に製造されたものです。
かつて旧国鉄真岡線だった時代にも、同形式が使用されており、主に貨物列車などで活躍されていたようです。
写真のC12-66号機は、日立製作所笠戸工場にて昭和8(1933)年11月に製造されました。当初は九州で活躍しましたが、後に東北地方に転属されます。それから長い間長野県の上諏訪にて配属、一時的に会津若松に配属されていたようですが、いずれも入れ換えを中心に活躍されていたものと思われます。末期は川俣線さよなら重連運転を最後に引退しました。
その後は福島県川俣町にて保存されましたが、平成3(1991)年には芳賀地区広域行政事務組合へ有償譲渡契約締結とともに真岡へ送られます。そして復元が行われ、平成6(1994)年には車籍復活ならびにSLもおか号の機関車として復活し、現在に至っています。また、平成10(1998)年にはNHKの朝ドラ“すずらん”のロケ列車としても使われたことがあります。
ビクティニ:小さくてもやはりSLならではのエネルギッシュが感じられる!
ぐんまちゃん:上越線のSLにも劣らぬ力強さも感じるね!
久下田駅で下車し、SL列車を見送ります。
機関車は、下館駅へ向かって去っていきました・・・。
ビクティニ:バイバイ、機関車くん!
こうして、通常のSLもおか号はこの先の下館駅で終わり、その列車は真岡駅へ戻ります。しかし、その列車はそのまま回送列車として真岡駅へ戻るわけではありません。どういうことかというと・・・