皆さん、こんにちは。
今回は奥大井湖上駅で2度目の星空撮影ということで、大井川鐵道の星空列車に乗車してきました。
この日は生憎の雨です・・・。この悪天候の中、果たして星空は見れるのでしょうか?前回(去年)も星空列車に乗車したのですが、前回撮った星空の写真は部屋を暗くしないと見にくい感じだったのですが、私の持っている一眼レフは初心者向けとはいえ、『マニュアル撮影』をすると星空はより綺麗に撮れるということを知り、今回はそのリベンジということで、奥大井湖上駅での星空撮影をしようと思います。
ビクティニ:今日は雨か・・・。星空見れるかな・・・。
ミュウ:晴れると良いね。
なお、前回の記事はこちらを御覧ください
井川線の客車内です。車内の窓ガラスが曇っています。通常の井川線ならば、千頭駅~井川駅ですが、星空列車は夕方に千頭駅を出発し、日が暮れる頃に奥大井湖上駅に到着します。その時の天気予報によると、18時頃には天気は回復するとのことです。前回はツアーで星空列車に乗車しましたが、今回は当日に星空列車の申し込みとなります。16:53に千頭駅を出発し、奥大井湖上駅に18:01到着。1時間ほど現地にて星空鑑賞になります。千頭駅を出発した頃はまだ雨が降っていますが、奥大井湖上駅に到着する頃には天候が回復していることでしょう・・・。
★星空列車と奥大井湖上駅での天体観測★
途中のアプトいちしろ駅では、アプト式電気機関車と連結します。ここから先はいわゆるアプト式鉄道特有90‰の急勾配を進んでいきます。アプトいちしろ駅と長島ダム駅間の旧線トンネルの一部が遊歩道として整備されていますが、トンネル内は照明がないため、懐中電灯が必要になります(アプトいちしろ駅と長島ダム資料館では貸してくれます)。
ビクティニ:アプト式電気機関車と連結作業が実際に見れるから面白いよね。アプト式鉄道は線路に敷かれたラックレールに機関車に付いているピニオン(歯車)と噛み合わせて急勾配を上り下りするかなり特殊な方式だ。60年前昔は信越本線にもあったけど、今の日本ではここだけで、スイスにも同じ方式の鉄道があるね。あ、この駅まで来る頃には雨は収まったようだ。
ミュウ:暗い中、作業が大変なんだね・・・。
この時期はまだ2月ですが、今年は桜が咲くのが早いのかアプトいちしろ駅では既に春の季節を迎えているようです。
ビクティニ:早くもお花見の季節だ。
ミュウ:綺麗だね。
90‰のアプト式鉄道です。90‰の勾配は1kmの距離に対して高低差90mを意味しています。この川の向こう岸にはかつての井川線の線路が通っていましたが、この先にある『長島ダム』の建設に合わせて、その旧線跡の一部区間が水没になったのです。そのため、今通っている新しい線路が『アプト式鉄道』として敷かれています。
大井川には発電用ダムがたくさん建てられていますが、こちらの『長島ダム』は大井川では唯一の多目的ダムとして活用されています。高さが109m、幅308mとかなり大きなダムで、大井川水系では一番新しいダムです。ダムの麓にある橋は『しぶき橋』といい、このダムが放流しているのを間近に見られます。また、ダムの内部も見学ができます。長島ダム駅でアプト式電気機関車から切り離されます。長島ダム駅を出ると、夕闇に包まれた接岨湖(せっそこ)の岸を進んでいきます。
ビクティニ:夜のダム放流をみているとちょっとシュールかもね・・・。さっきより天候が晴れてきたようだね・・・。
ミュウ:所々に霧が浮かんでいるね。
途中のトンネルの進行方向右側には井川線の写真パネルが20枚飾られています。その中には奥大井湖上駅の写真も飾られています。
18:01奥大井湖上駅に到着。
ここで1時間ほど、この駅にて星空鑑賞とともに写真撮影をしようと思います。奥大井湖上駅は海抜490mに位置しています。夜の奥大井湖上駅は灯りのない秘境駅ということもあり、やはり昼間とは違う雰囲気です。この奥大井湖上駅は静岡県における代表的な星空スポットとなっており、天体観測するのにはとても最適です。不思議な駅と2つのレインボーブリッジの景観が2019年に『クールジャパンアワード』に選ばれました。また、最近ではこの秘境駅にカフェが併設されています。
奥大井湖上駅に到着してから天気が徐々に回復してきました。すると、薄らいだ雲から『金星』を見ることが出来ました。『金星』は太陽系における第二惑星で、これは太陽から二番目に近い惑星です。『水金地火木土天冥海(現在)』というように、我々が住んでいる『地球』は太陽から三番目に近い惑星、いわば第三惑星なのです。また、今は『海王星』が太陽系の中では一番遠いですが、星の周期によっては『冥王星』が一番遠いこともあります。
ビクティニ:あれが金星なんだね!こんな悪天候の中、最終的に晴れてくれた上に、『金星』も見られるとは思わなかったな。
ミュウ:本当に晴れてよかったね。
さあ、ここから星空撮影タイムです。前回は星空の撮り方を知らなかったので星なのかどうかという写真でしたが、今回はマニュアル撮影で撮っているので前回より綺麗に撮れたかと思います。
ここからは奥大井湖上駅で撮影した星空写真をお楽しみください。
奥大井湖上駅から見る夜空には無数の星が浮かんでいるのがよく見えます。静岡県榛原郡川根本町は冬季になると澄んだ星空を見ることができ、全国的に星空スポット第二位に選ばれたことから、日本屈指の星空スポットになっているのです!
さて、自分で撮った星空写真に満足したところで、帰りの列車に乗車します。ただ、列車の照明は行きとは違って真っ暗な状態で入線してきました。車内はまるで幽霊列車のようでしたが、確かに灯りがないと綺麗に星空が見れないので、帰りの列車でも星空を楽しんでもらうためのサプライズでしょうね・・・。
帰りの列車から見る夕闇の長島ダムがライトアップされています。
列車の車内に灯りが点いていないと車窓から見る星空が綺麗に見れます。
途中のアプトいちしろ駅でも星空を見渡すことが出来ました。
こんな夜に井川線のアプト式電気機関車の切り離し作業が見られるのはある意味珍しいのではないでしょうか。この駅からは車内照明が点きました。
20:05 千頭駅に到着。
真っ暗な森の中をゆくトロッコ列車は千頭駅に到着しました。前回参加した星空列車は大井川本線の電車はありませんでしたが、千頭駅から20:20発の最終電車で金谷方面へ帰れるよう、ダイヤを配慮したようです。しかし、我々は千頭駅のすぐ近くにある旅館で宿泊しました。
ビクティニ:今回も星空が見れた・・・。最初は星空が見れるか不安だったけど、最終的に見れてよかった。
ミュウ:金星が見れたから良かったよ。
千頭駅前にある『福住旅館』でお世話になりました。夕食も美味しかったし、お風呂も温泉だったのでかなり嬉しかったです。
昼間の奥大井湖上駅です。奥大井湖上駅は別名『奥大井施錠駅』という愛称がつけられています。昼間に行くと明るいですね。平成2(1990)年までこの下を走っていた旧線から新しい線路に移された時に出来た秘境駅。平成13(2001)年に中部の駅百選に選定。さらに令和元(2019)年にクールジャパンアワードを受賞し、今でも静岡県を代表する景観スポットの一つになっています。
駅のノートにも書かせていただきました。
雑誌やポスターなどでよく見る撮影スポットから奥大井湖上駅です。やはりここから奥大井湖上駅を見てみると、その名の通り『湖に上にある秘境駅』ですね。2つの赤い橋に挟まれた駅がいかにも『秘境駅』という雰囲気です。
ビクティニ:ここから見るとまさに『湖の上にある駅』だ!
ミュウ:昨日は雨だったから、湖の水が満ちているようだね。
奥大井湖上駅から接岨峡温泉まで歩いていくこともできます。接岨峡温泉は日帰り温泉があります。接岨峡温泉のお湯は『若返りの湯』としても知られています。
大井川鐵道といえば、SLで有名です。その日のSLはC10型蒸気機関車になります。C10型はC11型の原型(試作機)となったもので、この形式が残っているのはこちらの8号機だけ残存しています。この機関車は昭和5(1930)年に製造されたもので、大井川鐵道の車両の中では最古のものになっています。当初は近郊都市の快速列車などで使用され、1960年代には国鉄から退きましたが、この8号機だけは岩手県のラサ工業に譲渡されたのです。その後、平成9(1997)年に大井川鐵道に譲渡され、再びSL急行として今でも活躍しています。
大井川鐵道の客車は昭和10~20年代に製造された大変古い客車が使われています。50年も昔から使われてきた客車が今でも現役として見られるのも大変貴重です。かつては東海道本線でも活躍していたのでしょうか・・・。
ビクティニ:やはり昔ながらの列車旅は旅情があるね・・・。
ミュウ:昔の客車が今でも動いているだけでもすごいよね。
終着駅の新金谷駅では、機関車が転車台で進行方向を変えて明日の運行に備えることになります。
ビクティニ:機関車が転車台で進行方向を変えるんだね。
ミュウ:近くで見ると大きいよね。
★おまけ★
ロコプラザには古い客車やSLが展示されています。
金谷駅まで歩いてようやく着いたと思ったら偶然EF66の貨物列車が通過していました!
夕食に静岡名物の『静岡おでん』と『富士宮焼きそば』をいただきます。
『2度目の星空列車 奥大井湖上駅での星空撮影』をお伝えしました。
終わり