こんにちは、今回はJR羽越本線のジョイフルトレインとして運行されている快速『海里』に乗車し、その後は弘前まで移動しようと思います。
さて、弥彦駅を8:20に出る電車に間に合うように旅館を朝8時頃に出ます。朝の弥彦温泉街は静かで清々しいです。奥に見える弥彦神社の鳥居が静けさと荘厳な雰囲気を醸しています。
ビクティニ:今回は朝食の代わりに『海里』のお弁当が食べたいので、あえて朝食はなしで旅館を出発だ。
ミュウ:神社の前に温泉街があるから静かだね。
温泉街から駅まで移動する際、途中でもみじ谷も通ってみましたが、冬の時期は寂しいものです。
ということで、弥彦駅からJR弥彦線と越後線の電車で新潟駅まで移動します。8:20に出る吉田行きに乗車し、そこで越後線に乗り換えて新潟駅まで進みます。
そして越後線で新潟駅まで移動します。車窓からは弥彦山のシルエットが見えます。
新潟駅には臨時快速列車『海里』の宣伝がされています。2019年10月から運行を始めたばかりです。運行区間は新潟~酒田間で以前に走っていた『きらきらうえつ』と同様のようですが、『新潟や庄内の食と景観を楽しむための列車』がコンセプトになっています。
新潟駅を出る快速『海里』は10:12に出発します。『きらきらうえつ』と同様に全車指定席ですが、『きらきらうえつ』は定員数が116名に対して、『海里』の場合は定員数が86名、中には24席旅行商品専用の席があり、それを除くと指定席がなんと62席です。さらに、今回は冬ダイヤで運行されているため旅行商品の設定がされていないので、実質定員62名ということになります。・・・ということは『きらきらうえつ』のほぼ半分と以前よりかなり定員数が減っているようです。
ダイヤとしては『通常ダイヤ』と『冬ダイヤ』があり、比較すると以下の通り。
『海里』の運行時刻表
※左が通常ダイヤ(赤)、右が冬ダイヤ(青)です。
停車駅 | 下り↓ | 上り↑ | 下り↓ | 上り↑ |
---|---|---|---|---|
新潟 | 10:12発 | 18:31着 | 10:12発 | 18:31着 |
新発田 | 10:38発 | 18:06発 | 10:38発 | 18:06発 |
中条 | 10:48発 | 17:55発 | 10:48発 | 17:55発 |
坂町 | 10:56発 | 17:47発 | 10:56発 | 17:47発 |
村上 | 11:06発 | 17:36発 | 11:06発 | 17:36発 |
桑川 | 11:22着 11:42発 |
17:21発 16:50着 |
11:22発 | 17:21発 |
(笹川流れ) | 徐行運転 | 徐行運転 | ↓ | ↑ |
あつみ温泉 | 12:18着 12:29発 |
16:13発 | 11:51発 | 16:55発 |
鶴岡 | 12:56発 | 15:49発 15:25着 |
12:21発 | 16:33発 |
余目 | 13:08発 | 15:12発 | 12:34発 | 16:11発 |
酒田 | 13:19着 | 15:02発 | 12:44着 | 16:00発 |
- 下り(新潟→酒田)
- 通常ダイヤの場合 新潟10:12発 → 酒田 13:19着(3時間7分)
- 冬ダイヤの場合 新潟10:12発 → 酒田 12:44着(2時間32分)
- 上り(酒田→新潟)
- 通常ダイヤの場合 酒田 15:02発 → 新潟 18:31着(3時間29分)
- 冬ダイヤの場合 酒田 16:00発 → 新潟 18:31着(2時間31分)
『きらきらうえつ』の運行時刻表
- 下り(新潟→酒田)
- 新潟 10:11発 → 酒田12:51着(2時間40分)
- 上り(酒田→新潟)
- 酒田 16:10発 → 新潟 18:31着(2時間21分)
運行スジによると『冬ダイヤ』は『通常ダイヤ』より約35分ほど早く酒田に到着するダイヤになっているようです。これは『通常ダイヤ』の時、羽越本線の名所である『笹川流れ』で徐行運転して景色を楽しめるようにするためのもののようです。なので、今回乗車する『冬ダイヤ』なら酒田に到着する時間が若干早いです。また、通常ダイヤだと『きらきらうえつ』より乗車時間が長いですが、冬ダイヤならほぼ同じのようです。
ということで、新潟駅に『海里』号がやってきました。以前の『きらきらうえつ』号と同じ4両編成で、『きらきらうえつ』は電車だったのが、『海里』ではディーゼルになっています。そして、『海里』のエンブレムがいかにも『和』をイメージしたおしゃれな感じになっています。この日は我々の席も含めて満員号令となっています。まあ、デビューしたてなので相当人気があるんですね・・・。『海里』に乗車してご旅行をお考えであれば、JRのSL列車と同様にみどりの窓口やJTBなどの旅行代理店で申し込むと指定券なら乗車できます。そのうちの4号車は『ダイニングカー』で旅行商品専用なので、びゅうプラザの旅行商品を購入しなければなりません(しかもただでさえびゅうプラザは徐々に廃止にする方針のようだが・・・)。ちなみにその『ダイニングカー』では新潟と庄内の食材を生かした日本料理やイタリアンの料理を提供してくれますが、先程も述べたように『冬ダイヤ』ではその設定がありません。また、旅行商品というツアー形式であることから、工程も決まっており、新潟発の日帰りツアーでさえも13,400円もするので最低でも1万円もするようです。指定席券(840円)と乗車券を併せれば乗車できますし、『週末パス』や『北海道&東日本パス』、『青春18きっぷ』を併せても、もちろんOKです。
ビクティニ:ということは我々みたく、函館までの在来線旅と併せて『海里』の旅を楽しむ時に、北海道&東日本パスと指定券があれば問題なく乗車ができるということだ!ちなみに『海里』は非常に人気が高い列車だから、どうしても乗りたい人は『えきねっと』でも買えるので、みどりの窓口やJTBに並んで買うよりも席が確保しやすくなるよ!
ミュウ:本当なら乗車日の1ヶ月前から予約ができるけど、普通に買おうとすると既に満席で乗れなかったりするんだよね。『えきねっと』の会員になると乗車日の1ヶ月のさらに1週間前からの予約ができるのはすごいよね。
作者:まあ、それでも取れなかったら東北本線経由になる予定だったんだけどねw あと『えきねっと』で申し込む場合は登録するクレカが必要だから注意です!
★『海里』の様子★
ということで、いざ乗車。1号車と2号車は通常の指定席として設定されています。普通の座席である1号車なら『きらきらうえつ』と同じリクライニングシート(クロスシート)で、私のように個人的な一人旅をするのには丁度いいです。2号車はコンパートメントシート(4席のボックス席)でどちらかといえば家族やグループ向けだったりします。ちなみに、申し込む時の座席の指定は『えきねっと』で申し込んだ場合、自分では選べないようですが、どうしても窓側がいいのであれば、みどりの窓口かJTBなどで予め指定しておくといいのかもしれません(それ以前にちょうど発売日になって買おうとしても必ずしも乗車当日の席が空いているとは限りませんが^^;)。ちなみに今回は『えきねっと』で取りましたが、我々が取った席は1号車のリクライニングシートになっています。
ビクティニ:これが『海里』の車内か・・・。初めて乗ったけど、すごく快適そうな空間だね。まるで『きらきらうえつ』とそんなに違和感がないようだ。
ミュウ:快速列車でも特急に乗っているみたい。
シャワさん:なるほど、これがいわゆるジョイフルトレインの楽しみというわけなんだ。
ゴンベ:早くお弁当が食べたいっぺ。
『海里』のお弁当は3号車の売店で引き換え券を渡すともらうことができます。お弁当は『きらきらうえつ』とは違って予約制になっており、これも指定券と同様にみどりの窓口かJTBなどの旅行代理店で申し込むことができます。ただし、『海里』の指定券がないと申し込めないので注意が必要で、指定券で指定した乗車日と必ず同じ日にちで申し込むようにしましょう。『海里』のお弁当は『加島屋弁当』(下り列車で1,800円)と『庄内弁』(上り列車で2,000円)の2種類あります。今回、我々が乗車しているのは下りなので『加島屋弁当』になります。リーズナブルに列車内で地元の食文化を堪能したいのなら、こちらのお弁当がおすすめだと思われます。
ビクティニ:さて、お弁当はもらえたのだけど、『海里』のお弁当はそこそこ高かったから、きっと高級な食材を使ってるんだろうね・・・。
ミュウ:後で開けてみようよ!
ゴンベ:早く食べたいっぺ!
作者:なるほど、たしかにパッケージからするといかにも『食』や『景観』を強調しているかが窺い知れるね・・・。
『加島屋弁当』の中身はキングサーモン味噌漬・いくら醤油漬・海老しんじょう・魚沼産コシヒカリなど、新潟の食材を活かしたものが入っています。これこそ、『海里』の列車旅における楽しみの1つですね。ただ、この後は日本海の車窓が観たいので、早めにいただくことに・・・。
ビクティニ:おお!これはうまそうじゃないか!じゃあ遠慮なく、いただきます!
ゴンベ:いただきま~すだ!!
列車が村上駅を出ると、進行方向の左側には日本海が車窓に辺り一面広がります。冬の時期なら日本海独特の荒波が見れるでしょう。
ビクティニ:日本海が見える!!冬の日本海こそ風物詩だ。笹川流れは見れるかな?
ミュウ:天気は大丈夫みたいだね。
ゴンベ:美味しいお弁当が食べられて、こんな海の景色も見られるのも幸せだっぺ!
シャワさん:函館までの在来線旅とはいえ、こんな海の景色が楽しめる列車があるからこそ、まさに鉄旅の醍醐味ってやつだね。
桑川駅を過ぎた辺りから『笹川流れ』という11kmも続く海岸線に沿って進んでいきます。『笹川流れ』は日本海特有の自然が生み出した奇岩や岩礁・洞窟などが点在し、眼鏡岩、びょうぶ岩、ニタリ岩、恐竜岩、蓬莱山などの奇岩が見られる風景です。これは荒波の侵食によってその地形が出来たもので、その芸術的な風景は国の名勝・天然記念物(県立自然公園)スポットにもなっています。そして、海岸線の岩場を流れる潮流がこの辺りの集落(かつて存在した笹川村)で見られ、その集落が『笹川』という名前であったことから、『笹川流れ』という名所の由来になったと言われています。
ビクティニ:笹川流れの車窓は素晴らしい!冬の時期に見るとなおさらいい感じだ。
ミュウ:向こうに見える島はなんだろう?
シャワさん:あれは『粟島』という小さな島だよ。人口は350人で面積が9.78k㎡あるんだ。あの島でも漁業が盛んでサイクリングロードにもなっていたりするんだ。ちなみに村上港から船で行くことができるんだ。
ゴンベ:あの島も美味しいものがあるんだっぺ・・・。
※笹川流れについては以前取り上げた『きらきらうえつ』の記事でも書いてありますので、ご参照ください。
日本海沿いを走っていた羽越本線は庄内地方に入ると、内陸の方へ入っていきます。そして、黒羽山五重塔や加茂水族館で有名な鶴岡駅に到着します。
庄内地方の陸地では鳥海山が見えます。鳥海山は山形県と秋田県の境界に位置しており、標高は2236mある活火山です。そして、山頂に積もった雪が富士山と似ていることから、『出羽富士』と言われていたりもします。
12:44、終着駅の酒田駅に到着です。『海里』号はここで折り返して新潟行きになります。『きらきらうえつ』号時代では秋田まで運行された時期がありましたが、『海里』号も秋田まで運行されることはあるのでしょうか・・・?
ということで、楽しかった『海里』号の旅はここでおしまいです。
酒田は庄内地方における伝統が今でも生きている町です。また、漁業も盛んで海の幸が美味しいといいます。
さて、ここからさらに北上していきますが、次の秋田方面は14:41発と2時間も待つことに・・・しかもあろうことか次の列車が特急なので、特急券とフリーパスとの併用は不可。なのでここと秋田までは特急で移動するため、特急券と乗車区間の切符を購入します(自由席で3,340円)。
ビクティニ:なかなかの出費だけど、これから天気が荒れるようなので早めに移動しよう。
シャワさん:まあ、まだ時間があるから昼食にしよう。
ということで、『さかた海鮮市場』にて海鮮丼というかカニ丼をいただきました。やはり日本海でとれた海の幸が美味しいです。
ビクティニ:いただきます!・・・日本海の海の幸は最高だ!
ミュウ:身が引き締まっていて美味しい!
シャワさん:エビ汁もうまいな。
ゴンベ:さっきの『海里』お弁当もうまかったけど、地元の海鮮丼のうまいっぺ!
酒田駅の近くに神社があったので参拝しました。
さて、もう出発の時間なので14:41発の特急いなほ5号で秋田へ。
昔はSLも走っていた名残もあります。これは陸羽西線で走っていたものでしょうか。
酒田駅を14:41に出発し、秋田・青森方面へ北上していきます。
秋田県でも、さっきの笹川流れのように海沿いを走りますが、この辺りの海沿いの景色がやや寂しい感じです。羽越本線はこのように海沿いの風景が美しい一方で、「冬季になると天気に左右されやすい」と言われているように、天気が荒れると大雪の他に強風などで遅延になったりすることもあります。特に最悪の場合は強風などで運休になってしまうことがあるようです。フリーパスや18きっぷなどで秋田エリアの海沿いの区間を通過する場合は、よく天気を確認しておくのが望ましいでしょう。ちなみに2005年12月25日にはその強風によって特急列車が脱線したことで『風規制』というものが設けられ、風速20m/sを超えている場合は時速25km/hに速度規制、さらに風速25m/sを超えている場合は運転見合わせという事態になってしまうようです。なので一番いいのは、通過当日に天候に問題がない、かつ風速が20m/sを超えていないか確認しておくのが無難かと思われます。
16:04に秋田駅に到着。ここで羽越本線の旅は終わりです。
ビクティニ:羽越本線、長かった・・・。とりあえず、難所は越えたよ。
ゴンベ:あとは別の路線に乗り換えて今日の目的地に行くだけだっぺ。
さて、秋田駅から先は奥羽本線に乗り換えます。
JR奥羽本線 16:27発 普通 青森行きに乗車。
先程の酒田駅からは特急を使ってきましたが、ここから先は普通列車の移動になります。さらに、長時間ロングシートに座り続けることになります。ただ、トイレがあったりするので、移動中にトイレを済ませたいならあまり困らないのでしょうが・・・。
ビクティニ:あれで今日の目的地、弘前まで行けるぞ。たしか時刻表によると弘前には18:59に到着するようだ。
ミュウ:でも、まだまだ先になりそうだね・・・。
秋田から先の奥羽本線は、今まで海沿いを走っていたのが次第に山間部に入っていきます。17:00を過ぎたあたりから日も暮れてしまい、やがては車窓も真っ暗になってしまいました。秋田県と青森県の県境には『白神山地』があり、その麓に沿って進んでいきます。しかし、ロングシートとはいえ、沿線の景色が雪国という風景の車窓を見ていると「旅に来た」という実感が沸くのが不思議ですね。
さあ、秋田から2時間半ほど乗車しまして、18:59弘前駅に到着です。
駅の壁には「ようこそ弘前へ」のメッセージがあります。なんか温かく迎えられているような気分ですね。
ビクティニ:長かった・・・。
ゴンベ:お腹すいたっぺ~。
弘前駅の通路脇に弘前城と旧市立図書館、そして『リゾートしらかみ』のモニュメントが置かれていました。イルミネーションもしてあります。
令和元年の年越しそばは弘前駅の入り口にあるそば屋さんで弘前名物(?)と思われる天玉そばをいただきます。
ビクティニ:寒い時期にはそばが一番。
ミュウ:外は雪だものね・・・
ゴンベ:いただきますだ!
シャワさん:まあ、明日が大晦日だし、ご当地の年越しそばもいいんじゃないか?
今夜は弘前パークホテルに宿泊です。駅からはだいたい10分歩いたところにあります。
夕食はホテルの近くにある居酒屋でいただくことに。
ビクティニ&ミュウ:焼き鳥美味しい!
ゴンベ:釜飯もうまいっぺ!
ビクティニ:今日の移動は長かった・・・。あとは北海道新幹線で青函トンネルを通るだけだ・・・。
ミュウ:明日は北海道上陸かな。
シャワさん:明日はもう大晦日だね。
ゴンベ:Zzzzzzz・・・。
2日目 終わり
3日目へ続く・・・。