皆さんこんにちは。
今回は『世界遺産の温泉地』といわれる温泉津(ゆのつ)温泉に宿泊しました。
温泉津温泉へは出雲市駅からJR山陰本線の普通列車か快速列車で向かいます。
出雲市以西の列車はディーゼル列車で運行され、スーパーおき、スーパーまつかぜなどの特急列車をはじめ、2両か1両編成の普通列車または快速列車で運行されています。普通列車および快速列車は鳥取方面から直通するキハ126系(キハ40系)、出雲市始発の普通列車はやや小さい車両のキハ120系などで運行されています。山陰本線という長い『本線』でありながら、1両編成の普通列車で運行されているのは少々寂しげですね。車両が小さい上に1両ということは、山陰本線の出雲市以西はかなりのローカル線であるということを実感させられます。
出雲市より西側の山陰本線は、進行方向右側の車窓には雄大な日本海の車窓が広がります。田園地帯や日本海が見渡せる山陰本線こそ、島根県の鉄道車窓としては代表的な光景です。
このあたりの島根県西部は『石見地方』といわれ、世界遺産の『石見銀山』があることで有名ですが、他にも『世界一の砂時計(1年計砂時計)』が設置されている『仁摩サンドミュージアム』があり、砂時計の展示や砂についての解説が行われています。島根県には縁結びのある神社や世界遺産の石見銀山があるだけでなく、こういったユニークな博物館や水族館があるのも興味深いものです。
JR山陰本線で出雲市駅から約1時間・・・温泉津温泉の玄関駅、温泉津駅に到着です。温泉マークと舟のイラストで纏った駅名標が珍しいですね(笑)。
温泉津温泉は『世界遺産と温泉とやきものの町』ともいわれ、温泉津町は文字通り古くから温泉街として栄えてきました。16~17世紀の江戸時代、石見銀山から採掘された銀をはじめ、様々な物資を運ぶ人々で賑わいました。現在では、石見銀山遺跡および文化的景観として世界遺産の一部とされています。温泉津に温泉が発見されたのは1300年前のことで、狸がその温泉を見つけて入ったのがそのはじまりという伝説があるといわれています。
世界遺産『石見銀山』ゆかりの温泉地『温泉津温泉』の温泉街です。
港町の温泉街ということもあり、わりとレトロな雰囲気で、まるで集落の中にある静かな温泉街という印象を受けます。
海と山に囲まれた町並みは江戸時代当時の雰囲気のままで今でも残っています。この町並みの民家には『赤瓦(あかがわら)』といわれる『石州瓦(せきしゅうがわら)』が使われています。実は、これらの瓦にはこの町並みの窯で焼いた年代物の瓦が使われており、いわば焼き物で出来た屋根のある民家はもはや歴史的建造物群というともいうべき価値観があります。これも島根ならではの文化といっても良いでしょう。この温泉街を観ていると、かつては石見銀山で働いた鉱夫たちで賑わっていたことを思わさせます。
温泉津温泉といえば、『薬師湯』と『元湯』では日帰り温泉が楽しめます。
温泉津温泉はお湯の色が茶色のにごり湯で、鉄分が含まれているのが特徴的です。
温泉津温泉は原爆治療にも活用されたこともあり、身体にはとてもいい成分が含まれているとされています。糖尿病を含む生活習慣病をはじめ、神経痛、リウマチや関節炎、筋肉痛、五十肩、運動マヒ、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器、痔疾、冷え性、病後の回復、疲労回復、健康増進、切り傷、火傷、慢性皮膚病、虚弱児童、婦人病などによく効きます。いわば、どんな万病にも効くとされています。また、国内屈指の『生の温泉』でもあるため、特に冬の時期では身体の芯まで温まり、免疫力や病防止には効果的とされていることから、山陰の温泉において最高峰の温泉とされています。地元の方々はもちろん、我々旅行者にも人気があります。旅の疲れや普段のストレス、仕事の疲れなどにも十分に効くので、島根への旅行のついでに湯治、あるいは石見銀山の見学のついでに立ち寄ってみるのも良いのかもしれません。
元湯の温度は最高46℃ととても熱いので、熱い温泉が平気な人や源泉に入りたい人はともかく、私みたく初めて訪れるような観光客や熱いお湯が苦手な人なら、ちょっときついかもしれません。そこで、観光目的や気軽に銭湯感覚で温泉津温泉を楽しみたいなら、比較的温度の低い薬師湯をおすすめします。薬師湯でも源泉100%なので十分に源泉が楽しめます。見た目もおしゃれでレトロな洋館仕様で、2階に湯上がりの休憩スペースがあり、また隣の旧館ではカフェとして運営されています。隣の旧館はもともと薬師湯の湯元で、温泉津温泉の温泉施設としては最古のものとされ、大正期に建てられた建築学的に貴重なものです。
ビクティニ:大正ロマンの銭湯って感じだね。温泉津温泉って「熱いお風呂」というイメージがあったけれど、ここの薬師湯なら普通の人でも銭湯気分が味わえるよ。風呂上がりのコーヒーは美味しかった。
ミュウ:・・・というより地元の人がよく使っているみたい・・・。ちょっと湯船は狭いけど、ここの銭湯なら雰囲気はあるし、安心して入れるからいいよね。
温泉津温泉の旅館はこじんまりしている割りには、庭園や館内がまるで高級旅館のような雰囲気です。我々が宿泊したお部屋は大広間のようにとても広く、掛け軸の前には茶香炉が焚かれていました。そして、旅館で出た夕食は島根地産の海鮮ものや食材がふんだんに使われています。
ビクティニ:この温泉地のご飯はとても美味しい!島根の海の幸もうまいぜ!
ミュウ:寒い冬には鍋料理が最高に美味しいね!
にょろもう:いつも食べる夕飯とは違うから美味しいね!
★おまけ★
本来なら、温泉津温泉に泊まった後に世界遺産『石見銀山』を観る予定でしたが、残念ながらこの後は次第に天気は荒れ気味になるようで、山陰エリアのJRもすべて見合わせるとのことなので、早めに松江に戻ることにします。しかし、途中の大田市駅で列車が止まってしまい、さらに後から来た快速も立ち往生。これは山陰本線の一部の区間で強風があり、止む気配がないとのこと。さらに今日から青春18きっぷを使う予定だったのが、その強風でどちらの列車も動けない様子のようです。そこで仕方なく大田市駅から先は代行(?)のタクシーで出雲市駅まで送ってもらうことに・・・。ところが、JR西日本によれば運転見合わせ時の正式な代行はないとのことなので、自己負担に・・・(T_T) しかし、乗客は私以外には2・3人ほどいたのでタクシー代は3千円負担ですみました・・・。それからというもの、出雲市駅から再びJRを使おうとしたが、ここから松江方面への行く列車も立ち往生(´;ω;`) ちなみにこの日の特急やサンライズは終日見合わせとのことです。
一方、松江方面なら一畑電車は動いているようなので、一畑電車で松江しんじ湖温泉駅まで進んでいきます。出雲市駅から松江しんじ湖温泉駅までの運賃は700円です。出雲市駅から川跡行きに乗車、川跡駅から松江しんじ湖温泉行きに乗り換えれば松江まで行けます。おかげで電車の車窓から観る宍道湖が観ることができました。
ビクティニ:宍道湖が見えるよ!
ミュウ:湖面の荒波が海みたい・・・。
『世界遺産“石見銀山”ゆかりの温泉“温泉津温泉”に泊まる』をお伝えしました。