ビクティニと昔ロマンのブログ

好きなポケモンと旅行に出掛けたり、鉄道名所(景観路線や歴史ある鉄道スポットなど)スポットめぐりや風光明媚な鉄道旅、日本の観光地の歴史や景観めぐりなどを紹介するコーナーです。よろしゅうお願いします。

関東最東端の町“銚子”訪問と銚子電鉄に乗ってきました。

皆さん、こんにちは。コロナでGWは旅行ができず、静岡を最後に4~5ヶ月間旅行に行っていませんでした。あれからもう夏に入りましたが、最近は九州で集中豪雨となり、各地では水浸しになりつつあるようです・・・・。

 

さて、今回は千葉県銚子市にある『銚子電鉄』に訪問しました。

銚子市は関東最東端に位置し、東京からJR特急で1時間と45分。車だと約2時間と40分かかります。銚子市は、昭和8年2月11日に銚子町・本銚子町・西銚子町・豊浦村の3町1村が合併し、全国で116番目で、千葉県においては千葉市に次いで2番目の市として誕生したと言われています。利根川河口をはじめ君ケ浜、犬吠埼、屏風ケ浦に至る海岸線から、水の都とも言われたりします。JR総武本線・成田線の終着駅である銚子駅から先は『銚子電鉄』が続いています。

 

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銚子電鉄のホーム

銚子電鉄(銚子電気鉄道)はJR総武本線・成田線の終着駅である銚子駅から外川駅まで6.4kmで結ばれています。

 この鉄道の歴史は大正2(1913)年に地元有志によって設立された銚子遊覧鉄道を母体とし、第一次大戦中に廃線となった後、大正12(1923)年に復活した地方鉄道の一つです。当時は『銚子鉄道』という名称で銚子~外川間をガソリン車で運行され、開業間もない2年後には早くも電化され、電車が走るようになったといいます。しかし、戦時中の銚子大空襲で車庫や変電所は被災し、一時運行不能に陥りました。昭和23(1948)年に銚子鉄道は企業再生整備法により、『銚子電気鉄道』として再発足することとなったのです。通勤・通学、観光客に限らず、ヤマサ醤油の輸送業務も活躍していましたが、高度成長期以降の1960年代になると、モータリゼーションの波(自動車の普及など)に押され、厳しい経営状況が現在でも続いているといいます。

 

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銚電オリジナルのサボ

銚子電鉄ではこんなオリジナルのイラストサボが飾られています。犬吠埼のイラストが素敵です。

 

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電車内にチーバくんの装飾が・・・

車両はかなり古めかしいです。以前は1両編成の電車が走っていましたが、現在は伊予鉄から譲渡された車両というか、かつては京王線で活躍した車両が活躍しています。この車両は2000形で、元京王2010系になります。車内にはチーバくんの装飾がしてありました。

 

★実際の映像★


ミュウとビクティニが銚子電鉄に乗車した

 

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例の新型コロナウィルスで減便中

以前にも銚子電鉄に訪れたことがあるのですが、当時は1時間おきに2本というダイヤだったものの、最近は例の病気で1時間に1本に減便されているようです。

 

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銚子電鉄の終着駅 外川駅
銚子電鉄の終着駅である『外川駅』に到着しました。このあたりは漁港になっていて、ここから5分歩いた場所に『外川漁港』があります。外川駅の駅舎自体もほぼ開業当時の木造駅舎のままで保たれています。また、隣には昭和30年代ならよく見かけることができた丸ポストが鎮座されています。

 

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NHK連続ドラマ『澪つくし』のロケ地にもなった外川駅
外川駅では、昭和60(1985)年のNHK連続テレビ小説『澪つくし』のロケ風景の舞台にもなりました。その物語に登場するかをるが通学や銚子~外川を行き来していた際に何度も登場していたようです。

 

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犬吠埼と外川漁港の周辺地図
銚子市は利根川の河口に位置し、『港町』として江戸時代から栄えてきたといいます。そのことから漁業をはじめ、醤油醸造も盛んです。このあたりの地理は、犬吠埼や屏風ヶ浦という風光明媚なスポットがあります。また、銚子沖にはイルカやスナメリなどが生息しているので、天気が良ければイルカウォッチングができます。しかし、この日は生憎の天候ということもあり、強風が酷く、明日も厳しいとのことです・・・。

ビクティニ:せっかく来たんだからイルカも見たかったけど、今日も明日も天気が悪いから見れないのか・・・残念だなあ・・・。

ミュウ:九州の方は何日も雨続きだもんね・・・。九州の方は大丈夫かな・・・。

 

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ありがとう駅
銚子電鉄の各駅では、本来の駅名にそれぞれネーミング愛称が付けられています。

銚子駅⇒『絶対あきらめない』

仲ノ町駅⇒『パールショップともえ』

観音駅⇒『金太郎ホーム』

本銚子駅⇒『上り調子 本調子 京葉東和薬品』

笠上黒生駅⇒『髪毛黒生』

西海鹿島駅⇒『ウェルネス8020 こぬま歯科』

海鹿島駅⇒『関東最東端より銚子港直送 千葉石毛魚類』

君ケ浜駅⇒『ロズウェル』

犬吠駅⇒『OTS犬吠埼温泉』

外川駅⇒『ありがとう』

これらは、千葉県や東京都の企業の他に愛知県や沖縄県の企業からのネーミングセンスが付けられています。また、最近では銚子電鉄と台湾鉄路が『姉妹鐵路』として交流を深めています。銚子電鉄と台湾鉄路管理局蘇澳線は、ともに首都から2時間程の距離に位置し、いずれも太平洋に面する漁港に通じる路線であり、更に蘇澳には冷泉があるように、銚子にも温泉があります。それぞれ観光資源として重要なもので多くの共通点があることから、相互の協力と信頼を礎として、両鉄道の友好関係を推進するきっかけとなり、姉妹鉄道の契りを結ぶこととなったのです。

 

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銚電のフリーきっぷ
銚子電鉄では、銚子駅から乗車すると車内にて切符を売ってくれます。銚子電鉄で乗りまくりたい人には『1日乗車券』がおすすめです。当日の乗り降りが自由の他にポートタワーや犬吠駅の売店の割引などの特典があるので、とても便利です。

 

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飯沼観音 銚子大仏
観音駅から徒歩5分のところに『飯沼観音』があり、境内に銚子大仏が鎮座されています。ここは坂東三十三観音霊場の第二十七番札所になっています。
中世期には、銚子地方を納めていた海上氏が壮麗な伽藍を建立したと伝えられ、銚子の町の原型ができたといわれています。飯沼観音は、太平洋戦争末期の銚子大空襲の際、全て消失。1971年に再建されました。
毎月18日には、『ご縁日』としてイベントなどを実施されています。
飯沼観音の大仏様は、宝永8(1711)年に鋳造され、高さは約5mあり、戦争中に受けた弾痕が残っているなど、戦災を受けた悲しいエピソードも・・・。

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銚子港の食堂にて昼食

さて、せっかく銚子に来たので昼食に海の幸を堪能します。本来なら、銚子港で海鮮ものがたらふく食べられる『万祝』さんで食事がしたかったのですが、やはり例のアレで閉まっているようです。また、市場競り市の見学もできますが、そちらも例のアレでできません・・・。仕方がないのでちょうど近くの食堂でお食事をしました。銚子は古くから港町として栄えてきた町ということもあり、豊富な魚介類の穫れます。なので、新鮮な魚介類もその場で堪能できるわけです。ちなみに私はお刺身定食をいただきました。

★興味のある方はこちらをどうぞ★

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鬱蒼とした森と銚電

本銚子駅は森の中にある駅でいかにも洋風レトロな雰囲気を醸しています。森の向こうからやってくる電車が不思議な光景にも見えます。

 

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チーバくんと記念撮影

銚子電鉄の車内にチーバくんはよく似合うかと思います。森の中を快走する銚電は暑い夏では清涼を感じさせます。

 

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仲ノ町駅構内の裏手に醤油工場

仲ノ町駅では電車の車庫があります。そしてその裏手にはヤマサの醤油工場が見えます。奥に見える大きなタンクは醸造された醤油を貯めるためのタンクでしょうか・・・。

 

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ヤマサの醤油工場ができる

仲ノ町駅の近くにはヤマサの醤油工場があり、当日でも随時見学ができるはずなのですが、やはり例のアレで見学させてもらえませんでした・・・。ちなみに、見学に関しては事前に予約しないと見学できないとのこと。コロナになる前だったら当日でも見学ができたのかもしれません・・・。

 

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犬吠駅

犬吠埼の最寄り駅である犬吠駅の周辺には犬吠埼の灯台日帰り温泉がある他、『地球の丸く見える丘展望館』もあります。しかし、この日は気候がよくないため、周りを見渡しても霧に覆われていて、眺望するのには厳しいようです・・・(´・ω・`)

 

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犬吠駅の売店ではぬれ煎餅が販売されている

犬吠駅では売店が併設されており、ここで銚子名物の一つでもある『ぬれ煎餅』が販売されています。実はこの『ぬれ煎餅』こそ、銚子電鉄の経営危機から救った救世主というべき存在です。

どういうことなのかというと、銚子電鉄は過疎化による人口減少や観光客の減少により年々乗客数が減り、行政からの補助金で何とか運行を維持していました。昭和30年代に年間250万人以上利用していた乗客は、平成に入ると100万人を切ってしまい、いつ廃線になってもおかしくない状況だったといいます。平成18(2006)年、当時の社長に横領が発覚。その額は1億円を超え、すでに行政からの補助金は打ち切りになっており、もはや倒産寸前というまさに背水の陣というべき状況に陥りました。また、国土交通省の監査が入り、老朽化した線路や踏切などの改善・修理の命令も出されました。3カ月以内に線路・踏切などの改修をしなければ運行停止。それには約5,000万円もの費用が必要という、まさに会社にとって“死刑宣告”と行っても過言でないほど絶望的だったといいます。それでも何とかして車両や線路設備などの修理費を稼がなければいけない中・・・数年前より副業にて製造・販売を開始した『ぬれ煎餅』を売ることを試みます。電車を走らせる為に、来る日も来る日も必死になって「買って下さい、買って下さい。」と売り歩きしても、なかなか思うようにはいきません・・・。ところが、そんなある日、膨大な数の『ぬれ煎餅』の注文メールが2千~3千件ほどこれまでになかった注文数に目から鱗が出るように売れたのです。これはテレビやメディアなどにも取り上げられ、ぬれ煎餅は爆発的な売上げを記録しました!
この売上げで車輌の法定検査や老朽化施設の改修などの費用を賄うことができたおかげで、銚子電鉄の倒産危機は免れることができたのです。また、ぬれ煎餅を買ってくれたお客さんの大半が銚子電鉄に乗りに来てくれた人々の気持ちで「がんばれ銚子電鉄」というメッセージも送られたといいます。これが、ぬれ煎餅で銚子電鉄を倒産の危機から救ったエピソードと言われる所以なのです。こうして、ぬれ煎餅の売上や多くの観光客や地元の方々の支援があってこそ、今日も銚子電鉄は走り続けているのです・・・。

 

とまあ、なんか泣けるお話しですね・・・。こうして修繕費を稼ぐためにぬれ煎餅の販売を行っていたのは、こうした厳しい環境の中でも相当努力されていたのかが伺い知れます・・・。

 

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犬吠駅ではぬれ煎餅の体験ができるのだが・・・

犬吠駅ではぬれ煎餅の販売のほか、『ぬれ煎餅の焼き体験』ができるはずなのですが、残念ながら生憎コロナのせいでやはり叶わず・・・orz  本当は手焼き体験もやってみたかったのですが、それさえも叶いません・・・orz ちなみに中井精也さんの写真ギャラリーも併設されていますが、そちらも休館のようです・・・。

 

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犬吠駅のたい焼き

また、たい焼き屋も併設されています。以前は観音駅にたい焼き屋がありましたが、現在は犬吠駅に移設されています。他にたこ焼きもあります。なんでもぬれ煎餅以外でも好評があるとか。

ビクティニ:ぬれ煎餅の手焼き体験はできなかったけど、たい焼きは美味しかったよ。

ゴンベ:うまいっぺ~!

 

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犬吠埼温泉の旅館にて宿泊

天候が一向に荒れてきたので、旅館にチェックイン。犬吠埼の温泉は海に近いということもあり、塩分の温泉で切り傷や疲労、肩こりなどによく効きます。日帰りもいいですが、たまには旅館に泊まるのもいいものです。

ビクティニ:せっかくこんなに遠くまで来たのに、イルカたち見たかった・・・。

ミュウ:ここのところ天気はずっと雨だもんね・・・。

にょろもう:夕日を期待していたのに残念だなあ・・・。

ゴンベ:ぬれ煎の手焼きやってみたかったのに残念だっぺ・・・。

travel.rakuten.co.jp

 

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犬吠埼灯台

旅館に泊まってから犬吠埼の灯台を観てきました。ここの灯台は関東最東端にして本州最東端にある灯台です。

なぜこの名前が付いたのかというと、ある一説によれば源義経の愛犬である『若丸』が義経と従者とともに北上船に乗船したときに岬に置き去りにされ、主人と別れたことを惜しみ、七日七晩鳴き続けたことからこの名前が付けられたと言われています。
こちらの灯台はあたり一面太平洋が広がる大海原の景観、そしてその目立った立地から、平成10(1998)年に世界灯台百選及び日本の灯台五十選にも選ばれ、国の登録有形文化財及び近代化産業遺産に指定されています。また、正門にある丸ポストは特製のもので、郵便物を差し出すと、その灯台のイラストが入った消印が捺印されるようです。
この灯台は明治7(1874)年11月に竣工及び初点灯となり、明治政府のイギリス人灯台技師“リチャード・ヘンリー・ブライトン”によって設計されました。また、国産のレンガを初めて使用した灯台でもあります。

ビクティニ:この前に行った日御碕の灯台は結構大きかったけど、ここの灯台も結構大きいね・・・。

ミュウ:この日は天候が荒れているし、てっぺんにいたら吹き飛ばされそうだよ・・・。

 

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灯台の資料室

 灯台の資料室には、灯台に関する資料や写真などが飾られています。一番奥には地元の小学校のタイムカプセルとして灯台のマーカーも展示されていました。

 

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灯台のてっぺんから見た海
地上から99段の階段を昇って灯台のてっぺんまで行ってみます。灯台自体の高さは31mでやや小さめですが、実際は海面からの高さが約60mと結構な高さです。ここから見下ろす海の景観はとても圧巻です!また、この日は強風でデッキにいたら荷物などが吹き飛ばされてしまいそうです。

 

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灯台の灯火
犬吠埼灯台は、明治政府の工部省灯台寮がイギリスから招へいした灯台技師“リチャード・ヘンリー・ブラントン”の設計及び施工監督のもと、明治5(1872)年9月28日に着工し、明治7(1874)年11月15日に竣工及び点灯されました。その工事費用は、なんと当時のお金でいう44,835円63銭だったと言われています。
工事としては、19万3千枚のレンガが使用され、レンガ自体はイギリスから輸入されたもので、非常に高価だったことから、中沢孝政という灯台寮の技師が国産化を主張、苦心の末に香取郡高岡村でレンガ造りに合った良質の土を発見し、付近の旧藩士に製造法を教わり、製造したものです。このレンガでできた灯塔は、100年以上もの歳月に耐えられる構造になっています。この灯台に使用されたレンズは、当時フランス製の第1等8面閃光レンズを使用していましたが、太平洋戦争により一部が破壊され、現在は灯台局レンズ工場で製造された第1等4面閃光レンズが使用されています。太平洋戦争で破損されたレンズは一部復元され、先ほどの灯台資料館にて小学校のタイムカプセルとして保管されています。レンズは、高さ約2.6メートル、直径約1.9メートルを有する大きなもので、このレンズを水銀が入った器のようなものに浮かべ、その浮かべたレンズをモーターで回転させて点灯しているのです。灯台を光らせる装置も当初は石油灯が使用されていたものの、大正12(1923)年に電気化された後、改良を加え、現在は灯台用に設計された際、わずか400Wの電球が使用されていますが、レンズにより集光され、光度が110万カンデラ(ろうそくの光110万本分に匹敵する明るさ)で、約36km先の海上まで届くという十分な明るさです。このスペックで銚子の海は今日も守られているのです。

 

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銚子ジオパークの景観
銚子のジオパークは、犬吠埼の景観をはじめ、太平洋の大海原と利根川水系の河口に囲まれた水の町農業景観など魅力的な大自然によって恵まれた環境でもあります。中でも“東洋のハーバー”と言われる屏風ヶ浦10kmの海岸線高さ40~50mを有する海食崖はとても圧巻です!しかし、この日は天候が荒天なので、もうちょっと天気が良ければ、その圧巻な絶景が見れたのかもしれません・・・。

 

『関東最東端の町“銚子”と銚子電鉄』をお伝えしました。

 

★おまけ★

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鴨川シーワールドのスナメリ

鴨川シーワールドにてスナメリやシャチのショーも観てきました。

ビクティニ:スナメリとても可愛かった。

ミュウ:間近で見ると可愛いね。